新国立劇場で上演中の舞台、
「ヘンリー六世 第一部 百年戦争」を観て来ました。 (
公式サイト)

新国立劇場「ヘンリー六世」(@ぴあ)
まず最初にざっくり言っておくと、面白かったです

(ざっくり過ぎ^^;)
シェイクスピアの実質的なデビュー作らしいこの作品、
今回のバージョンは全部上演すると9時間に渡る超大作。
それを3時間位の演目×3日間かけて上演、を基本パターンに、
1日に2部演じる日や『全部一気に上演します』の日もあり、
演じる方は勿論のこと、観る側に取っても、
なかなかに色んな意味で手強い作品です。
…だって1部だけでも「エリザベート」等々と同じ位のボリューム、
ミュージカル以外でここまで大掛かりなお芝居は久し振りと言う事もあって、
まずは「1日1部ずつ」それも「週に1部ずつ」と、
余裕を持ったスケジュールを立ててみました^^;
まず、…ええとね、
座席が硬めなので、
一挙上演に行かれる方で尾てい骨に自信のない方(?)は、
『後ろ席に迷惑掛けない程度の』敷物とかあった方が良いかもです^^;
上演しているのは中劇場、舞台は奥行きがあってとても広い。
今回はオケピにあたる部分(多分)も舞台として客席にハミ出して来る感じ、
実際、客席側の扉から演じ手が入場して来るシーンもあり、
客席を『群集』と見立てて呼び掛ける場面も。
上手には水辺もあれば途中で雨も降る(!)けれど全体としてはシンプルな場所。
そこで繰り広げられるのは15世紀のイギリス王・ヘンリー六世の物語。
観ていて「あー、言わば時代劇なんだよなぁ…」とシミジミ思ったら、
それまで「とっつき難い」と思っていたこの時代の歴史に、
ちょっと親しみが持てて来た気がします^^;
対フランスの英雄・トールボット卿を褒め称える口上が、
『清和の末裔・源氏の嫡流・鎮守府将軍八幡太郎源義家が朝臣…』みたいに聞こえたもの。
(↑ちなみにこれは南総里見八犬伝の一節(但しウロオボエ^^;)ですが)
フランスとの戦いや身内同士の争いに明け暮れる物語でもあり、
観ている方も追い詰められて行くような重さがあるかと身構えて行ったのですが、
…なのですが、これがとても人間臭いと言うか何と言うか。
私怨だったり意地の張り合いだったり意気地がなかったりで戦局が変化する感じ、
それも四角四面な業の物語と言うよりも、
もっとユルい「…お、おいおい^^;」と突っ込み入れたくなるオトナゲナイ感じ、
当ブログの性質上、
特撮で例えるなら井上敏樹先生脚本方向と言うか^^;
だから逆に、非常に人間的で『とっつき易い』軽さと言うか、
やっている事は戦争なので実際には残酷な話なのですが、
恐らく演出的によりデフォルメされているのか、どこか滑稽でユルい。
そんな風に、『自分のプライド>人の命』な愚かさに満ちた世界にあって、
第一部で目を奪われるのは、
年若くも利発で心清き青年であるヘンリー六世(浦井健治くん)
イギリス軍の勇猛果敢な武将・トールボット卿(木場勝己さん)
シャーマン的な強さと言霊を扱う乙女ジャンヌ(ソニンちゃん)
木場さんのトールボット卿が素敵でした!素敵オヤジ系(をい^^;)
ドロドロと言うよりダメダメな両陣営にあって、
正論吐いてるのってこの人とヘンリー君だけな気がしてきた。
ヘンリー君(君付けするな^^;)は父王が若くて急死(謀殺とも)した為、
生後9か月で即位したそうだけれど、
『周囲がちゃんとした人ばかりだったら』名君になったかも、と思わせる賢い人。
でも優し過ぎて野心がなくて(物心付いた時は王様だったからね^^;)
あんまり自分ってモノがなくて(それも仕方ないけど)周囲のドロドロに心痛める。
利発だし心値も美しいし、端で見ていると『掃きだめの鶴』のようにイイヒトだけど、それじゃ足りないんだよなぁ、って居酒屋でおっちゃん達がクダ巻きそうな感じの王様。
でも王様だから、「デウス・エクス・マキナ」の立場でもあり、
いがみ合う『叔父さんたち』の争いを(一時的に)止めたり、
世が世なら王位をその手に納めていた(らしい)貴族、
リチャード・プランタジネット(渡辺徹さん)の復権を許したり出来るんですが、
それらの『采配』が今後にどう展開して行くのか…と言う辺りで第一部の幕が降りる。
ソニンちゃんの演じる乙女ジャンヌ(ダルク)は魅力的。
突然マリア様の天啓を受けた、祖国フランスを救う!と登場する自信に満ちた態度、
皇太子シャルルに向かっても臆せずタメ口^^;
天啓と言うより何か
ヘンな電波受け取ったかと思わせる一途さと、
思い込みから来る強さに周囲の人は魅了(いや圧倒^^;)されたのかも。
最期は、口汚く罵られて、実の父親には決定的な言葉を吐かれて、
それでも往生際悪く命乞いする彼女の生命力・生に対する執着が、
己の心意気の為に死に急ぐかに見えた、トールボット父子と好対照で印象的でした。
(トールボットの息子・ジョン役の清原達之さんも印象的だった

)
て言うか、とにかくTVで良く見ている、渋い俳優さんたちが沢山登場して

客席は客席でシブいおじ様方が和やかに演劇談義されてたり、
ちょっと今までにない経験も面白かった舞台でした。

ある程度、舞台紹介記事も出揃って来た感じ。
全9時間「ヘンリー六世」 27日から東京の新国立劇場(朝日新聞)
ソニン、役作りのために60センチの髪をバッサリ! - 「泣きました……」(マイコミジャーナル)
ソニンが髪をバッサリと切って挑む『ヘンリー六世』公開ゲネプロ(演劇ライフ)
『ヘンリー六世』舞台稽古囲み(演劇キック 『観劇予報』)

初台駅からのアクセスとか食事とか。

電車を降りるとホームにこれらの案内板があるので分かりやすいです。
一旦地上に出て、この↓看板が見えたら入り口はすぐ。

ロビーでは浦井くんの来年のカレンダーやDVDも売ってました。
ギリギリに到着したのでちゃんとは見てないですが、
通常の上演日(通し上演が無い日)は、中休憩15分で何か食べたいなら、
食べ物は外で買って来ないと(食べておかないと)ダメみたい。
もしかしたら奥に軽食コーナーがあったのかも知れませんが。
それにチケットの半券持って外に出れば、お店は沢山あります。
ロビーに館内店舗情報・近隣のお立ち寄りマップが置かれていて便利。
(チケット提示で特典が受けられるお店も

)
あらすじ・配役表も配られてて、プログラムも1部1,000円とリーズナブルでした。
あと、2階席横のトイレが少なかった^^;
ので、状況によっては半券持って外出した方が良いのかも。

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