ヘンリー六世 第三部
(11/18新国立劇場・中劇場
公式サイト)
三部構成の公演を『通し』で観る自信がなく、
ほぼ1週間置きに1つずつ観て行った今回、
第一部を観たのは11月初頭だったのに、今はもうクリスマスの気配。

新国立劇場の入り口もこんな風に。
同じ敷地内にある
オペラシティではツリーも飾られているそうで、
とは言え今回も、
仕事帰りにギリギリ到着、終演後即行で帰ったもので気が付かず^^;
でも、充実感に浸って帰ってきました。
無事に全部観られて思うことは、
恐らくこの舞台、全三部を同じ日に『通し』で観ると余計に面白いだろうなと。
午前11時からスタートし、休憩を挟みつつ三部開始が夜の7時、
三部はトータルで3時間20分、…つまり終演は夜の10時半近く

とは言え、展開が早いし1つ1つのエピソードが面白いしで、
全く飽きる事無く3日間の観劇を楽しんで来たので、
『あ、コレは(通しも)行けたかも』と思ったのと、
やはり『登場する彼ら』のジェットコースター的に波乱万丈の人生を、
ノンストップで見る贅沢、ってあると思うので。
…や、実際観に行ったらヘロヘロだったかもですが(^_^;)
とにかくねー、面白かった!

シェークスピア劇、と言うモノを高尚で取っ付き難いと勝手に思ってたのですが、
そんな事は全然なくって^^;むしろ『大河ドラマ』に馴れてる日本人向きかもと。
(演出の段階で「大河ドラマ的」にしているのかもですが^^;)
それと、色々な『ドラマチックな作品』の『下地』として、
シェイクスピア劇、って言うのは本当に基本と言うか、
色々な作品の中に、その影響が垣間見えていたのかも、と今更かもですが(^_^;)
さて、第三部の感想ですが、
流石に全9時間(休憩時間を抜いて)のクライマックス、
一番変化に富んでるし展開も(それまで以上に)早いし、
戦争のシーンでは殺陣も工夫が凝らされてるし装置も色々に使うし、
ハラハラしたりグッと胸を突き動かされたり笑ったりして飽きさせないのと共に、
それまで割とあっさりと殺し殺されて来た登場人物の感情も、
憎しみがエスカレートして残酷さを増して行く分、
愛する者や己の死を目前にして(流石に)深まり、
端から見れば頼りなさ過ぎる王ヘンリーの歎きが、
この血生臭い物語を観て鈍り掛けた『人間らしい』感情を再び揺さ振り起こし、
そして生まれながら深い憤りを持てこの世に出て来たリチャードの、
マイナスの感情に満ちた独白で、物語がぐっと立体的になる。
で、エンタメとしての面白さにも満ちていて。
もうね、あの「笑う」時の会場の一体感と言うか、
今までの全部を見た上での『馴れた』者同士の共通認識と言うか、
あれ絶対、『通し』で観て(演じて)、
イイカンジに疲れが溜まった状態だとスッゴク笑えそうな気がしました^^;
…基本、残酷な物語だから尚更に。
それから、舞台美術が素晴らしく素敵でした。
最後の最後の「背景」には虚を突かれたけれど(お陰でずっと残像が頭にありますが^^;)
銀鼠(ぎんねず)色の荒野が時に会議場になり戦場になり宴会場になり庭園になり、
瓦礫の中に増えていく落ちた花や、暗い水辺が表情豊かで、
意外な所から登場したり消えたり^^;と、
持てる舞台装置の機能をフルで使ってたような。