2017/12/8  17:47

再び「敵基地攻撃能力」保有問題を考える  現代の政治・経済問題

    再び「敵基地攻撃能力」保有問題を考える



  周知のように、昨今、北朝鮮の弾道ミサイル開発の進展を受け、発射実験が相次ぐ中で、政府・与党内で「敵基地攻撃能力」の保有議論が活発化してきた。

  いままでにも行われていた議論であることは事実だが、本気度は低いと見ていたメディアも多く、取り上げても余り大きなスペースをとらず一般の国民の議論にまでには至っていなかった。それと米国の支持が得られないとして、与党内特に自民党内でも議論の盛り上がりには欠けるものがあった。

  ところが、昨今、北朝鮮の高性能の弾道ミサイル開発の進展が避けられない状態にあるとする見方が避けられなくなってきたこともあり、議論を主導する自民党内から、「敵基地攻撃能力」の保有は、抑止力の観点から絶対保有すべきとの議論が高まり、政府への提言を必要とする空気が高まって来た。

  先の選挙に圧勝した安倍政権で、小野寺防衛相が誕生し、政府内には一層「敵地攻撃能力」の保有の必要性に前向きな空気が充満するようになった。

  したがって、これまで慎重だった政府も改良した迎撃ミサイルの配備を急ぐとともに、陸上配備型イージスなど新型迎撃ミサイルの導入の検討もまた急ぐことになったのである。

  政府は、確かに「敵基地攻撃能力」の研究も水面下で続けてきていたことも事実である。特に沖縄県与那国島に島嶼防衛用の地対地ミサイルを配備する必要性が高まっているだけでなく、敵基地攻撃も可能な空対地ミサイル、つまり航空機から地上にある目標物を攻撃できるミサイルJASSM-ERを保有することが必要だとする議論がにわかに高まりはじめたことも確かである。

  産経新聞社とFNNの合同世論調査によると、昨今の北朝鮮の核・ミサイル開発及びその実験に脅威を「感じる」と答えた人は何と91.3%にも達している。脅威を「感じない」と回答した人は8.0%だったという。

  また、北朝鮮の弾道ミサイル発射に対する日本の「敵基地攻撃能力」についての質問には、45.0%の人が「敵基地への反撃は、弾道ミサイルを日本に向けて発射したあとに限るべきだ」と回答したという。いわゆる専守防衛の考え方だ。

  「日本に向けて発射する具体的な構えを見せた段階で基地を攻撃すべきだ」という“先制攻撃”容認派も30.7%に上っている。敵基地への攻撃を容認している人は75%に達しているという結果も出たという。

  この調査の結果が日本国民のすべてとは思いたくないが、戦中に東京大空襲の恐ろしさを体験した小生としては、もし弾道ミサイルを撃ち込まれたり、核弾道ミサイルを撃ち込まれたりしたらどんなに恐ろしいことになるか、考えるだけでも死ぬ苦しみを感じるほどだ。

  戦争の本当の恐ろしさ、苦しみを知らない人々が大半を占めてしまっている社会が、もし政権に誤った行動を執らせたとき、それがどんなに危険なものか考えて見ることが必要である。

  小生も北朝鮮の核開発や核実験、そして大陸間弾道ミサイルの発射実験に大きな脅威を感じている。だからと言って敵基地に先制攻撃を容認する気にはなれないし、専守防衛に徹する防衛力の保有に徹したいものである。

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