日本人の外国移民時代を振り返る(6):中本博皓  現代の政治・経済問題

      日本人の外国移民時代を振り返る(6)



  米国のハワイで、第59回目の「海外日系人大会」が去る6月6日に開かれ、日系人と皇室との関わりは深いことから、大会には秋篠宮ご夫妻が出席された。

  これを機に、日本人のハワイ、米国本土に出稼ぎに出かけた日本人移民について思い起こしてみたいと思い、このシリーズ(「日本人の外国移民時代を振り返る」)を思いついた。

  ところが、時期を同じくして政府が「骨太の方針」を打ち出し、外国人労働者の受入れに踏み切った。メディアも一斉に外国人労働者受入れ問題を報じたこともあって、本稿もそちらの方に方向を転じて口を挟んでみた。

  しかし、外国人労働者の受入れについては、国民のコンセンサスが十分に得られたとは思えない。今後、いろいろな意見、或いは議論も出て来るであろう。

  したがって、もう一度機会を作りたいと考えている。そこで本題に戻して、何回になるか決めていないが、日本人の出稼ぎ移民について言及することにした。

  日本人の百数十年の移民史を紐解くならば、近代前期、後期を通じて次のように、日本人の出稼ぎ移民について、その時期区分がなされてきたと考えられる。

  近・現代史家の岡部牧夫(1941−2010)は『海を渡った日本人』(山川出版、2002年)18)の中で、「敗戦前に渡航者の合計が10万人をこえるのはハワイ、アメリカ、ブラジルであり、1910年までに在住人口が10万以上になるのは朝鮮、台湾、満州(関東州を含む)である。

  つまりこの6地域が、近代日本のおもな移民先だったといえる」、と指摘している。岡部はまた、日本人移民の流れには二つの大きな潮流があったと言う。

  すなわち、「欧米人の支配地域に向かう流れと、日本の勢力圏に向かう流れに端的に二分される」、とも指摘している。確かに、日本人移民の時期を明確に区分するのはむつかしい。

  日本の近代とは、幕末・開国(1853)から戦前・戦中(1945)と考えていい。一般に江戸時代は「近世」、第二次大戦後を「現代」と呼ぶならば、日本の「近代」は幕末・開国期から戦前・戦中期までと大きく区分できるであろう。

  ここでは近代の前半(19世紀後半)にどれだけの日本人が海を渡り国際移動を行い、出稼ぎ労働移民として海外移住をしたかに言及しておこう。日本人移民は19世紀後半、1868年からハワイ、南洋諸島、そして南太平洋島嶼諸島などへ出稼ぎに出るようになった。

  また20世紀に入ってからも1900年から1920年頃にかけて日本の国内経済の不況もあって、日本人の多くが海を渡った。移民たちはハワイ州、カリフォルニア州からカナダ東海岸など北米への移住が目立つようになった。
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