2014/1/22

お家カタツムリの僕は旅に出た  小説

森の中だというのにシャボン玉がふわふわと空中を漂っては木の葉にふれてぱちりと割れる。光がシャボン玉に反射してはキラキラと僕の目を攻撃してくる。
僕がシャボン玉に触れようとした瞬間
「壊すな!」
女の子の大きな声でびっくりして手を引っ込めてしまった。
「だめだよぉ〜自然のまま壊れるのを待たなきゃー」
呆れたように言われて僕は
「す、すいません」
ととっさに謝ってしまった。
次やったら君を殴るよと捨て台詞を吐きまたシャボン玉を吹き始めた。
だがしかし、僕がさわって壊れるのも自然ではないだろうか?と考えた僕はまたシャボン玉に手を伸ばした。
するとシャボン玉は僕の手の上でぽよんと跳ねたのだった。
「え、うそ…」
「自然の摂理に逆らうからさ」
また女の子がシャボン玉を吹きながら近づいてきた。
「君が触らなければ割れないと言うわけではないのだよ。触っても別に割れないときもある。それはそのあと木にぶつかって割れるという予定がシャボン玉の方にもあるからさ」
胸を張りながら女の子は僕を睨み付け
「なんでも君の思い通りになると思わないでくれよ。そういう自己中心的な考えだから僕は人間が嫌いなのだ。」
そう言って彼女はどこかに走っていってしまった。
なぜ僕はこんな森のなかを歩いているのか。
そこから僕も考えをまとめながら説明しよう。

お家カタツムリの僕。みんなは引きもこりニートと呼ぶがその呼び方は嫌いだ。
そんな僕が母さんからたまには役に立ちなさいとお使いを言い渡されたのが昨日の昼。
12時を少し過ぎたくらいだった。
お使いとは通りをすこし歩いたお肉屋さん。挽き肉を買ってきてとのお願いだった。
挽き肉のお金とひとつぶんのお菓子のお金。
お使いのいいところはひとつお菓子を買っていいということだ。
そんなこんなでなぜか森のなかにいつのまにか立っていた僕。
こんなに方向音痴だったかと自分を恨んだ。
そして、なぜか森の奥に足を進めている。引き返すという考えは微塵も僕のなかになかった。
ウサギやリスなどの小動物や見たこともない植物が沢山生えている。
もっといえば家の近くに森なんてなかった。
ここはどこなのだろうという考えとは裏腹に僕の足は行き先が決まっているかのように僕を引っ張っていた。
こんなところだろうか。説明は以上である。
「僕の足よ。いままでお家カタツムリをしてきたのだから無理はしなくていいよ?オウチに帰ろう。このままではカタツムリではなくナメクジになってしまうよ。」
独り言を呟いてみても現状が変わることは全くなかった。
すこし歩くと川と湖が見えてきた。
湖の湖畔では見覚えのある黄緑のカッパが甲羅干しをしていた。
亀かと思ったが人の形をしているからカッパだろう。
カッパはまだ絶滅していなかったのか。
とまとまりもない思考をこれからの行動にシフトチェンジした。
「森を抜けるにはどうすればいいですか?」
聞ける人?カッパ?には道を聞こう。
「湖に飛び込めば自ずと道は開けるであろうぞ」
「濡れませんか?」
「泳ぐのは気持ちがいいぞ」
にんまりと笑うカッパに釣られてて僕は湖に飛び込んだ。
と思ったのだが案外浅くくるぶしほどしかなかった。
これでは規模の大きい水溜まりだ。
「向こう岸に向かって歩いていけ。さすれば道になるだろう。」
カッパ乾きそうになった頭の上のお皿に水をかけた。
「向こう岸までだいぶあるけれど僕のゴボウの足は大丈夫だろうか。」
「ゴボウなのなら水を得て今まで以上に元気になるさ」
「そんなものでしょうか」
「あんたの足なんてそんなものさ」
かっぱとの会話を終わらせ、カッパを信じて湖の向こう岸に向かう。
こんなに浅い湖なのに魚が僕の足元を泳ぎ抜けていく。
その感覚がなんとも言えない感覚だった。
湖の真ん中まで来ると深いところがあった。
中には人魚が泳いでいた。
人魚は淡水でも生きていられるのか。というなんとも間抜けな考えをしていたら人魚があがってきた。
きらきらとした鱗が綺麗な美人だった。
「あら?どうしたのかしら?こんなところまで人間さんがなんのようかしら?」
「綺麗ですね」
率直な思いだった。
口からつい出てしまったのだ。
「あら、お世辞がお上手ね。いいわ、あなたは案外打たれ強そうだからこれとこれをあげましょう。」
あがいものが入った小さな小瓶と綺麗な鱗の首飾り
「赤い方は血よ。人魚の血。あと、涙が少し入っているわ。永遠の命と傷がすぐ治るわよ」
そんなチート技のようなものがあるのか。
「あと、首飾りはただの鱗。綺麗だからいいでしょ?」
にっこりと笑った人魚はさらにきれいだった。
「ありがとうございます。」
「はい、百円」
「え?」
手を出している人魚さん。
「ネックレス代よ。血の方は無料にしといてあげるわね」
百円ぐらいなら…お菓子代がなくなってしまうがしかたない。安いものだろう。
「これが百円ってやつなのね…前にきた人間に教わったのよピカピカひかって綺麗なものなんだってね」
太陽にかざして100円をきらきらさせている。
「先には何がありますか?」
「あなたが進むべき道があるわよ。あと、あるのは…キノコの家ね」
人魚さんと別れて僕は先を進む。
「僕の足はもう僕のものではないのかもしれないな。全然疲れない」
すたすたと前に進む足に目をやりながら湖を抜けた。
振り返ってみると湖の対岸ははるか遠くだった。カッパとても小さく見える。
そして、目の前には道があった。
「これが僕の進むべきみちなのかね?」
青いレンガで飾られた道。
僕が進むには少し良すぎるなと思ったがここで止まっている訳にもいかないので前に進むことにした、
「おいこら、人間さん」
喧嘩腰な話しかけかたとは裏腹に優しそうな猫がエプロンで手を拭きながら近づいてきた。
「よかったら、その魚さんをくださいませんか?」
僕は魚なんて持ってない。
「そんなもとのないよ」
「ありますよここに」
おしりのポケットから魚がでてきた。
さっき湖を歩いてきたときに入ってしまったのだろうか。
「いただけませんか?」
ねこはにっこりと笑った。
「とっていたわけではないからあげるよ」
ありがとうというが感謝してないからな!しっぽをパタパタと揺らして猫は走っていった。
僕はそんな猫を見て家に帰ったら猫を飼おうと考えたのだった。
ぼーっと道を眺めていたら今度は後ろに列ができているのに気づいた。
「早く進んでくださらない?」
僕のすぐ後ろに並んでいたおしとやかそうな服を着たモモンガに促され僕は前に進んだ。
「赤い実食べたら美味しいぞ!」
「青い実食べたら甘いんだ!」
カラフルな鳥たちが口々にそう叫んでいる。
そのなかで一匹の黒い鳥だけが「黒い実しか味がしない」と聞こえるか聞こえないかの声でささやいていました。
僕は何を思ったのか黒い実を方張りました。
見た目は食べられなさそうなのに味はいろいろなフルーツを混ぜ合わせたような味でした。
「うまいかまずいかで言ったらうまいよ。」
僕は黒い鳥にそう言いました。
「全部の色を混ぜると僕になる」
そういって黒い鳥は僕の肩に止まりました。
「他のも食べてみるといいさ」
「そうするよ」
僕は青い実をひとつもぎ取り口に入れました。
なるほど、食感だけでなんの味もしない。
「赤い実は辛いぞ」
「ほんとかい?」
黒い鳥の言うように次は赤い実を食べました。
「唐辛子のようだ…これは辛い…もしかしたらハバネロよりも辛いかも…」
しかめっ面をした僕を見て黒い鳥は
「僕はほんとのことしか言わないよ。つれてってよ」
「どこにいくという当てはないんだがそれでよければ」
「いいよ」
黒い鳥が一緒にいくことになりました。
道はまだまだ続いていて、僕たちは先を進むことにした。






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2013/10/21

ルビー  趣味

「清々しい朝だね。早耳くん」
「そうですね。早朝とはとても気持ちのいいものですね。例え空が暗く朝日も出ておらず星がキラキラと光っていようが、世界的には“朝”なんですもんね。先生。」
そう。
空にはキラキラと輝く星。
いままで主役だった月はもうみえず、星が主役の早朝の空。
なぜこんなに朝早く起こされたのか皆目検討もつかない僕には先生がなぜこんなに機嫌がいいのかもわからなかった。
「えっくしょん!」
「おじさんのよう(くしゃみをするのだね…」
なんだか幻滅したように言う先生。
「僕はもう25です。四捨五入して三十路になってしまう年なんですよ?もうおじさんです」
「そうか、なら私はおじいさんだね」
クスクスと笑う先生
別にそういういみで言ったんじゃないんだけどな。
先生が楽しそうだから放っておこう。
東の空がうっすらと明るくなる頃、先生はある木に登り始めた。
「せ、先生?!」
みたまま、真面目な先生が子供のようにするすると木に登る。
「なにやってるんだね?早くきたまえ。」
木が生い茂り上の方は薄暗いこともありよく見えない。
木登りなんてしたことないぞ…
「せ、先生!僕…木なんか!」
先生が上から見下ろす。
「登れないのか?」
「くっ…」
そうにやにやして言われると少ししゃくだ。
登ってやろうじゃないか!
「えっと…」
枝に手をとりあえずかけて登ってみる
先生のようにするするとは登れない。
だが、一歩一歩確実に登っていく。
空が朝焼けになる頃。
服をどろどろに汚しながらようやく登れた。
「よくやったな」
木登りで誉められてもなんだか…
上は板が張られステージのようになっていた。
「これは見せられないか?と心配したよ」
「心配するほどの事じゃないです」
意地をはりそう答える。
そして、目を開けると目の前には朝焼けに燃える街があった。
「これですか?先生のよくいう“赤いルビーが散らばる場所”って」
「ああ」
家の窓や川の水。
山の木までもが赤に染まる。
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2013/10/7

ある町娘と男の話  小説

この物語はむかしむかし、あるところに美しい町娘が住んでいました。
で始めた方がいいかもしれないな。
その町娘はとっても美しくてね。
その町の男なら誰もがお嫁さんにしたいと思っていたし、隣町や、そのまた向こうの町まで噂は広がっていたんだ。
あそこの町には美しいお嬢さんがいるとね。
町娘は美しいだけではなく、とっても働き者。
そのうえ、頭もよくて歌も上手。

でもね。
ひとつだけ。
ひとつだけ悪いところがあったんだ。
それはね。
目が見えないの。
でも、町娘はそんなことないように毎日普通に暮らしていたんだ。
目が見えないからなのか、それとも恐れ多いからなのか男達は彼女をお嫁さんにはしなかった。
でも、あるとき4つ先のお城の…ではなくパン屋の息子がどうしても彼女をお嫁さんにしたいと結婚を申し込んできたんだ。
娘は男に条件を出しました。
それはね。
私に世界を見せて。
無理だと思うだろ。
だって目が見えないんだ。
でも、男はそれを了承したんだ。
しばらくたって男は町娘に世界をどうやって見せるかを考えて、考えて。
考えて、考えて。
かんがえたんだ。
どうしたと思う?
話して聞かせたんだよ。
そして、彼女と大往生をとげて、彼女の最期の日。
こう言ったんだ。
「世界を、あなたの世界を見せてくれてありがとう。」
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2013/8/16

(無題)  趣味

オ前ハ化ケ物ダ!!」
知ってる。
「オ前ガイルトロクナコトガナイ!!」
俺がいなくても変わらないでしょ?
「オマエナンカイラナカッタ!!」
じゃあ、なぜ僕を産んだの?


「先生、朝ですよ」
「んー…起きる…」
「それで、起きたためしがないですよね。ほら、起きてください。今日はお客さんが来るんですよね?」
「あいつは大丈夫…俺が寝てても気にしない…」
「そうじゃないです。礼儀の問題ですよ。」
「そうだぞー俺は気にしないが行儀悪いぞ…」
「い、いつから!?」
「もうそろそろ来る頃かと思った。」
「なら、起きてろよw」
枕に顔を押し付けている先生。
いつからいたのか、今日来るはずのお客さんがいつのまにか僕の隣にいた。
先生を見て笑っているお客さん。
「紹介する…俺の…めんどい、自分で自己紹介し合え。」
「ほんに、めんどくさがりやなぁw」
「僕は…」
「知っとるでぇ〜、鬼の子やろ。」
「っ…な、なんで?!」
「ふふふ、話は全部このアホから聞いとるで〜。なんや?お母さんに虐待されとったらしいのぉ〜世の中には難儀な子もおるんやなぁ。
のう。亮介くん。」
「は、はぁ…」
なんだかよくわからないが、先生が全部喋ったらしい。
あのめんどくさがりの先生が。
「先生。僕の個人情報です。」
「おしかりうけてもうたなぁーww先生?w」

先生にバカにしたように話しかける
この人。
妖怪研究家の梓馬(あずま)さんというらしい。
妖怪を信じ、畏れている人。
「鬼の子ちゃーん!つめたぁ〜いココアというものが飲みたいんだがー!」
「やっぱり、甘いもの目当てか・・・」
「お前より先にココアや!当たり前やろ!」
先生を笑顔で怒鳴りつけている。
つかめない人だなー


「ココアです」
「おお!おおきにな!いやぁー!ココア!」
「こいつ貧乏だからココアも飲めないんだ、」
「へー」
「さらりとうそつくなやっ!違うんや!家やと甘いものは体に悪いってな具合で飲ませて
もらえないんだ・・・」
しょぼん。と沈んでしまった梓馬さん。
「氷。」
「え?」
「氷溶けて薄くなってまずくなるぞ。」
「そっか!いただきますっ!」
先生はうっとおしいものでも見るかのような目で梓馬さんをみている。
先生の唯一の友達・・
「おい、お前今すっごく失礼なこと考えただろ。いらっときた。」
「ご、ごめんなさい!」
先生は感が良くて困る。
「まあまあ。オレな話し聞けや。」
そしてあずまさんは
話し始める。
朝の涼しさにひびく蝉の声が話を邪魔するかのように一斉に鳴きだした。
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2013/8/16

はろー。僕の世界。  趣味

時には後ろを振り返らなきゃいけない時もある。
後ろを振り返って歩いてきた道を確認しないのは臆病者だ。
自分がどれだけ歩いたか。
そして、なにをしてきたか。
確認できない奴は偉大になんてなれない。
成功だけ認めるのではなく、失敗も認めることから自分が始まる。


僕がこうやって文字を書いていても、僕以上の文章はできない。
まあ、ここまでは他人の受け売りが混じっている。
僕にはできること、できないことがはっきりしている。
できないものはやらない主義だ。
やらなきゃできないなんてやってもできないのだから仕方がないと思うのだよ。
僕は勉強ができない。
だが、最低限は出来なくてはいけないから仕方なくやっている。
だが、僕にも得意分野というものはある。
僕の得意分野はものを読むこと。
知識は広がるだろう。
僕のつたない文章力では伝わらないことが多いが、精一杯伝える努力はしている。
どんな問題にぶつかったとしても、わかることがでにないと一緒で伝わらないと意味はない。
毎日好きだと言っても伝わらないと意味はないようなものだ。
そして、そこには青い青い空があった。
朝とも夜ともつかない。
青い空が。
伝わらないなら伝えない。
避けられるなら逃げよう。
寄ってくるなら離れよう。
君との距離は永遠に変わらない1.5mだ。
近くて遠く。
例えるなら僕は雨だ。
時には降れと言われ。
時には降るなと祈られ。
時には止めと言われる。
こんな存在がいい。
いても困る。
だが、いないといないで困る存在。
そんな存在に俺はなりたい。



まあ、願っても僕はいらない子ですよ。
ええ。
誰が言っても聞く耳持たない僕ですよーだ。
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