2017/1/4

江戸城無血開城  短歌

元日のBS特別番組「江戸城無血開城」は、英国の国立図書館に収蔵されていたアーネストサトウの詳細な日記に基づく「妄想」と断りを入れていたが、傾聴に値するものであった。その日記によれば、勝海舟など当時の幕府側の高官や薩長の中心人物との交流はすごいものがある。

極めて優秀な成績で外交官になった彼は、毛筆の腕もなかなかのもので、日本の風俗や習慣にも精通していたようである。そして、日本の政情にも精通した彼は、当時の英字週刊紙「ジャパンタイムズ」に、真の権力者は将軍ではなく天皇であることを匿名で投稿していたそうである。

そしてその「英国策論」という論文は日本語に訳されて、江戸や京都でも販売されていたそうだから、かなりの日本人にも読まれていたそうである。番組ではそれを読んだ志士たちがさらに討幕の意思を固めていったのではないか、という推論をしていた。そういう彼は、青い眼の志士と呼ばれたそうである。

しかしながら、当初はまるで革命を煽ったような彼の論調は次第に平和俚に改革を進めるようになっていったそうである。そして江戸城総攻撃まであと2日となったとき、降伏状態にある慶喜を攻めるのは国際公法に反するという理由で英国公使が薩摩への助力を翻すことをほのめかしたことが、膠着状態にあった事態を変えさせたという話である。その背景には、きちんと統制が取れた状態での日本との交易を望む英国の思惑があったのかもしれない。

アーネストサトウは、明治28年に駐日公使として再び日本を訪れることになったのである。彼の植えた桜は今も千鳥ヶ淵の桜として親しまれている。

「明治維新という過ち」という本においても、背景に英国の存在の大きかったことが示されていた。私もそうだと思う。しかしながら、日本の教育によればそういうことにはほとんど触れないで薩長人による活躍ばかりが美化され過ぎて伝えられている。明治維新から150年もたった今、この番組のようにもう少し多面的な真実が語られてもいいのではないかと感じた。

「初春の光のどけき朝ぼらけまだ生かされているありがたさ」

0

2016/12/23

「断捨離」のその後  短歌

8月末に自宅近くの踏切の線路上で転倒し左膝や右前頭部を打った怪我の症状が2ヵ月後にあたる10月末に発症し、「硬膜下血腫」の診断を受けて手術をし10日間の入院をしたが、その後は思いのほか元気になり安心していたところ、11月末に受けた手術後1ヵ月検診では医師から「まだ血が残っている。現時点での再発リスクは3割である。次の検査次第では即日に入院して再手術の可能性がある。」と言われて少々落ち込んでしまった。

その3週間後の一昨日は再度、恐る恐るCT検査を受けたら「血は減ってはいないが増えてもいない。これなら再発リスクはかなり低下した。次の検査は1か月半後、いや2ヵ月後でいいでしょう。」と言われたので、ホッとした。正直なところ年賀状などは手につかないし、万が一の入院に備えて検査日から年末までの仕事やボランティアは延期や中止をしていたので、ある意味では拍子抜けであったものの、やはり胸のつかえが下りた思いである。

今年の正月に「一年の計」を立てた。その主眼は「断捨離」であった。まもなく古希に手が届く時期にあって、仕事だけでなくボランティアや趣味の会など少々手を広げ過ぎたという自覚があったので、もっと家族との時間を確保するためにもいくつかの活動を今年限りとしようと考えていたのだが、なかなかはかどっていない時にあの入院があったのである。

お蔭さまでというか、これで自他ともに思い切って断捨離ができるし、辞めると言い出しても引き留められないので助かった。先ずは細々とやっていたゴルフは全面的に辞めることにし同期のゴルフ会も退会した。他には、6年くらいやったハーモニカ同好会も退会し、8年くらいやった短歌の会も退会した。仕事のほうでも6年間続けたセカンドキャリアの研修も辞めさせていただくことにし了解をいただいた。山の会も来年からは段階的に回数を減らしていくつもりである。

残された人生、ただ一度の人生は、年初の目標どおり家族との時間を大切にして過ごすことにシフトしたい。時間の使い方を変えるということは価値観を変えることにも通じる。さあ新たなスタートを切ろう。

「残された時間を妻や家族らと過ごさん我の決意は断捨離」
1

2016/12/5

見栄を張ることの大切さ  短歌

かねがね感じていたが、人が見栄を張ることは大切なことだと思う。なぜなら、一度きりならともかく見栄を張り続けるためにはそれなりの裏付けが必要であり、裏付けを得るためにはそれなりの努力とそれを続ける決意が必要だからである。

そして見栄を張り続けることができたとき、人はそれに見合う実績と評価を得られる。それはそうだろう。見栄を張り続けるためにはそれだけの頑張りと努力をしてきたはずだから、それに見合う実績とその結果としての自信やプライドが得られて当然である。そうでなければ報われないし空しいし、また不公平でもある。

私のように若いとき、特に学生時代に見栄もプライドもあまり意識せずに何となく過ごしてきた人間からすれば、大きな見栄を張り続けている人はすばらしいし、羨ましいとさえ感じる。見栄を張り続けることができる人はまた有言実行の人でもある。性格行動特性のエニアグラムで言えば、多分タイプ1(達成者タイプ)であろう。

私は時々、あのころもっと頑張っていたらと反省や後悔することがある。しかしながら尊敬する先輩社長は、「人生は学歴より学習歴だ」と言う。確かにそのとおりだなあと強く思うし、ある年代からは精一杯の勉強と頑張りをしてきた自負はある。とは言うものの、「覆水盆に返らず」「後悔先に立たず」とか。一度しかない人生、やはり少しでも早い段階、若いうちにそのことに気づき努力を始めるべきである。

「久かたの光りまぶしき小春日に下呂への旅へ妻と二人で」

0

2016/11/20

「ワーク・シフト」と「ライフ・シフト」  短歌

少し前に、ロンドンビジネススクール教授であるリンダ・グラットンの「ワーク・シフト」という本を読んだ。これは20年後を想定した物語で、2025年には私達はどんなふうに働いているだろうか、ということを問うた本である。

そこでは、テクノロジーの進化、グローバル化、エネルギー環境問題の深刻化によって、人類史上最も多様な選択に迫られる個人の姿が浮かび上がっていた。そして、暗い未来のシナリオを書き換えるためには様々なことを試しながら厳しい選択を行うことが必要で、そのためには何らかの新しい能力を身につけることの必要性が説かれていた。それはまた同時に、価値観の見直しも迫っていた。

一方、リンダ・グラットンの近著「ライフ・シフト」の書評が新聞に出ていた。これによると、長寿化が進むなかで20世紀時代に定着していた人生の3ステージの考え方(教育のステージ、仕事のステージ、引退のステージ)は通用しなくなるそうで、新たに「マルチステージ」の人生が提案されている。

仕事を長期間中断したり転身したりと、生涯を通じて様々なキャリアを経験し3ステージの呪縛から自由になるのだという。そのためには、働く人々には柔軟性、新しい知識、新しい思考法、新しい人的ネットワークなどが必要になるそうで、企業の側も「多様な選択肢」を提供せざるを得なくなる。

私がお世話をしている人事の研究会の新しいテーマは「人生二毛作」である。問題意識の背景にはまさに上記のような考え方がある。日本でも政府の肝いりで「働きかた改革」が叫ばれているが、その前提には上記のような視点が欠かせないのは言うまでもない。

「つかの間の小春日和に孫たちと犬の散歩に往馬大社へ」


1

2016/11/17

3つ重なったラッキー  短歌

10月31日(月)の早朝に緊急入院して11月9日(水)には退院した。10年ほど前に白内障の手術で5日間入院をしたことはあるが、本格的な病気で10日間の入院は初めての経験であった。いくつかのラッキーが重なったことが危うかった私の命を救ってくれたことに気づいた。それは次の三点である。

1.当日の当直医が脳神経外科医であった。
・このおかげで、救急車が到着後すぐにCT検査と手術をしてもらえたのである。当初の予定どおり当日の朝になってから通常の外来患者として受診していたら7時間余計にかかっていたので「それではあなたは危なかった」と医師から言われた。

2.尿意を催したのが幸いした。
・日ごろは夜中に目覚めることはほとんどない私だが、もしトイレに行きたくなっていなかったとしたら、二度と目覚めることなく、そのままあの世へ旅立っていたことであろう。目覚めたことにより生命の危機に遭遇せずに済んだとしか思えない。

3.自宅で発症したのが幸いした。
・頭を打ってから発症するまでの2ヵ月間に、谷川岳への2泊3日の遠征登山をしたり泊まり込みの旅行をしていたが、そんな時に発症していたとしたらと考えたらゾッとする。ましてや当日の4日後には台湾への旅行を計画していたので、もしその旅行中に発症していたとしたら先ず間違いなくあの世に行っていたし、同行の友人たちには大迷惑をかけるやら莫大な費用はかかるやらで、我が家族にもたいへんな苦労をかけていたに違いない。

こんなラッキーが3つも重なったのは、もはや偶然ではない。なるべくしてなったものだろう。そう考えたい。ともあれ、そんな理由のおかげで生かされた命は特に大切にせねばならない。前記したとおり後遺症の心配も再発の心配もないそうだからありがたい限りである。残された人生は、これまでお世話になった方々のために、そして最愛の家族のために有効に有意義に使わねばなるまい。

「あの時のひとつ違いの幸運に救われしゆへみごとに生きん」
2



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ