2017/10/2 | 投稿者: naoko

NAOKOです。

     未来を想定して不安をなくす対話法
  ー 未来語りの対話法(Anticipation Dialogues)ー

上のタイトルは『オープンダイアローグ』
(ヤーコ・セイックラ/トム・アーンキル 著 高木俊介、岡田愛訳)第4章の
見出しに掲げられている。

AD(アンティシペーション・ダイアローグ)に関する研修は前回SHOJIが投稿したケロプダ
ス病院のOD(オープンダイアローグ)より日程としては先に行われていた。

AD研修は8/13日にヘルシンキでADの創始者トム・アーンキル氏による1日ワーク
ショップが行われたのが皮切りだった。これはヘルシンキのホリデイイン会議
室で行われた。14日は移動日で西ラップランド地方のロバニエミ市に移動した。
15日は市役所の職員でコ・オーディネーターをされているユッカさんの行政に
おけるADの導入について話を聞き、午後からは実際にファシリテーターとして
活躍している4名の方々と会見。午後の後半はファシリテーター研修中の6名の
方々と会見した。午後のことについては既にBでSHOJIが記述している。
16日はこのところロバニエミ市で検討を迫られている「福祉と医療」統合の件
についてAD方式でコミュニティ会議が行われている様子を視察した。


<トムさんとのワンデーワークショップ>

社会学者で論客であると知らされていた私は会議室に入られるトムさんを拝見
して、直ちに柔らかい物腰のどちらかというと好々爺“トムさん”に認識が変
わった。暖かい雰囲気で日本の一昔前の言葉で例えると「ロン毛」だった。

現在、地域で多種職ネットワークとのプロジェクトに関わっておられることか
ら、単なる理論学者ではないことは分かっていたが、実際一寸驚きだった。

「昨日まで子ども達家族と共に1ヶ月のヨット旅行をしていて終えたばかりだ」
とおっしゃる。ヨーロッパの方々はほぼもれなくゆっくりと夏休みを楽しんで
おられるのだ。と改めて分かった。

トムさんは教師時代、平和に関心を持ち結構過激な平和運動家であったらしい。
しかしこの活動の在り方に挫折感を持ち、社会政策(複数の専門分野の人々の
ネットワークと対話に関心を持ち実践と研究に携わるような)で世界平和を、
の方向に転換された。とイントロで話された。

すなわち、個人は一人一人ユニークな存在であり、あるカテゴリーにはまる人
は誰もいない。しかし一方、人は経験知からカテゴリーを作り始めることが多
い。経験知を当てはめると、個人を無視することも多くなる。

ダイアローグはユニークな個々人を大切にしていくプロセスである。と受け取
った私は、私の日常の臨床体験との間に違和感がないことにそのとき気づいた。


クリックすると元のサイズで表示します
さて、実習がはじまる前にトムさんは上のようなフィンランド語の文を書いた。
通訳のMORISITAさんが日本語にしてくれたところによると。「今日一日が充分
よい日だったことは 何を根拠にそう言えるか。」という言葉だった。この時
点から、もうトムさんは肯定的な未来像をイメージしようと誘いかけていた。

<一つ一つの声をきちんと聴こう>のロールプレーが始まる。
クリックすると元のサイズで表示します

ODは治療が目的で、精神科病院から始まった患者や家族の継続的治療に比べ
ADは危機状態というよりはじわじわと問題性(不登校などの)が重なり続い
ている個人や家族が、いくつかの専門機関ですでに処遇されていて、十分納得
のいくプロセスをたどっていないことが多い。それらをネットワークミーティ
ングという構造を創って、その問題を乗り越えようとする考え方にである。

トムさんが明示した構造を箇条書きにすると
@ ファシリテーターは二人 (一人は紙やボードに記録する)
A その二人は自分の役割に徹し、二重の役割を持たない
B ファシリテーターは、外部の人が当たりファシリテーター訓練を受けた人
C 不確実性を守るために、例えば誰かからアドバイスが出ることを防ぐた
  めに特定の質問をする(例えばこのロールプレーではファシリテーターの
  トムさんは「あなたの心配事を言って下さい」と発言していた。
  この質問により、グループミーテイングの不確実性を守り個を守る。
D 一人一人は関係性の中の個である。
これらは日本のヒエラルキーの中でどう受け入れられるか?話題になった。

要は核となるのは「個を守る」こと。これを社会がどう守るのか。相手の
不確実性をどう守るのか。方法論を直に適用するのではなく「個を守る」哲学
から社会を変革していくのだとトムさんは伝えておられた。

<ファシリテーターの方々とファシリテーター訓練を受けている方々との会見>
われわれが訪問したロバニエミ市でファシリテーターを実際にされている方々
と訓練中の方々に会見したことは既にブログのDで投稿している。

ここでは会見した市役所内の写真を何枚か上げておくことにする。
市役所が入っているシティホールや隣にある図書館はフィンランドの誇る建築
家の設計やデザインによるものです。
クリックすると元のサイズで表示します
ロビーには市役所や、図書館などの縮尺模型が置かれていた
クリックすると元のサイズで表示します
ドアノブの“曲がり”が特長らしい
クリックすると元のサイズで表示します
間仕切りが木材でできており日本的
クリックすると元のサイズで表示します
われわれが使った部屋の入り口部分、奥にライトが見える
クリックすると元のサイズで表示します
部屋にはダイアローグ用のボードや大きなロール紙が常に準備されている

<ロバニエミ市での市民や当事者参加の大きなミーテイング>
今、フィンランドでは「医療と社会福祉」が統合されようとしているようで
ラップランドの各自治体でどのような体制をとって行くか検討されている。
それをここではADの考え方で進行していて総括の時期にあるらしい。
この施策が施行される2019年に「それぞれ市民は過ごしよくなっている」
という未来イメージから対話が進められていた様だが。会場が広いし、
市長の挨拶や、シンポジュームの様なときもあり、分かり難かった。
クリックすると元のサイズで表示します

<トムさんの考える「対話」のBefore & after>
対話の前 → それぞれ異なった独自の見方を持っている。
対話の後 → 異なってはいるがより豊かになった独自の見方に変化し、
       そして参加者それぞれが共同作業に占めている位置のみならず
       様々な立場についてのよりよい理解が増す。
同じ見方ではなく、より豊かなパースペクティブ(未来の見通し)が得られる。


私は、個を大切にして聴く時の姿勢として「不確実性に耐えることで相手は変
化プロセスをたどる」という哲学が最も心に残った。
このシリーズのNAOKOの投稿はこれで最終にします。読んで下さりありがとうご
ざいました。SHOJIはあと一回は投稿すると言っています。後をよろしく。

7

2017/9/27 | 投稿者: shoji

SHOJIです。

     オープンダイアローグとケロプダス病院

クリックすると元のサイズで表示します

以下東亜大学大学院での研究会で使ったレジュメから転載した。

<ケロプダス病院見学・スタッフとの対話>
@ オープンダイアローグの7原則
・・・1,即時の対応
・・・2,ソーシャルネットワークが参加すること
・・・3,個別的、具体的なさまざまなニーズに柔軟に対応
・・・4,責任を持つこと
・・・5,心理的連続性の保証
・・・6,不確実性に耐えること
・・・7,対話が行われること  (「オープンダイアローグ」;P58-P66)

➁ 参加したスタッフ
病院スタッフ・・・ミアさん(看護師)、トミさん(心理士)、
        アンリさん(心理士)、ユーリさん(精神科医9
視察スタッフ・・・SHOJI,NAOKO,Tさん、Iさん、Mさん夫妻、Tuさん、MTさん、
Hさん、YOさん、Nさん、Kさん、ツアコンMさん、通訳MRさんなど。

クリックすると元のサイズで表示します
スタッフルームの一部分の壁には、病院全体のスタッフ名を自らムーミン
キャラに擬えて紹介している。

B SHOJIの学び
この時の対話は録音されているらしいが、今回はSHOJIの主観的ないし
一人称的、個人レポートであることを明確にしておく。SHOJIとNAOKOの
当日のメモを参考に、SHOJIがまとめてる。当日の参加者はそれぞれ共通な
或いは異なる意味づけ体験をしていると思う。SHIJIが学んだこと、2017年
時点で感じていることである。

・SHOJIが感じたODの特徴
1,クライエントさんの、それぞれの人の「人生が優先」「医療が優先で
ない」
2,当事者、クライエントの選択に優先権を置き、決定権を大切にする。
3,様々な決定はクライエント、ないし、当事者の現前する所で行われる。
4,ODは「方法でない」「イデオロギーである。」
5,ネットワークを活かして行う支援である。
6,バフチンが思想的バックになっていること。多声など。
7,地域性、ロバ二エミの文化、社会の重要性。
8,脱施設化


C スタッフとの対話から印象に残っていること。 順不同

トミさん
1,ODは方法ではないと叫んでくれた心理士  2,エビデンス主義の潮流の
中で、事例論文で生きていくシビアさ、でも取り組んでいる挑戦性に思わず
エールを送った。 3,博士請求学位論文を書いている。原稿をわれわれに
送ってくれた。 4,方法とすると結論を求めてしまう。 5,病名をつけない
で感謝されていることもある。 6,「この病院で生きている人だなあ」

ミアさん
1,チームの組織の作り方、 ヒエラルキーの変更 2,スタッフ相互の声を
聞くため、ファシリテーター訓練(レフレクティング) 3,チームワークが
大切 スタッフルームの雰囲気作り  4,クライエントだけでなくスタッフ
自身の考えの相違などを理解 5,自分が安心してしゃべれる場であること
6,二人チームで対応している。 7,早期介入の重要視。最初に電話を受け
た人が、その事例を担当する。以後も二人が中心に担当する。 8,ODモデル
を試行錯誤から作り出した自信と誇りを感じた。

ユーリさん
1,医学部ー産婦人科ー精神科医 2,患者さん自身が自分を一番よく知って
いることを理解している人  3,聴くことの大切さ 4,クライエントさん
自身が自分自身の専門家であるという認識  5,優しい柔らかい感じの人。

アンリさん
1,ほとんど個人的には話す機会のなかった人  2,全体を見渡しグループ
で何が起こっているかよく見ていた人  3,NAOKOの記録ノートを見て「芸術
品」と私に話した。 4,昼食会場への案内、レフレクティングの時の案内を
ミアさんと役割分担していた。 5,EGに関心を示した柔らかい観察者。

クリックすると元のサイズで表示します
病院敷地内の小さな小屋は喫煙室らしい
3

2017/9/18 | 投稿者: shoji

SHOJIです。

日本社会の未来像を巡って
   ー フィンランド旅行からのヒント・学び ー

   クリックすると元のサイズで表示します

T はじめに

今回の10日間のフィンランド研修旅行体験は私にとっても大きなインパクトが
あった。未だに余震が続いている。

トムさんの社会変革論、ユッカさんの社会的実践、ファシリテータ養成のシス
テム、ミアさん等の病院における精神科医療の大改革の一端に触れることが出
来た。

森下さんの名通訳とフィンランド社会論、ムーミン哲学の解説。むらいさんの
企画はじめマネージャーのご苦労があって成立した「学びの旅」だった。NAO
KOもこのことには触れている。

もう一つは我々と接触した人たちが、生き生きと自分を語ってくれたこと、も
大きい。私がフィンランド好きになっている大きな要因である。

フィンランド首都ヘルシンキのトラムで、公立の図書館で、郵便局で、サンタ
クロース村で出会った人たちの優しさ、ゆっくり感、総じて自分らしくゆっく
り生きて生きている感じだった。
クリックすると元のサイズで表示します
この感触が旅行中の私の気持ちをゆったりと安心させていたと思う。
同行した仲間のサポートも大きいことはすでに触れた。

人口549万人のフィンランドの人たちはどんな生活をしているのだろうか。
私達も1968年からエンカウンターグループを通じて生まれてきた「ばらばらで
一緒」という人間の在り方を大切に育て、守ってきている。私は社会変革だと
確信している。

「一億総活躍」「人生100年時代の戦略」といった日本政府のスローガンとは
異なる。そこには「一億」とかの言葉があるだけで一人一人の人間が見えない。

戦争中に育った私としては、とても恐ろしい言葉である。「一億総〇〇」など
日本の歩む方向が一人一人の生き方を尊重しない方向に歩き出していて、気持
悪く、方向を変える必要を感じている。

エンカウンターグループを通じて、バラバラで一緒が成立する「心理的条件」
を見つけてきたが、これを成立させる「社会的条件」に私の関心があることに
気づいたのである。
クリックすると元のサイズで表示します


U 新しい社会像の提案へ 「成長から分配へ」
そう思って日本の文献を調べてみた。私だけではない。多くの人が日本の社会
の将来像を提案していることに気づいた。私の関心を惹き付けた二人だけをあ
げて起きたい。

@ 「資本主義の終焉」で有名な水野和夫の提案。
日銀黒田総裁による4年間にわたる「異次元金融緩和政策の失敗を2%物価上昇
が達成されていないことをあげている。水野は「物価上昇率ゼロは家計、企業
も不確実な価格予想にまどわされず、経済活動に専念できる理想の状態である」
と主張して、日銀の政策変更を強く求めている。
日本における広範な不平等はもはや金融政策のカテゴリーでは解決出来ない。
税金の分配の問題としている。
クリックすると元のサイズで表示します

➁ ALL FOR ALLの提案で有名な井出英策は「成長から分配論への切り替えを」
と2017/09/2の朝日新聞で主張している。
井出は今の日本は「自己責任社会」と考える。自己責任で稼ぎ、貯蓄し、あら
ゆる不安に自分自身の力で備えるよう政府から押しつけられている。結果とし
て井出は日本から「私たち」というコンセプトが消えてしまう危機を感じてい
る。「社会の仲間が税金を払い不安や痛みを分かち合う」ことが大切である。

井出の対応策は消費税を先ず15%に上げて、年収400万円の夫婦、子ども2人
でも貯蓄なしで安心して子どもを大学に行かせられるようにと財政社会学から
提案している。
クリックすると元のサイズで表示します

B フィンランド旅行からの話
フィンランド旅行の時、外国旅行になれている友人の一人はヘルシンキの物価
は高い。リトアニアは安いと教えてくれた。フィンランドは一般消費税は24%
食料品13%の高税率である。しかし、それでいてあのゆとり感は何だろう。
我々がガツガツして将来不安におびえながら競争し生活している現実がある。
私には井出の提案は納得いくものであり、新しい社会像を創っていく具体策の
一つであると感じた。

日本人でフインランドのA大学博士課程在学中のBさんの家族(フィンランド人
の妻、3歳男児の3人暮らし)と3時間ほど昼食時に話し合った。率直に様々な
個人的話をしていただき感謝している。この文脈でのポイントは 1,大学院
博士課程の授業料は無料。2,保育料、給食代無料。3,医療費も安い。
4,家賃7万円の内3万円は国の負担とのことであった。彼が優秀な院生だから
こその待遇かも知れない。(ウィキペディアで大学までの授業料は無料である
ことは確認出来た。)

V まとめ
われわれが生み出してきたエンカウンターグループによる「バラバラで一緒」
で生きられるための新しい社会像は経済成長が多く望めない現状では税の配分
の仕方を変え、みんなでシェアしていく努力が必要であることが理解できた。
これがフィンランド旅行から得たヒントである。私はこの方向で何が出来るの
だろうか。フィンランドから学ぶことがとても面白くなってきている自分がい
る。
{ムーミン」の思想も面白い!! ODやADの背景にあるフィンランドの思想の
一つらしい。
クリックすると元のサイズで表示します
3

2017/9/13 | 投稿者: naoko

NAOKOです。

       < ムーミン誕生の地フィンランド >


今はもう50歳前後になりとっくに独立している我々の息子や娘が幼少児だった
1970年頃、テレビでムーミンのアニメーションが放映されていた。
子どもたちはテレビの前に座り、私は音声のみを聴きながら家事をしていたと
思う。だから画像はほとんど見ていないが、それでもいくつかのキャラクター
は知っているしテーマソング「♪♪ねえムーミンこっち向いて・・・」は今で
も歌うことは出来る。だから普通の会話に中で「ムーミンパパのようね」とか
「スナフキンの様」とか親しみをもって喩えたりもする。

クリックすると元のサイズで表示します

そのムーミン誕生の地にブログ@ABに投稿したように旅立つことが出来た。
デザインの本場としても有名なこの国は、普通のホテルのエレベータードアで
すら斬新な模様が付けられていた。台風の目のようですね。
クリックすると元のサイズで表示します

街のお土産店には可愛いムーミンキャラのお土産が並び、マリメッコのデザイ
ン小物や、イッタラー、アラビアなど老舗の陶器もきれいに並んでいた。

ヘルシンキの郵便局にはムーミンの絵はがきが数多く飾られていて観るだけで
時間のたつのを忘れる位でした。その上外国向けのスタンプもムーミンです。
クリックすると元のサイズで表示します
(郵便局で買った切手シートの表紙)
しかし北部のラップランドに行くとサンタクロースとトナカイに主役は変わる。


  <森下圭子さんが語るムーミン・フィンランド・ダイアローグ>

今回の研修にずっと通訳者として付き添って下さった森下圭子さんは、ムーミ
ンやその作者トーベ・ヤンソン女史の研究者でもあられる。我々は森下さんの
通訳でフィンランドのことダイアローグのことなどを知り得た。研修を続ける
内に「ムーミンとフィンランド、ダイアローグ」につながりがありそうに思い
ムーミン話を森下さんから聞きたいねということになった。
でSHOJIが依頼してMURAIさんからそれとなく森下さんに交渉してもらったとこ
ろ快く我々の願いをかなえて下さった。
(ちなみに先日名古屋で開催された日本人間性心理学会でのことを挟むと。
学会の最後日に公開講演があり、北海道の浦河べてるの家の代表向谷地氏と元
東海学園大学学長との話があったときに、森下圭子さんがべてるの家を通訳と
して訪問され、ここでも森下さんが通訳以上にそこの人々に感銘を与えられた
ようでしたよ。)
一時間にわたって河が流れる様に話して下さったので、その時のお話の概要を
私の走り書きノートとKAWADAさんが録音の起こしをしてくださった内容を参考
にして以下のようにまとめてみた。

@ ムーミンの小説に出てくる人達?はみんなどこか“ダメちゃん”なんです
よね。ヒーロー的な人物はいないんです。

A 英雄がいないのに冒険談が成立しているのが面白い。冒険は色々と戦って
何を得るかなんだけれど、ムーミン達は何も得ないで終える。それでも、最後
はみんな何となく幸せ。ここが鍵なんです。

B 大きな理由があるわけでもない。戦いに挑んでも何も得るものはない。
最後はお祝いになる。森下さんがムーミンに興味を持ったのは、そんな結果に
対して「言い訳や説明をしない」潔さが心地よかったから。と言われる。

C 「ムーミン谷への不思議な旅」でスザンナが主人公になり、眼鏡をかけ
ると世界が変わって見える。それでいろんな恐ろしい冒険をするが最後にふと
目が覚める。「これは夢だったのかしらも?それとも本当だったのかしら?」
「どーでもいいんですけどね」で終わる。言い訳をしないでも成立している
小説。それを出版するフィンランド人に興味を持った。のだそうです。

D フインランド国は歴史的に苦難が多かったし、人口も少ない。そこで、
国は国民一人一人の能力を最大限に使う方法をとった。
自然豊かな国だけれど資源は充分にあるわけではない。「人の知恵」しか
ないと考えた。国民の中の一人の人材も無駄にしないという国の方針。
これが国民の気持ちとリンクした。「ノキア」はダメになったが、ITに力を
いれた。

E フィンランドの人は個人主義が多い。皆と一緒にやることは好まない。
皆と一緒にやるためには、オープン・ダイアローグとかリフレクションを
ファシリテーターを入れて、一緒にやる工夫が必要な人々なんだ。

F ムーミンを読むと分かるのは、会話が成立していない。何となく一緒に
いるのだが・・・。だからファシリテーターが要る。と森下さんは言う。

G 古来フィンランドは森が多くあって、森の合間に人家が建っている。
集団では住んでいなかった。
だから昔、バイキングもフインランドは攻め尽くせなかった。

H そうしてフィンランド人は生き延びてきて、国民意識としては、自分達
はフインランド人であるというプライドと「仲間を見捨てない」というスロ
ーガンで生き切ってきた。

I 人材を一人も無駄にしない。個性を育てる教育。みんなで一緒にやる力
を育てるよりも一人一人が最大限の力を発揮できる、そんな教育をしている。
例えば国語の時間に読書をしたとする。その後は生徒はどうするかと言えば
一人は主人公に手紙を書く。一人はキャッチコピーを考える。一人はポスター
を描いたり・・・個人個人で考える。

J 「ムーミン谷の11月」最後の小説ではムーミン一家がいない中、ムーミン
谷の他の人々はムーミン一家を慕っていろいろまねをしようとするがストレス
がますばかり。結局自分自身になること、自分自身でいることが一番と悟って
それぞれが自分らしく生きることになった。というお話で最終篇は終わった。
自分自身に対して誠実。その人がその人でしかいれない人々が登場している。

K フィンランドの人々は、過去を振り返るというよりは、未来に向けてサポ
ートする。あまり過去を振り返らないというので“トライ&エラー”で過ごし
易い。うまくいかなかったらそれはそれでやめれば良い。次のことをやれば良
い。そう考えるとADやODも辻褄が合う。   

なるほど!!です。
他にも経済のこと、介護のことなど話して下さったが、私としてはおおむね
こんな風にまとめることが出来た。
私達はこのような森下さんのお話を聞いて、フインランドでの研修の全体が
つながりあって腑に落ちた気がした。そして我々の多くが森下さんのファン
になったように思う。
  
    
7

2017/9/6 | 投稿者: shoji

SHOJIです。

       オープンダイアローグとダイアローグした旅


既にNAOKOが旅の様子、フィンランドの様子など大枠であるが的確に表現
している。(1)(2)
私は異なった視点からフィンランド体験を書いてみたい。

<今回の旅の目的>
私には今回の旅の目的が三つあった。
一つは、トム・アンキルさんが、ADを通して社会変革に挑戦しているので
その実態を知ってみたいこと。下写真はワンデーWSの冒頭のトムさんです。
クリックすると元のサイズで表示します
(NAOKOのタブレット動画から一コマを写真データにしたもの)
私が出発前にMURAIさんに提出していた質問に対してトムさんの体験を語って
くれた。このことは別の機会に述べてみたい。

第二は、PCAモデル・PCAGIP、OD AD の共通点・接点・相違点を明確にし
たいと感じていたこと。

第三は、フィンランドは「ベーシックインカム」など独特の経済政策を進め
ていて、アメリカや日本に拡大している新自由主義による所得格差の拡大に
対してどう対応しているのか。
我々一人一人の自己実現や幸福は経済的不安が少ないほど達成されるのでは
ないか? である。

以上の三つの目的を抱きながら、オープンダイアローグ、アンティシペーション
ダイアローグって、何だ!と思いながら旅した10日間でした。そこでオープン
ダイアローグとダイアローグした旅と名付けてみた。まだ帰国後もこの旅は続
いている。


とはいえ、フィンランドの観光も楽しんだことは確かである。
クリックすると元のサイズで表示します
ヘルシンキの路面電車。あちこち様々な路面電車が走っていて非常に便利。

クリックすると元のサイズで表示します
海辺の露天マーケット。ベリー類や桃類、生食用のビーンズなど盛り沢山。



<OD・ADのファシリテーター養成コースの人たちとの出会い>
私達のいる市役所の部屋に、このコースの6人が参加されて、それぞれが
ファシリテーターコースに参加した動機を語ってくれたのである。
とても印象に残っている。森下さんの通訳で事情がよく理解できた。
教師、ソーシャルワーカー、医師など様々な職業を持っている方々である
ことに驚いた。“ボランティア”ではない。2年間の実習コースらしい。
(月一回の講座。月一回のミーティング)

三人の話を覚えているので書いてみたい。
@ 中学校の技術科の男性教師は同じ仕事ばかりでなく別の仕事をしたい
ということと、今の仕事の教え方を開発したかったからでもある。週1時間
このために時間をもらっている。ADのファシリテーターに志願するために校
長に申し出たところ、「良いだろう。1時間の穴は他の人がカバーしましょう」
だった。        

A 中学校数学を教える女性は。ファシリテーターになろうとしたのは、平和
交渉に関心があったから。いじめの問題などは個人よりもまとまったグループ
にファシリテーターが必要だと思ったから。昨日もファシリテーターに来て
もらった。4名のグループミーティングだった。

B 女性医師。今自分がしている仕事は大事なことと考えている。その上に
サービスを向上させるために、クライエントさん、スタッフさんのことを
ちゃんと知っておく必要があると思っている。参加者を認識するためにダイ
アローグ性が必要であり、ここにはそれがある。行政の中にいて、参加者が皆
共通に理解していることが必要であると思っている。



何だ!現職の優秀な教師や医師がADをやりたいと希望してファシリテーター
になるんだ。しかも費用は学校や病院が持ってくれるのである。つまり、現
職で優れた仕事をしているからADのファシリテーターコースに入るのである。

ポイントは、コースの参加費用は無料である。理由はコースの方々がそれ
ぞれ所属している職場からの給料で生活できるわけで、ADの方から給料を
もらっていないのである。だから派遣されている形になるのである。
何と経済的に人材を活用している国だろうと思って感動して聞いていた。

日本だと〇〇協会が主催し、参加者は参加費を支払って、時には職場を
退職しなければならないのが通例である。
こんな時には「お金をかけた分取り戻すぞ」という気持ちになるのも自然の
ことであろう。
                      
(私の聞き間違いの所もあるかと思う。分かり次第訂正したい。)


4




AutoPage最新お知らせ