温かい鍋物などがおいしい季節で、まずは熱燗で一杯といきたいところです。お酒を呑めば身体に浸み込んでいくような気分になります。米と米麹を発酵させて造った日本酒はとりわけその栄養成分が多く、身体を温める効果の他に日本酒でなければ得られない健康効果が期待できるのです。
お酒は嗜好品ですから好きなものを飲めばよいのですが、健康効果を期待するなら醸造酒である日本酒がおすすめです。アミノ酸、ビタミン、肝臓によいペプチドといった新陳代謝を高めるものがあり、ミネラルも豊富です。特にアミノ酸はワインの10倍もあるといいます。
そして、冠婚葬祭、年末年始、接待宴席、同窓会、パーティーなど、お酒の席では、本音で話しやすいことが多く、お酒にはストレスや緊張を和らげる効能があるからでしょう。こういう効能から、ビジネスでもコミュニケーションツールとして活かされ、人と人とのつながりを深めているのです。
しかし、日本はお酒に甘い社会で、自殺対策はアルコール問題を避けては通れないと云います。バブル崩壊後、働き盛りの男性の自殺が急増したのも、酒の力を借りて嫌なことを忘れようと「居酒屋」に出向き、お酒を飲むことで、睡眠の質が悪化し、健康を害し、うつ病の薬も効きが悪くなってしまうようです。
アルコール依存症状態となれば、仕事が満足にできなくなり家庭崩壊や社会的信用をなくし、悩みがさらに増えてしまう結果となり、酒の力を借りて衝動的に自殺を図る人も多いと云います。
老々介護で、助けを求めるのが苦手な男性は、独りで頑張りすぎて、介護殺人の加害者となるのは圧倒的に男性が多いと云います。介護の担い手はまだまだ女性が中心のようで、高齢者介護の分野で悲劇が後を絶たないようです。
自殺については、配偶者との離別・死別が自殺のひきがねとなる要因の一つだと云われています。中年以降の男性では、離別・死別による自殺リスクは20代、30代の女性と比べ200倍近くに跳ね上がるのだそうです。
男性は悩みをジーッと堪え忍んで「強さ」にこだわり、酒の力で癒やし、紛らわし、そのあげく自らを失う男たち。その弱さ、もろさを、私たち男性はもっと認識する必要があります。
2010年11月 韓国・ソウルにて

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