相対的貧困率2006年結果15.7%を、この時期政府はあえて発表しました。7人に1人が貧困生活で苦しんでいて、国や社会が効果的な対策を行おうとする意思の現われとみてよいと思います。
相対的貧困率:国民一人一人の所得を順に並べ、真ん中の人の所得(228万円)の半額(114万円)に満たない人の率。
今回これをもって貧困の拡大が証明されたかのように報道されましたが、計算のベースとなっている「可処分所得」に、資産が多いか、少ないかについて考慮されていません。
相対的貧困率だけを取り上げて、単純に貧困者が増えたということで政策を打つと誤りやすく、他の経済指標などとあわせて総合的に考えねばなりません。
都市と地方など物価の高さの違いや家族の構成や教育費など生活状況によって支出の差により異なります。肝心なことは正規雇用、非正規雇用など雇用条件による収入面で差が大きく、働き方、雇用条件による対策を行わねばならないでしょう。
2006年、小泉政権下で自動車、電機等の輸出最盛期で生産高は新記録を更新していました。当時、労働者派遣法の規制緩和が行われ、単純作業も派遣を緩和してから人材派遣会社が乱立、派遣料金の切下げ合戦(スキルの高い労働まで)が影響して、非正規雇用者の賃金のみが職種にかかわらずフルに働いても生活が成り立たないようなところまで下げてきました。
賃金の低下、売り上げの低下、物価の引き下げなどデフレスパイラルが進行し、とうとう政府も(日銀は今後3年間続くと予想)デフレ宣言するほど非常事態となりました。雇用に関していえば、単に非正規雇用者を正規雇用へという単純な発想では、賃金コストが開き過ぎていて解決にはなりません。
愛知県地方では外国人労働者を数多く雇用したことも賃金水準を下げる原因となったのでしょう。最近になって帰国申請を勧めることになって、日本人雇用とは全く異なった形で支援せざるを得なくなったのです。
緊急雇用対策も福祉・介護・農林業といいますが、予算も付けず掛け声だけの対策では成果も期待できないでしょう。そして生活が可能な最低賃金を見直す必要があり、非正規雇用のパート・派遣労働の賃金アップを図らねば、相対的貧困率からの脱却はなかなか難しいのではないかと思います。

0