もやしもんの作者石川雅之の時代短編集。「人斬り龍馬」「二本松少年隊」
「とどかぬ刃」「神の棲む山」の4作品を収録。
タイトルの「人斬り龍馬」は、龍馬は本当に不殺の聖人だったのか?を新選組・近藤勇らの視点から追う。
今までの坂本龍馬イメージからはほど遠く、違和感ある人は嫌うでしょう。
でも今までのイメージで余りに固定されすぎている事も、ある意味怖いことです。
人斬り龍馬の一部が読めます
「二本松少年隊」は、明治維新で朝敵にされた二本松藩が舞台。
主兵力が分散し手薄になった城下に新政府軍がせまり駆り出されてゆく木村道場の少年達(12〜17歳)を追ってゆく物語。
余りに無謀な事であったが、黙認せざる得ない状況。
それでも少年達は故郷を守りたい一心で凛として出陣する。
身を挺し少年達を守ろうとする大人達、目の当たりにする少年達の無念さ。
その殆どが親元へ帰ることなく散っていった二本松少年隊。
會津・白虎隊と並ぶ戊辰戦争の悲劇です。
二本松少年隊の一場面より、よく見るとわかるかと思いますが、
二人が手に下げているのは隊長の御首です
二本松少年隊について
帯のコピーにもある「史実が真実を語るとは限らない・・・」
史実とは勝者が語るものが多い。
勝者は自らを誇り讃え都合の悪い事は隠し、敗者を賊へ追いやる。
そこで真実がかすむ。
敗者にも義がある。反抗する理由がある。
決して勝敗や官賊では分からない世界がある。
そんな視点から描かれた作品をあつめています。
作者が連載中の「
もやしもん」とはまた違った、読み応えあり。
全編の大半が黒ベタとペンで細かく描かれているので、読むと指がインクで黒くなる危険がありますので・・・(笑)