朝、5時。
目指すのは地元の山の登山口。
いつもは一番奥の登山口まで車で詰めてから山歩きをするのだが、この林道、かなりの距離がある。
麓の集落にある神社の駐車場に車を止めて走ることにした。
風はほとんど無いが空気は冷たくて気持ちよい。
太陽は東の山の峰を越えて出てきたばかりで、植林した林の隙間を縫って斜めから光を投げ込んでいた。
辺りは刈払い機の音がするだけで静かである。
いつもと違うところを走るのは、単に気分転換する為だけではない。
来月の夏山に向けて登りの脚力もつけたいのだ。
なんせ未だ経験したことのない1690mを一気に登るのだ。それに、去年の夏山では1480mの標高差を上げるのに萎えた。
いつも何の記憶もなく車で通り過ぎるだけの林道である。
小さい時に一度歩いた覚えがあるが、夏の暑い日で長かった事だけ覚えている。
実際にどのくらいの距離があるのか測っておきたかった。
携帯電話のGPSを使って測距する。
片道3.8kmの林道だった。
平地を走るのとは疲れ方が少し違う。
帰って寝ようとするが、木の葉が微動だにしない無風の日である。
窓を開けても風が入る余地もなく、昼過ぎに暑くなって起きると、冷房に頼ることにした。

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