念願の「シリーズ・歪んだ風景−沈みゆく家」の最終回用の資料がイマジンさんから届いた。依頼して半年ぶりで非常に助かった。判らない点、外のバリエーションがが存在するかあるかどうか詳しく資料を読んで、あれば再度教えて貰うつもりだ。
赤松次郎さんの質問
1.住宅ローンの残る住民が所有権をもったまま、その負債を完済しないで行方不明になった場合。債権者はその所有権を自分に移すことができるか。もしあるとすればどのような手続きが必要か。
A 債権者には様々な種類があり、どのような債権者かということがまず問題ですが、答えを単純化するために、ローン債権者(一般的には銀行)と管理組合(管理費にかかる債権)の二つに限定します。
この二つであれば、答えは単純になります。
結論的には、所有権を移すことは極めて困難ですし、むしろ不可能というべきでしょう。
金銭債権は、訴訟提起をし、判決を得て当該判決を根拠に土地家屋を競売し、満足を得る、ということになります。金銭債権としてはそれで十分だからです。
その過程で自ら競売で落とすということが可能ですが、それは偶然の産物というべきでしょう。
行方不明者を相手に訴訟を起こすときは、債務者を履行遅滞にするために公示催告します。行方不明者ですから、応じないでしょう。そこで民事訴訟を起こします。民事訴訟も相手方に訴訟を起こしたことを通告する必要があり、これは、行方不明者の場合は訴状の公示送達をします。
前述の公示催告も公示送達も裁判所の前の掲示板に掲示することによって行われています。
行方不明者ですから、期日に裁判所に出頭して反論するということはあり得ないので、ただちに結審ということになり、勝訴判決が直ちに出ます。
こんなことになるのは、民事訴訟は当事者主義が貫かれていて、反論しなければその主張が正しいとして判決が行われるからです。
2.負債のない住民が行方不明になった場合。その権利は永久にどこにも移換されないか。
A その通りです。所有権の絶対性と説明されています。本人の意思以外で所有権が移転することは有り得ません。
3.もしそのような権利の残る所有者が行方不明の物件を、都市再生をはかる公的機関が整理できるか。もし出来るとすればどのような法律のもとに執行するか。
A 行方不明者という理由で特別に扱う制度は我が国には有り得ません。強制的に土地等を使用する方法は、道路等の公共的な施設を設置するために、公権力による強制収用の方法があります。これは成田空港用地を国が取得するためにやった方法です。都市再生のような理由で強制収用を行っていいかどうか、かなり議論を呼ぶでしょう。
ただし、マンションの場合は、その建て替え等では、集団の多数意見が尊重される仕組みとなっています。
その場合、意見の申出等で前述の公示催告等の方法を使用して、実質的に本人の意思を無視して実行していく方法があるように思います。しかし、これには、これから更なる勉強をしないと俄かには困難なものがあります。
具体的に崩落しようとしているマンションをどのようにしたいのか、おっしゃっていただくとその方法が見つかるかもしれません。
4.もしそのような権利の残る所有者が行方不明の物件を公的に再生することが出来ない物件を「闇の力」によって不正に統合する場合はどのような詐欺手段が考えられるか。
A 一つは、単純に偽の売買契約です。
もう一つは、本人の同意があったという文書の偽造です。
いずれも行方不明ですから、短期的には問題になりえません、本人が気づいても後の祭りということになるでしょう。
私はこの文書偽造の方法をお勧めします。一番単純で一番簡単だからです。
法的には、刑法に触れる方法ですので犯罪ですが、そこは闇の力ということになります。
尚、マンションの場合は、闇の力に頼ることなく、誰かが偽造して後は誰もが知らん顔をする、というのが一番ではないでしょうか。これは古来から日本の伝統です。どこの村でも、この掟を村八分で守っているではありませんか。

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