今朝の朝日新聞のコラムに柳田邦男氏の臓器移植改正法案についてのコメントが載っていた。それは脳死状態の次男の臓器提供に悩んだ経験のある柳田氏が、参議院厚生労働委員会での参考人としての意見を問われたものだ。衆議院通過したA案は全ての人の脳死を死と判定する法案である。
柳田氏は脳死を死と認める人と、そうでない人がいて、まだ社会全体のコンセンサスが得られているとは言えない。もう少し社会の成熟を待つべきだと結んでいる。世界の情勢として脳死は死であるとすることと、日本的な「人一人の人生と死生観を大事にするという」脳死を死と認めないというダブルスタンダードは新しい文化のあり方であり、日本が持っていたあいまいさの良さを残してもいいのではないかと言っている。
それにつけても、TVタックルで河野太郎議員が顔を真っ赤にして、臓器移植法案のA案になぜ反対するのか「引き延ばしている間に、移植を待っている患者の何人殺せばいいのか、これは殺人だと」と激高していたのが印象に残る。提供する側の親は脳死でも心臓や肺は動いているのに死と認める訳には納得がいかない。移植を待つ患者側がそれを承知でまるで権利のごとく声高に主張するのはちょっと違うような気がする。死んでいく命と、生き延びる命に優劣は付けがたく、権利や義務の関係を発生させるような法を拙速に作ることに違和感を感じた。たしか生物学的・倫理的・医学的にも難しい問題ではある。

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