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2010/8/11

『クレイジー・ハート』  映画道

『クレイジー・ハート』
CRAZY HEART

2009年アメリカ映画 110分
脚本・監督・製作:スコット・クーパー
製作:ロバート・デュヴァル、ロブ・カーライナー、ジュディ・カイロ
製作総指揮:ジェフ・ブリッジズ、マイケル・A・シンプソンほか
原作:トーマス・コッブ
撮影:バリー・マーコウィッツ  編集:ジョン・アクセルラッド
美術:ワルデマー・カリノウスキー  衣裳:ダグ・ホール
音楽:スティーヴン・ブルトン  音楽・製作:T・ボーン・バーネット
出演:ジェフ・ブリッジズ(オーティス・“バッド”・ブレイク)、マギー・ジレンホール(ジーン・クラドック)、ジャック・ネイション(バディ・クラドック)、ロバート・デュヴァル(ウェイン)、コリン・ファレル(トミー・スウィート)、ポール・ハーマン(ジャック・グリーン)、ライアン・ビンガム(トニー)、ジェームズ・キーン(ボウリング場経営者)、アナ・フェリックス(バーテンダー)、トム・バウアー(酒屋ビル・ウィルソン)、リック・ダイアル(ジーンの伯父ウェズリー・バーンズ)、デブリアンナ・マンシーニ(観客アン)、J・マイケル・オリヴァ(ミキサー・ベア)、デイヴィッド・マンザナレス(ニック)、チャド・ブルメット(トミーのファン)、ウィリアム・マークェス(医師)、リーアン・リンチ(看護師)、ブライアン・グリーソン(バッドの息子スティーヴン・レノルズ)、ハリー・ジン(バーテンダー)





かつて一世を風靡した“伝説のシンガーソングライター”、バッド・ブレイク。現在57歳の彼は、孤独なドサ回りの歌手にまで落ちぶれていた。そんなバッドとは対照的に、彼の弟子でもあったトミー・スウィートが、今や若手トップシンガーとして人気を博しているのも、彼の心を荒ませる原因なのかもしれない。新曲を書けないスランプ状態のバッドは、お気に入りのウィスキー“マクルーア”が手放せない酒浸りの毎日を過ごしていた。この日、バッドはコロラドのボウリング場で、オールドファンに懐かしのヒットソングを聴かせていた。バックバンドを務める地元の青年トニーに、「病気、二日酔い、離婚、警察に追われても、ショーを休んだことは一度もない」と胸を張るが、実のところ、二日酔いのフラフラ状態で、楽屋裏のバケツに嘔吐しながらという散々な出来だった。翌朝、サンタフェのバーに移動したバッドは、バンドのピアニスト・ウェズリ―の頼みを聞き入れ、彼の姪で地元紙の記者、ジーン・クラドックの取材を受ける。いつしかバッドは、娘ほど年齢の離れたジーンに幼い頃の夢を打ち明けるまで打ち解けるが、いざ話題がトミーや結婚といった核心に触れると、途端に顔を曇らせ、一方的に取材を打ち切ってしまった。だがバッドの気分はいつになく晴れやかだった。ショー終了後に再び取材に現われたジーンと再会し、思いがけないなりゆきで一夜を過ごしてしまった。ジーンは4歳になる息子バディと暮らすシングルマザーだった。しかしそんなことにかまうこともなく、翌朝、バッドはジーンの家に押しかけ、幼い息子バディに対して子煩悩な一面を垣間見せる。そんな彼に目を細めながらも、離婚の痛手に苦しむジーンは、過ちを繰り返すことを恐れ、関係を深めるのに躊躇するのだった。そんなバッドの次なる行先は、フェニックスの巨大スタジアムだ。マネージャーのジャックから、トミー・スウィートの前座と聞かされ、一旦は拒絶するが、ジャックに説得され、しぶしぶ出演に応じたのだった。リハーサルを終えたバッドの前に、ファンに取り囲まれたトミーが姿を見せた。レストランの彼のテーブルに屈託なく滑り込んだトミーは、“恩師”に感謝の言葉を述べ、懐かしい昔話に花を咲かせながら、こう続ける。「あんたがチャンスをくれた。忘れちゃいない」。トミーは、師匠であるバッドに新曲を書いて貰うことを切望していたのだ。ライヴ前座で熱唱するバッドに飛び入りでトミーがセッションし、観衆は大盛りあがりの拍手喝采。しばらく味わうことのなかったライヴの昂奮に気を良くしたのか、バッドはジーンに長距離電話をかけ、ヒューストンへの帰郷の前に、彼女の元を訪ねると伝えた。ところがその直後、居眠り運転したバッドは車を横転させ、足首を骨折してしまう。医師から、このままでは急死の可能性があると宣告され、禁酒と禁煙、そして減量を命じられ、図らずもジーンの家で休養を取ることになるバッドだったが、幸せな気分もつかの間、動けない身体にギターを抱えて、新曲に取りかかる彼に、ジーンは溜め込んでいた不安をぶちまける。「私が美しい曲を聞くたびに、あなたは遠くの地を旅している。今日のことなど覚えてもいない」。そんなジーンを安心させるように強く抱き締めながら、バッドは彼女への愛を囁く。ごくありふれた日常生活を過ごし、初めて穏やかな家庭の温もりに触れたバッド。そして彼は元妻との間に4歳のときから逢っていない28歳になる息子がいることをジーンに打ち明けた。彼の微妙な変化に気付いたのは地元ヒューストンでバッドを待つ、長年の付きあいのバーのマスター・ウェイン。ジーンの存在を彼に告白したバッドは、ある夜、息子のスティーヴンに電話し、元妻の死を知る。だがスティーヴンは、会いたいと伝えるバッドに、身勝手すぎる、と冷たく言い放つだけだった。そして、バッドは自らの悲しみやジーンへの想いを募らせながら、“最高傑作”と自負する新曲をトミーへ贈った。迷いながらもジーンはバディを連れ、バッドの暮らすヒューストンに休暇をとって訪ねて来た。ジーンが疲れを癒す間、かいがいしくバディの世話を焼くバッド。だが、バディの前で絶対にお酒を飲まないことをジーンから強く念押しされていたにもかかわらず、バットはバーに立ち寄り、ウィスキーを注文してしまう。だが、そのわずかな隙に幼いバディを見失ってしまった。茫然とするバッドは警察に捜索を依頼。その末、バディは無事発見されるが、ジーンとバッドの関係は大きな転機を迎えようとしていた。【公式サイトより】

アカデミー主演男優賞、主題歌賞受賞作。

冒頭の「果てしない大空と広い大地」(松山千春かよ!)、これだけでもう「参りました」と言いたくなってしまう。日本映画では絶対にお目にかかることのできない絵だもんなぁ。そこにカントリー音楽がかぶさればもう完璧。

もちろん、ロケーションや音楽だけではなく、登場人物の内面描写や関係性も丁寧に描きこまれている。それは主人公のバッド・ブレイクをはじめ、新聞記者のジーン、かつての弟子トミーなどメインキャラクターだけではなく、ボウリング場経営者やバッドのファンでウィスキーをおごる酒屋やジーンの伯父といった脇にいたるまで徹底されている。

特によく描けているのはジーン。
離婚を経験し、それまで男運に恵まれていなかったジーンは、バッドのことを愛しながらも、彼のもとに飛び込むことを躊躇する。自分のベッドで新曲を作るバッドに対し、今日の出来事など忘れてしまうと感情をさらけ出すシーンもいい。
そして、いざ息子を連れてヒューストンへ行ってみたら、迷子騒ぎ。
息子の前では酒を飲まないという約束を破られたことへの憤り、そんな男を信じて息子に恐怖感を与えてしまったことへの後悔。そんなジーンの痛切な胸の内が伝わってくる。
ただ、16ヶ月後、再会したときに指輪をしているのはどうなのよ。
あんたの方がとっととバッドのことを忘れるんじゃないの?(笑)

ジェフ・ブリッジズさんはこれでアカデミー賞取れなかったら、もう一生取れないだろうというぐらいのハマり役。元々、アカデミー協会はアルコール依存の役を好むという傾向はあるものの、彼の場合はそれだけじゃなく、きちんとカントリー歌手として存在し、繊細な心の動きも表現していた。
マギー・ジレンホールさんもいいねぇ。際立った美人というわけではないけど(こら)、実に魅力的。


★★★

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テーマ: 映画鑑賞





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