2010/3/18
『ユキとニナ』 映画道
『ユキとニナ』
yuki & nina
2009年フランス・日本映画 93分
脚本・監督:諏訪敦彦、イポリット・ジラルド
撮影:ジョゼ・デエー 美術:エマニュエル・ド・ショヴィニ
編集:諏訪久子、ロランス・ブリオー
音楽:フォーレン・オフィス 主題歌:ううあ「てぃんさぐぬ花」
出演:ノエ・サンピ(ユキ・ゴベール)、アリエル・ムーテル(ニナ)、ツユ(ユキの母ジュン・ゴベール)、イポリット・ジラルド(ユキの父フレデリック・ゴベール)、マリリン・カント(ニナの母カミーユ)、ジャン=ポール・ジラルド(祖父)、森康子(老女)、今泉野乃香(日本の少女1)、新井亜利砂(同2)、マオ・サンピ(同3マオ)、大森百香(日本の友達)、ライアン・アラウィ(ラウル)
ユキとニナはパリに住む9歳の女の子で大の仲良し。ユキはフランス人のパパと日本人のママと暮らしているが、最近は両親の仲が良くない。夏休みが始まる日、ユキはママから、パパと別れてユキと日本に帰ろうと思っていることを告げられ、大きなショックを受ける。ユキは、ニナとニナのママにそのことを相談する。ニナの両親も離婚をしていて、二ナはいまだに納得していない。ママに「どうしてもっと努力できなかったの?」と思わず本音をぶつける二ナ。ユキとニナは離れ離れになりたくない。そして何よりユキの両親にもう一度仲良くして欲しいと願い、離婚をやめさせる作戦会議をする2人。そこでユキの両親が愛し合っていた頃を思いだすような手紙を、ユキのママに送ることを思いつく。その頃の両親の仲むつまじい写真の切り抜きや、プレゼントを入れて工夫を凝らした“愛の妖精”からの手紙を、日本式のお祈りで願いをこめて、ポストへ投函した。数日後、日本に帰るための荷造りをしているユキのママに、“愛の妖精”からの手紙が届く。“なぜ離婚するのですか? 悲しくなるのにお別れですか?” それを読んだ、ユキのママは、「きっと悲しくなるけど、今の方がもっと悲しいからパパとは別れるの。」と涙ながらに告げる。そして、ママが一足先に日本に旅立った夜、悲しみにくれるパパと話をするユキ。「たとえ東京へ行かせてもお前を見捨てたわけじゃない。落ち込まないで元気でいてくれ。ママと一緒ならきっと大丈夫、新しい土地で成長していける。」と、パパは必死でユキに愛情を伝えようとする。ユキとニナの想いは、なかなか大人たちには届かない。ある日、ユキが1人で家にいると、喧嘩中だったニナが大きな荷物を持ってやってくる。「ママと喧嘩をしたから家出をするの!」とニナ。ニナは以前からユキに両親を仲直りさせる為の作戦の一つとして、家出を提案していた。そこでユキも決心をかため、ついに家出をする。そして2人は森へとたどり着く―─。【公式サイトより】
フランスを拠点に活動する諏訪敦彦監督が俳優のイポリット・ジラルドさんと共同監督した作品。ちなみにイポリット・ジラルドさんは諏訪監督が担当した『パリ、ジュテーム』の一篇「ヴィクトワール広場」にもご出演。
元ジュディマリのYUKIさんがかつて結成していたバンドNiNaとは関係ない(笑)。
前半はタイトル通り、ユキとニナ2人の少女中心に描かれていく。
この2人はほとんど演技経験がないようだが、諏訪監督の即興的演出のおかげもあってかごく自然に本当の友達同士のように見える。特にそれが感じられたのが、口喧嘩をして立ち去るニナにユキが「ニャンニャン!」と言ったのに対し、ニナがちょっと怒ったように「ニャンニャン!」と言い返すシーン。このあたりに普段の2人が垣間見えて来る。
“愛の天使”からの手紙を書くシーンや、家出をしてニナの父親の家に行き、テントを建てるシーンなんかも非常に可愛らしい。
隣人がやってきたため、父親の家から逃げ出した2人が森に入ってから、ユキは一人で森で暮らすことを決意してニナを置いて森の奥へと歩みを進める。
その行き着いた先が何と日本で、自転車で通りかかった少女たちも普通に「ユキちゃん」などと呼んで、近所のお婆さんの家に遊びに行く。そこでもいろはがるたをしたり、座布団の取り合いをしたりして普通に遊ぶのだが、やがて他の少女たちは母親とともに帰り、残ったユキも一人で帰って行き、森で父親に再会する。
森というのは原初的な空間である。
フランスと日本、地理的にも遠く隔たり、人種も文化もまったく異なったこの2つの土地が森という空間を通して繋がっているということに深い感動を覚える。
ただ、最後にユキと友達がニナと父親、その息子とパソコンを通じて会話をするのはちょっと微妙。こうした文明の機器を使わずとも繋がっているということを示して欲しかった。
もちろん、人によって受け取り方は様々だろうが、某映画評論家(兼弁護士)がこの一連の流れを「納得できない」と書いていたのには驚いた。
実際に日本で暮らし始めたユキがこの森の近くに来た際、老婆の家にも立ち寄ってみるが空き家だったこと、母親がこの近くで遊んだ覚えがあると言っていることを考えてみれば、ユキが目にした光景というのはDNAの中に深く刻み込まれた原風景と解釈するのが普通だろうに、パリから列車に乗ってきたはずなのに日本の家屋で日本の少女と遊ぶのはおかしいなどとはよくそれで評論家を名乗れたものだ。
ノエ・サンピちゃんは役柄と同じくフランス人と日本人のハーフ。
日本の少女の1人として登場するマオ・サンピちゃんは恐らく妹だろう。
ところどころ表情が硬いようなところもあったが、日本の子役のようにワザとらしいところがないのがいい。
それにしても、フランス映画で森康子さんをお見かけするとは思わなかった。原ひさ子さん亡き後の日本を代表するお婆ちゃん女優としてこれからも活躍してもらいたい。
★★★
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yuki & nina
2009年フランス・日本映画 93分
脚本・監督:諏訪敦彦、イポリット・ジラルド
撮影:ジョゼ・デエー 美術:エマニュエル・ド・ショヴィニ
編集:諏訪久子、ロランス・ブリオー
音楽:フォーレン・オフィス 主題歌:ううあ「てぃんさぐぬ花」
出演:ノエ・サンピ(ユキ・ゴベール)、アリエル・ムーテル(ニナ)、ツユ(ユキの母ジュン・ゴベール)、イポリット・ジラルド(ユキの父フレデリック・ゴベール)、マリリン・カント(ニナの母カミーユ)、ジャン=ポール・ジラルド(祖父)、森康子(老女)、今泉野乃香(日本の少女1)、新井亜利砂(同2)、マオ・サンピ(同3マオ)、大森百香(日本の友達)、ライアン・アラウィ(ラウル)
ユキとニナはパリに住む9歳の女の子で大の仲良し。ユキはフランス人のパパと日本人のママと暮らしているが、最近は両親の仲が良くない。夏休みが始まる日、ユキはママから、パパと別れてユキと日本に帰ろうと思っていることを告げられ、大きなショックを受ける。ユキは、ニナとニナのママにそのことを相談する。ニナの両親も離婚をしていて、二ナはいまだに納得していない。ママに「どうしてもっと努力できなかったの?」と思わず本音をぶつける二ナ。ユキとニナは離れ離れになりたくない。そして何よりユキの両親にもう一度仲良くして欲しいと願い、離婚をやめさせる作戦会議をする2人。そこでユキの両親が愛し合っていた頃を思いだすような手紙を、ユキのママに送ることを思いつく。その頃の両親の仲むつまじい写真の切り抜きや、プレゼントを入れて工夫を凝らした“愛の妖精”からの手紙を、日本式のお祈りで願いをこめて、ポストへ投函した。数日後、日本に帰るための荷造りをしているユキのママに、“愛の妖精”からの手紙が届く。“なぜ離婚するのですか? 悲しくなるのにお別れですか?” それを読んだ、ユキのママは、「きっと悲しくなるけど、今の方がもっと悲しいからパパとは別れるの。」と涙ながらに告げる。そして、ママが一足先に日本に旅立った夜、悲しみにくれるパパと話をするユキ。「たとえ東京へ行かせてもお前を見捨てたわけじゃない。落ち込まないで元気でいてくれ。ママと一緒ならきっと大丈夫、新しい土地で成長していける。」と、パパは必死でユキに愛情を伝えようとする。ユキとニナの想いは、なかなか大人たちには届かない。ある日、ユキが1人で家にいると、喧嘩中だったニナが大きな荷物を持ってやってくる。「ママと喧嘩をしたから家出をするの!」とニナ。ニナは以前からユキに両親を仲直りさせる為の作戦の一つとして、家出を提案していた。そこでユキも決心をかため、ついに家出をする。そして2人は森へとたどり着く―─。【公式サイトより】
フランスを拠点に活動する諏訪敦彦監督が俳優のイポリット・ジラルドさんと共同監督した作品。ちなみにイポリット・ジラルドさんは諏訪監督が担当した『パリ、ジュテーム』の一篇「ヴィクトワール広場」にもご出演。
元ジュディマリのYUKIさんがかつて結成していたバンドNiNaとは関係ない(笑)。
前半はタイトル通り、ユキとニナ2人の少女中心に描かれていく。
この2人はほとんど演技経験がないようだが、諏訪監督の即興的演出のおかげもあってかごく自然に本当の友達同士のように見える。特にそれが感じられたのが、口喧嘩をして立ち去るニナにユキが「ニャンニャン!」と言ったのに対し、ニナがちょっと怒ったように「ニャンニャン!」と言い返すシーン。このあたりに普段の2人が垣間見えて来る。
“愛の天使”からの手紙を書くシーンや、家出をしてニナの父親の家に行き、テントを建てるシーンなんかも非常に可愛らしい。
隣人がやってきたため、父親の家から逃げ出した2人が森に入ってから、ユキは一人で森で暮らすことを決意してニナを置いて森の奥へと歩みを進める。
その行き着いた先が何と日本で、自転車で通りかかった少女たちも普通に「ユキちゃん」などと呼んで、近所のお婆さんの家に遊びに行く。そこでもいろはがるたをしたり、座布団の取り合いをしたりして普通に遊ぶのだが、やがて他の少女たちは母親とともに帰り、残ったユキも一人で帰って行き、森で父親に再会する。
森というのは原初的な空間である。
フランスと日本、地理的にも遠く隔たり、人種も文化もまったく異なったこの2つの土地が森という空間を通して繋がっているということに深い感動を覚える。
ただ、最後にユキと友達がニナと父親、その息子とパソコンを通じて会話をするのはちょっと微妙。こうした文明の機器を使わずとも繋がっているということを示して欲しかった。
もちろん、人によって受け取り方は様々だろうが、某映画評論家(兼弁護士)がこの一連の流れを「納得できない」と書いていたのには驚いた。
実際に日本で暮らし始めたユキがこの森の近くに来た際、老婆の家にも立ち寄ってみるが空き家だったこと、母親がこの近くで遊んだ覚えがあると言っていることを考えてみれば、ユキが目にした光景というのはDNAの中に深く刻み込まれた原風景と解釈するのが普通だろうに、パリから列車に乗ってきたはずなのに日本の家屋で日本の少女と遊ぶのはおかしいなどとはよくそれで評論家を名乗れたものだ。
ノエ・サンピちゃんは役柄と同じくフランス人と日本人のハーフ。
日本の少女の1人として登場するマオ・サンピちゃんは恐らく妹だろう。
ところどころ表情が硬いようなところもあったが、日本の子役のようにワザとらしいところがないのがいい。
それにしても、フランス映画で森康子さんをお見かけするとは思わなかった。原ひさ子さん亡き後の日本を代表するお婆ちゃん女優としてこれからも活躍してもらいたい。
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テーマ: 映画鑑賞
