2009/10/11
『我が子のように』 映画道
『我が子のように』
Everybody's Children
2008年カナダ映画 52分
脚本・監督:モニカ・デルモス
製作:アニタ・リー 撮影:スタン・バルア
編集:ローレンス・ジャックマン 音楽:アレックス・カスキン
出演:サリュー・ダインカー、ジョイス・ンシンバ、アン・ウールガー=ベル(マタイの家代表)、ジャン=マリ・ムノコ(フランス語話者支援センター職員)
難民映画祭2009名古屋上映作品。
カナダのトロントに暮らす難民の若者2人を追ったドキュメンタリー。
1人はシエラレオネから来たサリュー、16歳。
10歳の時に村が襲撃されて母親を殺され麻薬漬けになったところを赤十字に助けられるも、父親に儀式として背中にナイフで傷をつけるように言われたのを拒絶したために疎遠になり、フリータウンで出会った女性の導きで出国することに。
もう1人はコンゴから来たジョイス、17歳。
母親から習ったギターを弾いたり、メイクをするジョイスはごく普通の若者のように見えるが、その母親は2年前にマラリアで亡くなっており、父親と継母に売春を迫られて逃げてきたという過去を持つ。
2人とも難民と認定され、高校に通うことを条件に月630ドルの支給を受けるが、異国での暮らしはそう簡単なものではない。サリューはマタイの家、ジョイスは救世軍やフランス語話者支援センターの助けを借りて仕事や引越し先を見つけたりするが、そういった理解者ばかりがいる訳ではない。
特に冒頭、サリューが行き先さえも分からずに飛行機に乗り、トロントの空港に到着した際、3日後に迎えに来た赤十字の職員が彼に言った言葉に唖然とさせられた。何とその職員は観光名所のCNタワーを知らない彼に「これからどこかに旅行するときはインターネットで下調べしておくといい」と言ったのだ。彼は何も知らないのだと思い、何も言わないでおいたサリューの心中は察するに余りある。
更にサリューは高校ではクラスメイトから「アフリカン」などと呼ばれる。
難民の置かれた状況に対する無知、無関心はもとより、何よりも想像力の欠如。
異国の地でたくましく夢に向かって生きる彼らの姿を見ていると、いかに自分たちが恵まれた環境にいるかを感じずにはいられない。
ちなみにタイトルの「我が子のように」とは、コンゴでは赤ん坊が生まれると"Everybody's Children"(原題)として扱われるという話に基づく。難民のことも他人事(ひとごと)ではなく考えられるといいのだけど…。
★★★1/2
なお、本作は製作会社のサイトで全篇視聴可能。
サリューは英語で、ジョイスはフランス語で話しているが、どちらにも英語の字幕つき。
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Everybody's Children
2008年カナダ映画 52分
脚本・監督:モニカ・デルモス
製作:アニタ・リー 撮影:スタン・バルア
編集:ローレンス・ジャックマン 音楽:アレックス・カスキン
出演:サリュー・ダインカー、ジョイス・ンシンバ、アン・ウールガー=ベル(マタイの家代表)、ジャン=マリ・ムノコ(フランス語話者支援センター職員)
難民映画祭2009名古屋上映作品。
カナダのトロントに暮らす難民の若者2人を追ったドキュメンタリー。
1人はシエラレオネから来たサリュー、16歳。
10歳の時に村が襲撃されて母親を殺され麻薬漬けになったところを赤十字に助けられるも、父親に儀式として背中にナイフで傷をつけるように言われたのを拒絶したために疎遠になり、フリータウンで出会った女性の導きで出国することに。
もう1人はコンゴから来たジョイス、17歳。
母親から習ったギターを弾いたり、メイクをするジョイスはごく普通の若者のように見えるが、その母親は2年前にマラリアで亡くなっており、父親と継母に売春を迫られて逃げてきたという過去を持つ。
2人とも難民と認定され、高校に通うことを条件に月630ドルの支給を受けるが、異国での暮らしはそう簡単なものではない。サリューはマタイの家、ジョイスは救世軍やフランス語話者支援センターの助けを借りて仕事や引越し先を見つけたりするが、そういった理解者ばかりがいる訳ではない。
特に冒頭、サリューが行き先さえも分からずに飛行機に乗り、トロントの空港に到着した際、3日後に迎えに来た赤十字の職員が彼に言った言葉に唖然とさせられた。何とその職員は観光名所のCNタワーを知らない彼に「これからどこかに旅行するときはインターネットで下調べしておくといい」と言ったのだ。彼は何も知らないのだと思い、何も言わないでおいたサリューの心中は察するに余りある。
更にサリューは高校ではクラスメイトから「アフリカン」などと呼ばれる。
難民の置かれた状況に対する無知、無関心はもとより、何よりも想像力の欠如。
異国の地でたくましく夢に向かって生きる彼らの姿を見ていると、いかに自分たちが恵まれた環境にいるかを感じずにはいられない。
ちなみにタイトルの「我が子のように」とは、コンゴでは赤ん坊が生まれると"Everybody's Children"(原題)として扱われるという話に基づく。難民のことも他人事(ひとごと)ではなく考えられるといいのだけど…。
★★★1/2
なお、本作は製作会社のサイトで全篇視聴可能。
サリューは英語で、ジョイスはフランス語で話しているが、どちらにも英語の字幕つき。
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