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2008/8/10

大河ドラマ『篤姫』第三十二回「桜田門外の変」  『篤姫』道

原作:宮尾登美子「天璋院篤姫」
脚本:田渕久美子
音楽:吉俣 良
テーマ音楽演奏:NHK交響楽団  テーマ音楽指揮:井上道義
演奏:弦一徹オーケストラ  題字:菊池錦子
時代考証:原口 泉、大石 学  建築考証:平井 聖  衣裳考証:小泉清子  脚本協力:田渕高志
撮影協力:鹿児島県、鹿児島県鹿児島市、茨城県つくばみらい市、茨城県石岡市
茶道指導:鈴木宗卓  武術指導:林邦史朗  所作指導:西川箕乃助
土佐ことば指導:岡林桂子  薩摩ことば指導:西田聖志郎
資料提供:德川記念財団、尚古集成館、伊牟田志香人、野本禎司、竹村 誠
埼玉県さいたま市、福田東久、高木頼雄
語り:奈良岡朋子

出演:宮﨑あおい(天璋院)、瑛太(小松帯刀)、小澤征悦(西郷吉之助)、原田泰造(大久保正助)、松田翔太(徳川家茂)、三宅弘城(伊地知正治)、平山広行(有村俊斎)、遠藤雄弥(有村次左衛門)、俊藤光利(大山綱良)、田上晃吉(有村雄助)、真島公平(西郷吉次郎)、水谷百輔(西郷信吾)、武智健二(奈良原喜八郎)、中川真吾(島津忠義)、植原健介(谷村昌武)、的場浩司(有馬新七)、中嶋朋子(重野)、白井 晃(安藤信正)、小林勝也(木村摂津守)、勝地 涼(ジョン万次郎)、稲葉さゆり、細川あゆみ、東條織江、奥野月琴、吉沢志央、上田由宇、澁谷晶己、西村いづみ、纐纈玲子、片山美穂、小幡 誠、大川敦司、若駒、劇団ひまわり、テアトルアカデミー、キャンパスシネマ、クロキプロ、稲森いずみ(滝山)、山口祐一郎(島津忠教)、中村梅雀(井伊直弼)、松坂慶子(幾島)、北大路欣也(勝麟太郎)

制作統括:佐野元彦
プロデューサー:屋敷陽太郎  美術:山口類児  技術:市川隆男  音響効果:三谷直樹
撮影:安藤清茂  照明:新藤利夫  音声:渡邊暁雄  映像技術:宮坂裕司
記録:水島清子  編集:佐藤秀城  美術進行:柿崎恒明
演出:堀切園健太郎




この日は天璋院にとって特別な日、幾島が大奥を去る日だった。
名残惜しそうに最後の会話を交わす2人。
幾島は木箱の中から薩摩を描いた掛軸を取り出す。亡き斉彬から預かったものだという。掛軸に近づき、「これを見るときは薩摩とそちを思い出すことにしよう」と天璋院。
両手をつき、頭を下げる幾島。天璋院の目に涙が溢れる。
部屋を出て扉の前で振り返り、再び前を向くと息を吸って歩き出す幾島。
部屋に残った天璋院に、幾島には及ばないが身命を賭して奉公すると誓う重野。
天璋院は徳川家にとってこれからが大事なときと気を引き締める。


天璋院と幾島らしい別れ方ですね。
天璋院はどうせなら涙を流さないで欲しかったところですが。

日本中を震撼させた井伊大老による安政の大獄。その衝撃の根は深かった。
そこまでする必要があったのかと問う家茂に、幕府の威信をかけたという井伊。
家茂に人心をつかまぬ限り、徳のある政とは言えないのではないかと聞かれ、懐からお暇願いを出し、自分を信じてもらえないのなら身を引くしかないと言う井伊。
家茂は天璋院にその話をして、己の未熟さ、至らなさを嘆く。
天璋院は相手が大老であり、今は誰でもうなずくしかないと慰めるが、辞意をちらつかせるのは卑怯千万であり、そういうやり方が一番嫌いだと憤る。天璋院は幕府への信義という失ったものの大きさを憂え、主従の本分を忘れ、刀を抜く者が現れないかと心配する。
その不安は薩摩で現実のものとなろうとしていた。
水戸の者たちは覚悟を決め、既に脱藩したという話を聞き、薩摩も遅れてはならないと息巻く有馬たち。西郷は突出はならんと言っていたが、大久保も有馬に賛成する。
大久保を待ち構えていた帯刀は何とか思いとどまってもらえないかと懇願する。突出は無意味だと言う帯刀に、これは流れだと言う大久保。忠教は建白書を読んだと言うが何もしてくれない。我らが突出すれば目を覚ます者たちが出てきてそこから何かが変わると言う大久保。捨石になれればそれでいいと言う大久保に、帯刀は大久保たちを捨石にするわけにはいかないと立ち去る。
帯刀は忠教と忠義に突出の件を報告する。多くの者が薩摩を捨て京に上るであろうが、捕らえ罰すれば不平不満は募り、薩摩を見捨てかねない。いずれにしても薩摩は貴重な人材を失うと言う帯刀は、誰一人突出させず皆の力をお家の将来のために役立てる方法はないかと訴えかける。


大久保たちと忠教、両者に挟まれて帯刀の苦労は続きますねぇ…。

一方、江戸では井伊大老が幕府の威信をより確かなものにしようと新たな策略を練り始めていた。
それは帝の姫宮様を将軍の御台所にして朝廷と幕府の強い結束を世に示すというものであった。「公武合体」という井伊の考えを聞いて驚く老中・安藤。
大奥では滝山が家茂の世継ぎの話を持ち出すが、天璋院はまだ早いと一蹴する。
別室。天璋院は家茂が御台所のことなど考えたこともないと言うのを聞いて微笑む。家茂にとってはそれよりも咸臨丸のことが気になっていた。咸臨丸は幕府がオランダに造らせた蒸気軍艦で、来年早々にも日本の船がアメリカに向けて初航海する。家茂が船に乗り込む者を召し出したと聞いた天璋院は自分も会いたいと申し出る。
対面所。井伊が軍艦奉行並・木村摂津守と軍艦操練所教授方頭取・勝麟太郎を紹介する。家茂は挨拶もそこそこに勝が持参してきた咸臨丸の模型に興味を示す。
咸臨丸の実物は168フィート、アメリカまでの道のりは4000里。アメリカ行きの目的は通商条約締結によりアメリカに渡る使節の警護と荷物の輸送だという木村の話を表向きだとして、真の狙いは航海術の操練、つまり腕試しだと言う勝。日本は諸外国と互角に渡り合う力をつける必要があり、アメリカから戻った暁には強い国を作るためにひたすら努めたいと決意を述べる。
そのためには国内を一層堅固にする必要があると言う井伊に、まだ鞭をふるうつもりかと険しい表情になる天璋院だったが、「鞭ばかりでなく飴も」と言う勝の言葉に笑みを浮かべる。
薩摩に行ったことがあるという勝は、斉彬が咸臨丸を訪ねてくれて色々と話をしたと言い、斉彬が存命であればこの国ももう少しましになっていたかもしれないと話す。それを聞いて今回の処罰で隠居にでもなっていたであろうと井伊に対する皮肉を言う天璋院。
木村が退出の挨拶をしようとすると、勝が天璋院にも土産があると言い出す。
御広座敷。御簾の向こうにジョン万次郎。天璋院とは8年ぶりの再会だった。
通詞としてアメリカに同行することになったという万次郎との再会を懐かしむ天璋院。万次郎は尚五郎が天璋院を好いていたが、本家の姫君になる際、何も言わずに身を引いたと明かす。天璋院は自分のことを大切に思ってくれた尚五郎の気持が嬉しく、何よりもあの頃が愛おしいと話す。
万次郎は天璋院への土産を披露する。ソーイングマシーンという布を縫う機械で、ペルリが土産として差し出したものだった。
粋な計らいに礼を言うと勝に伝えるように言う天璋院。
夕方。天璋院がミシンの前に座っている。
懐からお守りを出して見つめる天璋院。傍らに控える重野が天璋院を見て楽しそうだと話しかける。天璋院は幾島から送られた掛軸に目をやり、「思い出と言うのは宝物じゃ」と微笑む。


おお。ジョン万次郎、約5ヶ月ぶりの登場ですね。
ちなみにミシンというのはマシーンが訛ったものなんですよね。

鶴丸城。
明日の朝にでも突出するという帯刀からの報告を受けた忠義はすぐにでも捕らえるように忠教に言うが、忠教は事がここに至ったのは薩摩がこれから何をしようとしているか皆に伝えてこなかったせいだと省みる。
夜。寺の境内。全員の決意を書き記した書状を掲げる伊地知。有馬が討ち死にしても悔いはないと気炎を上げると、大久保と俊斎が止めに入る。大久保は忠義から受け取った書状、諭書(さとしがき)を読み上げる。家の柱、礎として頼むという言葉に感激する一同。
大久保は突出の中止を決め、文面にあった誠忠士の文字を取って「誠忠組」と名乗ることを提案する。一同の名を記した血判状を殿に差し出すことになり、大久保は西郷の名前を最初に記す。
江戸城。天璋院が苦労しながらミシンを踏んでいる。
そこへ重野が巻紙を持ってやってくる。そこには「獄門」「切腹」「死罪」と安政の大獄で処罰された人々の名前が記されていた。天璋院は重野に井伊に二人きりで会うと告げる。
茶室。茶をたてる井伊の前に巻紙を広げる天璋院。
井伊のたてた茶を一口飲んだ天璋院は、「悔しいが、これほどおいしい茶は初めてじゃ」と顔を綻ばせる。井伊は茶の道を究めたいというのが年来の願いだったと話す。
忌み嫌う相手がたてた茶をうまいという天璋院は正直だと言う井伊に、天璋院は「茶の味はそなたのやってきた残虐非道な行いとは別じゃ」と返す。今回のことで自分の茶が更に奥深いものとなったと嘯く井伊。
攘夷がかなうと考えるかと聞かれた天璋院は、無理だと答える。井伊はその通りだと言い、自分たちを除こうとしていた者たちの合言葉が攘夷だったと話す。帝に近づくために攘夷を唱えた者たちに国の行く末を任せられないと井伊。自分を動かしたのは、この国を守りたいという一心。自分が流した血を天に恥じることもなく、己の役割を果たしたまでと言う。
井伊の覚悟を聞いた天璋院はこれからも時々茶をたてるように頼み、井伊の考えも聞いてみたいと言う。井伊も自分の茶を褒めてくれる人とは語りたいと了承する。
天璋院はミシンで縫った袱紗を茶の礼として差し出す。井伊は袱紗を広げ、家定の気持が少しだけ分かったような気がすると言う。この一期一会が再び返らぬことを観念する、井伊が至った茶の極意だった。


うーむ、さすがは天璋院。懐が深い。
あれほどまでに忌み嫌っていた井伊とも分かり合えてしまうとは。
天璋院が日本で初めてミシンを使った女性だったんですね。へぇ。

安政7年(1860)3月3日。
桃の節句を迎えた江戸には季節外れの大雪が降っていた。
雛人形を見て感心する天璋院。
桜田門。雪が降る中、井伊を乗せた駕籠がやってくる。
駕籠の前に一人の男。銃を合図に物陰から男たちが斬りかかってくる。
応戦する護衛の侍。駕籠の中の井伊の手には血。袱紗を握り目を閉じる。
一人の浪士が駕籠に向かって刀を突き刺す。
菓子を食べながら談笑していた天璋院のもとに、滝山から井伊が落命したという報せがもたらされる。井伊の首を挙げたのが薩摩の者だと聞き、愕然とする天璋院。
天璋院は涙を浮かべ、家茂に井伊の茶を味わったことがあるかを尋ねる。これからもしかしたら分かり合い、手を携えられたかも知れなかったのにと悔しさを滲ませる天璋院。


さすがは堀切園演出。上からのアングルで更に斜めにと凝ってましたね。
しかしよりにもよって薩摩の者によって井伊が暗殺されるとは天璋院にとってもショックだったでしょうね。井伊が天璋院の贈った袱紗を握り締めていたというのはこれまたドラマ的演出ですが。
幾島が去り、井伊が落命。まさにこの世は一期一会ですな。


「篤姫紀行」
〜桜田門外の変〜東京都千代田区/世田谷区
桜田門、井伊家上屋敷跡(憲政記念館内)、櫻(さくら)の井、井伊直弼像(豪徳寺蔵)、豪徳寺、井伊直弼の墓
語り:内藤裕子アナウンサー  演奏:吉俣良×千代正行
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