原作:宮尾登美子「天璋院篤姫」
脚本:田渕久美子
音楽:吉俣 良
テーマ音楽演奏:NHK交響楽団 テーマ音楽指揮:井上道義
演奏:弦一徹オーケストラ 題字:菊池錦子
時代考証:原口 泉、大石 学 建築考証:平井 聖 衣裳考証:小泉清子 脚本協力:井出真理
撮影協力:鹿児島県、鹿児島県鹿児島市
武術指導:林邦史朗 所作指導:西川箕乃助 華道指導:杉本康子 仏事指導:金嶽宗信
御所ことば指導:堀井令伊知 京ことば指導:井上裕季子 薩摩ことば指導:西田聖志郎
資料提供:德川記念財団、尚古集成館、伊牟田志香人、野本禎司、竹村 誠、野村 玄
語り:奈良岡朋子
出演:宮﨑あおい(篤姫(天璋院))、瑛太(小松帯刀)、堺 雅人(徳川家定・回想)、小澤征悦(西郷吉之助)、原田泰造(大久保正助)、三宅弘城(伊地知正治)、平山広行(有村俊斎)、宮地雅子(初瀬)、櫻木健一(脇坂安宅)、俊藤光利(大山綱良)、田上晃吉(有村雄助)、遠藤雄弥(有村次左衛門)、谷本 一(間部詮勝)、武智健二(奈良原喜八郎)、真島公平(西郷吉次郎)、水谷百輔(西郷信吾)、志賀廣太郎(久世広周・回想)、赤崎ひかる(鵜飼吉左衛門)、千代田義徳(導師)、鳥木元博(武家伝奏)、高畑淳子(本寿院)、岩井友見(歌橋)、高橋長英(月照)、鶴田真由(志賀)、稲葉さゆり、細川あゆみ、三国由奈、東條織江、片山美穂、澁谷晶己、赤坂美穂、奥野月琴、クロキプロ、稲森いずみ(滝山)、山口祐一郎(島津忠教)、星由里子(村岡)、涼風真世(お由羅)、長門裕之(島津斉興)、中村梅雀(井伊直弼)、松坂慶子(幾島)
制作統括:佐野元彦
プロデューサー:屋敷陽太郎 美術:山口類児 技術:小笠原洋一 音響効果:三谷直樹
撮影:溜 昭浩 照明:中山鎮雄 音声:冨沢 裕 映像技術:片岡啓太
記録:水島清子 編集:佐藤秀城 美術進行:高橋秀樹
演出:岡田 健
家定薨去を公にするのは8月8日に決まる。
滝山はそれまでは誰にも知られてはならないと篤姫に言うが、まったく反応がない。幾島は今の篤姫は誰かと話をする気力すらないと滝山に言う。
仏間。志賀に篤姫について聞かれた滝山は、風邪を引いたようだと説明する。
何も知らない本寿院は家定の容態について尋ね、滝山は病気はよくなったが、政務に追われていると答える。本寿院は家定のためにもう一度祈ることにする。
篤姫は幾島に「考えてみれば、私が上様のお命を奪ったようなものじゃな」と言い、ハリスに会わせたことや次の公方をめぐる争いに巻き込んだことなどを思い返して自らを責める。
篤姫、本当に一日中泣き続けたんじゃないかという表情をしてますね。さすがです。
京。斉彬の死を知った西郷は、月照に明日薩摩に帰ると報告する。
月照は思いつめたような西郷を見て、死のうと思っているのではないかと危惧する。西郷は否定するが、月照は斉彬がそこにいて怒っていると話し、「生きなはれ、西郷さん。生きてお殿さんの御遺志を全うしなはれ」と諭す。
月照は両手をお椀の形にして差し出し、そこに命を置くように言う。
西郷は胸に手を当てて握り拳を作り、それを月照の手の上に置く。
「これでよろしい」と言いながら、涙を流す西郷の背中をさする月照。
そこへ村岡が来て、「さすがにええ家来をお持ちやな。薩摩のお殿さんは」と言う。
村岡は西郷の前に座り、近衛から頼みがあると言う。今の幕府を変えたいという斉彬の思いを形にするための文が入った文箱を差し出し、それを水戸の老公に届けて欲しいという。それが帝の考えだと聞き、ひれ伏す西郷。
一方、斉彬の葬儀も無事に終わった薩摩では、島津忠教が小松帯刀の労をねぎらう。
フランスの酒を飲みながら、自分は兄とは違い江戸も京も知らない田舎者だと言う忠教は、帯刀に側で仕えてはくれないかと頼む。忠教は兄が決して人を裏切らぬ人間だと高く評価していたと言うが、帯刀は甘いだけだと答える。そのような人間こそ必要だと言う忠教。
道半ばで潰えた兄の遺志を継ぎたいと考えているという忠教は、いつか旧弊な幕府を改革してみせると志を明らかにする。忠教が本気であることを感じとった帯刀は、忠教とグラスを合わせて酒を飲む。
忠教はただ一つ、父上だけが問題だと天を仰ぐ。
江戸・薩摩藩邸。島津斉興は由羅に薩摩に帰ると告げる。
由羅は薩摩のことは忠教に任せておけばいいと言うが、大老が井伊となり、次の将軍が慶福と決まった今、これまで一橋を推してきた薩摩が苦境に陥るのは必定、自分が出て行かなければどうにもならないと斉興は言う。
「わしが薩摩を救うてみせるわい」と高笑いする斉興を見ながら溜息をつく由羅。
大久保家。由羅の子である忠教が力を持ったことを快く思っていない一同の話を聞きながら、帯刀は何も言うことができない。
縁に座る大久保と帯刀。
大久保は帯刀が忠教の側に仕えることになったと聞いて、喜ばしいことだと言う。
力を持つ人間の強さを嫌というほど知っている大久保は、かつては嫌っていたが、今ではそれを使っていくべきだと思っている、自らの目的を定め、そのために利用すべきだと言う。
帯刀が出世すれば自分たちもいつの日かきっと働き所を得られると帯刀の奮起を促す大久保。帯刀もその言葉を胸に刻むと約束する。
そうか、まだ生きていたか斉興。
相変わらず悪代官のような演技です(笑)。
江戸城。
篤姫は幾島に、家定が薨去したことを本寿院たちに話したいと言うが、幾島は発喪の日までは気取られぬようにと滝山に念を押されていたと言って反対する。篤姫は大事な人が亡くなったことを伝えてもらえないのは本当に辛い悲しいことだとして、本寿院や志賀に自分と同じような思いをさせたくないと言う。もはや家定がいないということを、もっと早く少しでも早く知りたかったと言う篤姫。
そこへ志賀がお菓子のボーロを持ってやってくる。
一口食べ、家定と一緒に食べたときのことを思い出す篤姫。
志賀が家定のことを聞きたがっていると察した篤姫は、「そなたが思うておる通りじゃ」と言う。「既にこの世の人ではない」という篤姫の言葉を聞き、涙を流す志賀。体の弱かった家定が頻繁に表に出られた辛かっただろうと案じていたという志賀は、どうして気づいては下さらなかったのですかと篤姫を責める。それに対し、ただ「済まぬ」と詫びる篤姫に、「畏れながら、お恨み申し上げます」と一礼して出て行く志賀。
篤姫は責められても恨まれても仕方がないと言い、本寿院に伝えるため部屋を出て行く。
家定が亡くなったと聞いて信じようとしない本寿院。篤姫は持病の脚気による衝心のためと死因を伝える。亡骸を拝したのかという問いに棺だけと答える篤姫。江戸市中で朱が品薄になっているのは、棺につめたためではないかという歌橋の推測に本寿院は愕然とする。
「脚気衝心などと偽ってそなたが毒殺したのであろう」と花を投げつける本寿院。幾島と歌橋は止めようとするが、本寿院は慶喜が次の将軍になれなかった逆恨みかと篤姫の背中に花を叩きつける。篤姫はひたすら耐え続ける。
本寿院が脇息を振り上げるのを滝山が止めようとするが、篤姫は止めないように言う。自分が家定の死を知ったときの悔しさを思うとお伝えせずにはいられませんでしたと言う篤姫は、「夫でさえこれほど辛く悲しいものだから我が子であればいかばかりかと」と本寿院の心中を察する。
それを聞き、「黙れ黙れ黙れ」と座り込む本寿院。
篤姫はまっすぐに本寿院を見つめ、「まことのことにございます」と言う。
別室。本寿院は祭壇の前で棺を見上げながら、「なぜ母より先に逝く」と号泣する。
脇に控える滝山、歌橋、志賀も涙を流す。
悲しみ続ける篤姫を見て、このままでは身も心も壊れてしまうと心配する幾島。
篤姫は手にした菩薩像を見ながら、「よいのじゃ」と悲しげな笑顔を浮かべる。
高畑のオバハン、何してくれんねん(笑)。
宮﨑あおいさん、その後の「まことのことにございます」あたりはさすがの存在感でした。
同じ頃、京都では水戸藩の者が朝廷に密かに呼び出され、勅諚が下された。幕府の頭越しに朝廷から大名へ直接、勅諚が下されるのは前代未聞のことだった。水戸藩に内密に下されたはずの勅諚は大老・井伊の知るところとなり、安政の大獄の引き金となっていく。
江戸城。この密勅に関わった者はみな厳しく罰しなければいけないと進言する間部。井伊もこの勅諚が幕府の政を批判していることが許せないと言って、朝廷の周辺から洗い出すように指示する。
どのような経緯で井伊が勅諚を知ることになったが気になるところですが、このドラマの本筋ではないから描かれることはないんでしょうね…。
家定の死も公となり、葬儀が執り行われて遺骸が上野の寛永寺に葬られる。
滝山は篤姫に落飾(らくしょく)の儀を執り行わねばならないと切り出す。
初瀬はまだ23歳の篤姫が落飾することを寂しいと言うが、篤姫は「寂しがることではない。これで心置きなく上様の菩提を弔えるというものじゃ」とつぶやく。
夜。幾島は落飾の日まで篤姫の身の回りの世話をすることになったと伝える。どういう風の吹き回しかと尋ねる篤姫に隙があれば噛みつくつもりだと答える幾島。言うことを聞いてくれないおかげで随分と辛抱強くなったと言われて微笑むと、幾島は久しぶりに篤姫の笑った顔を見られたと喜ぶ。
篤姫の髪を梳きながら、「相も変わらず豊かな御髪にございますね」と感心する幾島。この髪を切る日は新たに生まれ変わる日と考えるようにと助言する。幾島が人の何倍も生きてきたようだと感慨深げに言うのを聞いて、「そなたは側にいてくれるな?」と尋ねる篤姫。幾島はすぐには答えず、ただ篤姫の御髪を梳く喜びを感じたいだけだと髪を梳き続ける。
寛永寺には15人の将軍のうち6人が眠っているそうで。
しかし家定のことばかりで斉彬のことは少しも思い出そうとしませんね(笑)。
数日後の安政5年(1858)8月26日、篤姫の落飾の儀が執り行われる。
読経が上げられる中、僧侶が篤姫の髪に剃刀を当てる。
その後、新御殿の上段の間に座る篤姫。
滝山は篤姫に今日から天璋院になったことを告げ、名前の書かれた紙を見せる。篤姫はそれを見て、「上様が温恭院様。何やらお側に近づけた気がするのう」と言う。
夕刻。落飾して豊倹院となった志賀が天璋院を訪れ、桜田の御用屋敷に戻って回向一筋念仏三昧の日々を送るつもりだと告げる。最後に申し上げたいことがあって来たという志賀に、先だって怒らせたことを詫びる天璋院。志賀も「申し訳ないのは私の方にございます。御台様のお心も分からず好き勝手なことを申しました。お許し下さいませ」と頭を下げる。
天璋院が涙を流すのを見て、「なぜお泣きになるのですか。御台様は公方様に愛されたではありませぬか」と言う志賀。家定は自分の前では童のような姿を見せてくれたが、決して愛してはくれなかった。公方様に愛されながらいつまでも悲しみに暮れている。愛されずに終わった女から見れば、それはぜいたくだ。目に涙を浮かべながらそう伝えた志賀は深々と一礼して部屋を出て行く。
さめざめと涙を流しながら志賀の言葉を噛みしめる天璋院。
おおっ、宮﨑あおいさんが右目から涙を流している!(笑)
右目は中央から落ちていますからこっちは目薬か?
厨子の前に座り、菩薩像を見ている天璋院。
志賀や家定の言葉を思い返し、「ぜいたくをしている時ではないのじゃな」と何かを決意したような表情になる。そして振り返り、幾島に「大老に会う」と告げる。
対面所。家定の薨去に悔やみの言葉を述べる井伊。
家定の遺志をどのように成し遂げていくか話し合っておきたいと思ったと井伊を呼んだ理由を明かす天璋院。その遺志とは、天璋院が紀州慶福改め家茂の後見役となり、政の補佐を行うようにというものだったが、井伊はそのようなことは聞いておらず初耳だと言う。
表向きの雑事は俗輩に任せて心安らかに過ごすようにと話し続ける井伊に、「その方がどのように考えようと私は亡くなった上様のお気持を無碍にはせぬ。…いやできぬ。その方もそのように心得よ」と言い放つ天璋院。
無言のまま、頭を下げる井伊。
かっちょいー。もうね、こんな奴は首でもはねてしまえばいいんです!(だからいずれそうなるってばよ)
「篤姫紀行」
〜久光ゆかりの地〜鹿児島県姶良(あいら)町/鹿児島市
平松城跡(重富小学校)、重富島津家墓地、白銀坂、旧島津氏玉里邸庭園(鹿児島女子高等学校内)、島津久光公之像(探勝園)
語り:内藤裕子アナウンサー 演奏:吉俣良×千代正行