「燐光群+グッド・フェローズ プロデュース『ローゼ・ベルント』」
演劇道
燐光群+グッド・フェローズ プロデュース
『ローゼ・ベルント』
Rose Bernd
【名古屋公演】
2008年7月19日(土)
中村文化小劇場
前売:3,300円 当日:3,600円
作:ゲアハルト・ハウプトマン Gerhart Hauptmann
上演台本・演出:坂手洋二 Yoji Sakate
[底本 番匠谷英一訳 角川文庫『枯葉』]
美術・衣裳:伊藤雅子 照明:竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響:島猛(ステージオフィス) 音響操作:内海常葉(ステージオフィス)
舞台監督:高橋淳一 演出助手:清水弥生、武山尚史、秋葉ヨリエ
出演:占部房子(ローゼ・ベルント)、鴨川てんし(その父ベルント)、嚴樫佑介(その弟マルテン)、大鷹明良(クリストフ・フラム)、西山水木(フラムの妻)、猪熊恒和(アルトゥル・シュトレックマン)、大西孝洋(アウグスト・カイル)、川中健次郎(老クライネルト)、中山マリ(ゴーリッシュ夫人)、樋尾麻衣子(ヒルゼ夫人)、安仁屋美峰(バイメルト夫人)、西川大輔(ハーン/別な警官)、吉成淳一(ゴーリッシュ/警官)、鈴木陽介(シュミット)、武山尚史(ハインツェル)、成瀬美子(アンナ)、秋葉ヨリエ(ルイーゼ)
ドイツのとある農村。精肉工場で働くローゼ・ベルントは敬愛する工場社長フラムと不倫関係にあったが、車椅子に乗る彼の妻に引け目を感じていた。彼女には父親が2年前に決めた教会神父の息子カイルという許婚がいたが、気の弱いカイルとの結婚は延び延びになっていた。やがてフラムとの子を宿したローゼ。彼女に言い寄っていた工場技術者シュトレックマンは、社長との関係をネタにローゼを脅して肉体関係を持つ。ローゼはカイルと結婚し、子供を産む決意をするが、シュトレックマンにすべてを暴露される。怒ったカイルはシュトレックマンに飛びかかるが、逆に片目に大怪我を負う。ローゼの父は裁判を起こし、ローゼも証言を求められる。
ドイツのノーベル文学賞受賞者ゲアハルト・ハウプトマンが100年以上前に自身が陪審員として関わった事件を基に書き上げた作品で、日本では初めての上演。
2度映画化され、1957年のマリア・シェル主演のものは『枯葉』として日本でも公開。今回の上演はその際に訳された角川文庫版を底本にしている。
舞台前面に段ボールが壁のように積み上げられ、開演すると社長が「ドナドナ」を歌いながらそれを崩していく。ちなみに「ドナドナ」というのはナチスに連れ去られていく妻子を見送るユダヤ人の歌なのだとか。
壁が崩されると、五角形に並べられた柱が立っており、ローゼがラベル貼りをしている(よくよく考えると消費期限でも貼り替えていたのだろう)。
下手には和太鼓があり、役者が時折それを叩く。
一応、役名などは原作のままなのだけど、舞台となるのが精肉工場に変えられ、食品の偽装表示など時事的な問題も織り込まれている。それが果たして効果的だったのかはちょっと分からないが、とにもかくにもこの作品はタイトルロールを演じる占部房子さんに尽きる。
ローゼは勤め先の社長との子供を孕み、親が決めた気の弱い婚約者との結婚を決意するも、彼女をつけ狙う男にすべてを暴露されてしまう。挙句、産んだ子供に手をかけ…。その死体をどう処理したかはなかなかショッキング。
追い詰められ、ほとんど狂ったようになってしまうヒロインを占部房子さんが熱演。NHKの朝ドラ『ほんまもん』に出ていたときは演技が大仰ではっきり言って苦手な女優さんだったけど、映画『バッシング』同様、今回の役は彼女の重苦しさ(笑)が活かされていた。
今年の主演女優賞候補。