『永遠の魂』
별빛 속으로
2007年韓国映画 103分
脚本・監督・製作総指揮:ファン・ギュドク 脚本:チェ・テレサ
撮影:コ・ミョンウク 音楽:コ・ボムジュン、キムC
出演:チョン・ギョンホ(大学生のヒョン・スヨン)、チョン・ジニョン(教授のヒョン・スヨン)、キム・ミンソン(ピッピ)、チャ・スヨン(スジ)、キムC(スジの兄)、チャン・ハンソン[友情出演](ノ教授)、イ・スナ[友情出演](スジの母)、チェ・テレサ(40代のスジ)
夏休みを迎えた大学。静まり返ったキャンパス。中年にさしかかった教授スヨンは部屋に舞い込んできた蝶に目をとめる。蝶に誘われるように教室へ向かい授業を始めるスヨン。生徒たちに「初恋の話をして」とせがまれ、かつて自分が経験した不思議な体験を語り出す。1979年6月、スヨンはまだ貧しい大学生。ドイツ文学を専攻する内気な生徒だった。ある日、構内で自由奔放な女子学生ピッピと偶然言葉を交わす。恋愛経験の浅いスヨンは、人懐っこく内に何かを秘めたようなピッピに魅かれ、淡い恋心を抱く。しかし、彼女は学生運動の最中、スヨンの目の前で投身自殺を遂げてしまう。悲しみに打ちひしがれるスヨン。ピッピの死後、彼のまわりには不思議な出来事が起こり始める。かねてより希望していた家庭教師のアルバイトについたスヨン。だが教え子のスジは、女子高生らしからぬ大人びた雰囲気を持つ、無口で孤独な少女だった。スジの住む屋敷も人の気配が希薄で奇妙な雰囲気が漂っている。だが少女のただならぬオーラと美しさに、スヨンはいつの間にか魅了されていた。自分の生きている現実が夢なのか本物なのかさえわからなくなっていくスヨン。そんなある日、政府の空襲警報が鳴り響く。死を間近に感じるスヨンとスジ。2人は、自分たちに秘められた絆があることをまだ知らなかった。【公式サイトより引用】
韓国アートフィルム・ショーケース上映作品。
溝口健二監督の
『雨月物語』を敬愛しているというファン・ギュドク監督による現実と幻想が錯綜する幽霊譚。
冒頭、ネットで江原道で起きたトンネル事故の記事を読んでいたい教授のスヨンが、2羽の蝶々に導かれるように講義室に入っていくのと同時に我々もまた幻想の世界へ誘(いざな)われる(ここからして幻想だったんだなというのは後々判ることだが)。
最初は学生運動中に校舎から身を投げたピッピ(スヨンが長くつ下のピッピから命名)が幽霊となり、スジはピッピの若い頃かと思いきや(高校生のときに数学と英語の家庭教師をつけていた)、スヨンは対空射撃の流れ弾によって自分とスジが亡くなり、この世と別れを告げる49日目を迎えたことに気づく。と思いきややはり…。
胡蝶の夢のごとく、自分が夢の中で死んでいるのか死んだ自分が夢を見ているのか判らない状態。
当時のパク・チョンヒ(朴正煕)政権下での韓国のことに馴染みがあると、ピッピの自殺や対空射撃のエピソードなどもより共感を呼ぶことができるのだろうけど、もう少しピッピについてはその動機を描いて欲しかった。
また、スヨンはピッピの自殺がきっかけで詩を書くようになり、現在では妻が経営する小さな出版社から第一詩集を出すことになっているわけだが、詩というものが韓国人の精神文化に大いなる役割を果たしていることが改めて実感される。
最後に一つ難を言えば、教授となったスヨンと学生時代のスヨンが似てなさ過ぎ(笑)。
学生時代のスヨンは誰かと思ったら
『ハーブ』のチョン・ギョンホさんか。
彼とスジ役のチャ・スヨンさんはドラマ『犬とオオカミの時間』でも共演。
大人になったスジ役のチェ・テレサさんは脚本にもクレジットされているが、監督の奥さんなんだとか。
★★1/2