『さよなら。いつかわかること』
grace is gone
2007年アメリカ映画 85分
脚本・監督:ジェームズ・C・ストラウス
撮影:ジャン=ルイ・ボンポワン 音楽:クリント・イーストウッド
出演:ジョン・キューザック(スタンリー・フィリップス)、シェラン・オキーフ(ハイディ・フィリップス)、グレイシー・ベドナルジク(ドーン・フィリップス)、アレッサンドロ・ニヴォラ(ジョン・フィリップス)、ダナ・リン・ジルーリー(グレイス・フィリップス)、ケイティ・ホネイカー(グレイスの声)、ダグ・ディアース(リグズ大尉)、ダグ・ジェームズ(ジョンソン牧師)、ザカリー・グレイ(プールの少年)、マリサ・トメイ(プールの女性)、ペニー・スラッシャー(ピアス開けの女性)、メアリー・ケイ・プレイス(葬式の女性)
シカゴのホームセンターで働くスタンリー。家族は、12歳と思えない程しっかりしている長女・ハイディと、8歳の次女・ドーン、そして陸軍の軍曹で現在イラクに単身赴任中の妻・グレイス。父がいない時にこっそり戦争のニュースを見るハイディと、毎日母親と同じ時間に互いのことを想うという約束を守るドーン。スタンリーは母親を恋しがる子供たちとなかなかうまく接することができず、ぎこちなく食卓を囲む日々を重ねている。ある日、グレイスが亡くなったという報せがスタンリーの元に届く。突然の訃報に途方に暮れるスタンリー。幼い娘たちにどう伝えたらいいかわからないまま2人を外食に連れ出すが、真実を告げることができず、衝動的にドーンが以前から行きたがっていたフロリダにある遊園地“魔法の庭園”まで車で行くことにする。父親の突然の行動を訝しがるハイディと、無邪気に喜びはしゃぎまわるドーン。そして、夜中にこっそり自宅に電話し、妻の声で録音されている留守番電話の応答メッセージを聞くスタンリー。畑でロードレースごっこをし、ホテルのプールで遊び、ショッピングを楽しみながら、フロリダまでの距離と時間を共に過ごすことで、3人は徐々に絆を深めていく。遊園地で至福の時を過ごした後、覚悟を決めたスタンリーは浜辺で娘たちと向きあった。【公式サイトより抜粋】
<WARNING!>
この映画を観て「感動した!」とか「悲しみに耐えてよく頑張った!」とかそういう感想をお求めの方は以下の拙文をお読みになりませんように。
かったりぃ。
妻の訃報を娘2人に伝える。
たったそれだけのことに1時間半も使うなって。
まぁそういう展開はある程度予想できたし、それなりに中身があればいいんだけど、主人公の苦悩、葛藤、煩悶、懊悩、絶望、苛立などがさっぱり伝わってこず、見事なまでにカッスカス。
それまで授業中の居眠りすら許さなかった父親がいきなり学校を休んでまで遊園地に行こうと言い出す。明らかにおかしい。妹はともかくハイディは12歳なんだから何かあったと気づくでしょ。
結局のところ、こいつの中にあるのは自己中心的な考え方だけ。
娘たちが母親の死を知って悲しむことを恐れているのではない。
自分がそれを受け容れることが恐ろしくて伝えることが出来ず、45日間は家を離れないという誓約書(?)にサインしたのに逃げ出してしまうのだ。
子供はあんたが思ってるほど弱くないってば。
他にも行動が支離滅裂。
特にハイディに煙草を吸わせるくだりなんて意味が分からない。
しかもその前に夜中に抜け出したハイディを探していたせいでドーンを部屋に一人きりにしてしまったとか言ってたんだから、すぐに戻ればいいものを。
更にその後、耳にピアスの穴を開けに行った際に(このエピソードも使い方次第ではぐっとよくなるのに)ドーンから目を離して一人にしてしまっているし。
製作も兼ねるジョン・キューザックさんの演技も精彩を欠く。
最大の欠点はグレイスの存在感のなさ。
最後にハイディが読む弔辞ぐらいでしか彼女の人となりが伝わってこない。
また、主人公が子供たちにする「ママは兵士だから怪我をすることもある。それが治らなかったんだ」というような最後の最後まで回りくどい説明も何だかなぁ。
声高に戦争反対を叫べばいいというものではないが、これは戦争を受け容れているということ?
この作品、当初はロブ・ライナー監督が起用されていたそうだけど、断られたとか。それもむべなるかな。
はっきり言って、クリント・イーストウッドさんが自作以外に初めて音楽を提供したということしか存在価値のない作品。
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