
昨年の9月ごろ、Rutherford Hillというワイナリーの、1998年物のカボネー(キャブ)を手に入れた。
それもかなり安価で。1本なんと$35でしたん。
(←ラベルデザインは、現行売出しのものとほとんど変わらない)
ここはメルローが売りのワイナリーなので、キャブはあまり期待していなかった。おまけに10年前のボトルがいきなり売り出されたので、なんか怪しいと思っていた。
係のおっちゃんに、何で今ごろこんなボトルが売りに出されたか聞いても、 →続きを読むをクリック
ニヤニヤ笑って「けっこうイケるよ」としか教えてくれない。
きっと昔作って、倉庫の奥にしまったまま忘れていたんだろう。それを倉庫の大掃除でもしたときに、だれかが「あやっ、こんなところにキャブが、おおお、それも98年ものぢゃ〜ん」と見つけたのだろう。
それをおっかなびっくり飲んでみたら「あやや、けっこうイケんぢゃ〜ん。じゃあ、売っちゃえ」とでもなったのだろう。
決して計画的に生産されて売り出されたのもではないことは、値段と係のおっちゃんの対応を見れば分かる。
だって、去年売り出された同じキャブが現地で1本$38(ネットだとこれよりちょっと安い)だったから、同じボトルの10年物だったら相応の値段がするはず。それが新作より値段が安いなんて、ちょっとおかしいぞ。

(色はレンガ色になっていた→)
なんて考えていたら、おっちゃんが少し飲ませてくれた。あやや、うまい。けっこうイケんぢゃ〜ん。
昨秋にワインを手配した関西Nさんへの箱にも1本入れておいた。で、自分用にも買っておいた。
それを年末に入ってから開けてみた。ワイナリーではほんのちょっとなめたくらいだったので、本格的に飲むのはこれが最初といっていい。
コルクを抜いた後に立ち上がる香りは、ビンテージ物特有の柔らかいもの。この時点でちょっと感動しちゃいました。
色はレンガ色になっていた。気になる味は、やはりけっこうイケんぢゃ〜ん。ボルドースタイルのブレンドの柔らかさにはかなわないが、カボネーだけでこれだけ柔らかく仕上げるのには、やはり時間をかけた熟成が必要だ。
倉庫の奥にしまい忘れたオトボケ担当者の思わぬ功罪に、ラッキーと小躍りしてしまいたい気分だった。
1本$35だが、1ケース買えば1本当たり$28。さらに知り合いの係員に頼み込んでディスカウントしてもらえば、1本当たり$26くらいにはなるだろう。一瞬買おうか、と本気で考えたが、残念ながらもうほとんど残っていないらしい。ネットではもちろん売ってない。
ワイナリーめぐりに来る人の多くは、Opusだのモンダビだのを指定してくるが、天邪鬼の僕ちんは、そういう依頼はほとんど断ってしまう。
というのも、まったくPPやガイド本に頼り切った情報で、Opusなんかがナパ最高のワイナリーだと勘違いされていることが多いのだ。大上段に構えて、それらを指定してこられると「今さらOpusなんて、もう終わってるのに」と嫌気がさすこともある。
でもワイナリーめぐりって、そんなんでいいんだろうか。ガイド本やPPなどの評価を踏襲するために、あるいは他人に自慢するためにOpusやモンダビへ行くのって、なんか違う気がする。
どんなワイナリーを回ればいいか迷ったら、素直に相談してくれればいいのに。好みやどういう雰囲気のワイナリーがいいのかを教えてもらえたら、たいがい要望に見合ったワイナリーを見つけられる。
本来なら、自分の舌にあった隠れた1本を捜し求めるのが、ワイナリーめぐりの醍醐味だろう。PPなど人の評価に惑わされないで、自分の舌で確かめた1本を出すワイナリーを指定してくる人は、すばらしいと思う。
今年はそういった人と出会えるだろうか。「けっこうイケんぢゃ〜ん」とうなずける、こんな掘り出し物ワインにまた出合えるだろうか。

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