企画投稿のために概要をまとめるとこんな感じ。
・質の京アニ(幻想的な描写や細かな動きを得意とする)
・量のシャフト(少ない枚数で魅せる技術を持っている)
・『化物語』の人気の高さは放映期間の長さに因るところが大きい
・「次がいつ来るか分からない」状態が視聴者の心理を刺激した
・京アニもシャフトも「ハレ」の担い手である
・「パロディ」が絶大な支持を得るのはハレを再利用した結果
・再利用されたハレに残った人気で流行るが、パロディ側に根本的な話題性があるとは限らない
以下kwsk。
◆質の京アニ、量のシャフト
幻想的で美しい物語性や細かな描写を描写する事に長けている京アニは、作画枚数を費やして動きで魅せてくる。
『フルメタル・パニック!』の戦闘描写、『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』のライブシーンやOPムービーに代表されるように、よく動く描写が目立つ。映像における高い技術力を視聴者認めさせる努力の結果が垣間見られる。
対して、シャフトは少ない枚数で時間を稼ぐ技術を確立している。私たちがアニメ作品を評価するときに映像以外のものがその対象に含んでいる(あるいは映像が占める割合を低く設定している)ことを証明し、作画に掛ける時間の短縮により1度に大量の受注を受け入れる態勢を整え、収益力強化につなげようとしたのだろう。
但し「量のシャフト」が(悪い意味で)現れているのが現状の『化物語』であろう。地上波放映(-第14話)に収めきれなかった残る3話分をインターネット上で配信するかたちを取ったが、現在、第15話は11月3日、第16話は2月23日から期間限定で視聴できるようになっている。
……、長い。
約24分を制作するのに多大な時間を費やしていることになる。
放映枠が定まっている地上波放映とは違い、納期の調整が可能であるためか、止め絵は少なくなったようだが、それにしても随分と手間を掛けていると言いたくなる。
◆『化物語』の大ヒットについての考察
しかしこれだけ放映体制がずさんであるにも関わらず『化物語』を心待ちにしている視聴者は少なくない。
以前にも書いたが、今のアニメは年中行事的な「ハレ」の時間性しかない状態に陥っている。放映中には絶大な人気を誇っていた作品であっても放映終了して数ヵ月後には衰退の一途を辿っていく。
制作会社側としては収益と人気を維持するには大量生産よろしく次から次へと作品を手掛けざるを得ない。しかしそれだけの数を安定して受注するのは大変苦労する話ではある。
短期間で終わってしまう他の作品と比べ、放映期間を長く設定している『化物語』が飛び抜けて人気なのではなく、ハレの期間が長く、視聴者を留めているため如何にも人気が高いような印象を受けているのではないだろうか。
つまり、他の作品にしても『化物語』程度の放映期間に伸ばしても一定の人気は確保できると考えられる。
番外編として、企画は「2社の違い」について語るものだったが、ここからは敢えて「2社の共通点」を語りたい。
◆ハレの再利用
ハレの有効期限が短いことは既に述べたが、ハレの再利用は可能である。
ハレは期限切れになった後、取敢えず視聴者の記憶に留まっており、それがパロディというかたちで再び呼び覚まされると「あの作品は面白かった」という思いが蘇る。
パロディをメインに据えた作品はそれぞれ『らき☆すた』、『さよなら絶望先生』が挙げられる。シナリオ構成や世界観を分解してみるとよく見られる平凡な作りであることが実際見えてくる。
過去の功績をもとにファンを獲得していく過程は、ハレをパロディとして扱う作品や、原作のある作品をアニメ化することで原作ファンを取り込もうとする制作会社も同じ考え方である。
京アニ、シャフトともに、原作ものに定評はあるがオリジナルは揮わない傾向が強い。2社とも下請け時代に実力をつけてきたからこそ現在の高い技術を得るに至っているが、シナリオ方面はやや弱いのかもしれない。