キューブ 投稿者:S 投稿日: 6月28日(火)
時々わたしは
四角い箱に
閉じ込められる
呼吸困難
不安
震えが止まらなくなる
ふう
峠は越えたわ
ありがとう・・
見苦しかったわね
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日めくりの言葉 投稿者:S 投稿日: 6月28日(火)
居間の時計の下に
掛けられた
日めくりカレンダー
日付と曜日以外の余白は
伝言板のように使っている
おやつのケーキは冷蔵庫
買い物に行ってくるね
風を引かないように上着を忘れないで
振り返れば日々話しかけ
言葉を記してきた
それは簡単な日常会話に過ぎない
けれど言葉のひとつひとつは
相手への愛しさを綴っている
唯一日で用済みの紙切れとなったその日付は
さらりとゴミ箱へ捨てられる
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薄明 投稿者:梟 投稿日: 6月28日
真昼の蝶は花から花へ
真夜中の蛾は星を願う
しかし区別などはない
起きている時間の他は
蝶が千の花に見た一つ
蛾が一つに見た千の顔
そこに区別などはない
呼ばれる名の差の他に
それが決定的な区別か
あるいはただの表皮か
判らない薄明に生きて
昼と夜をなお繰り返す
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壁の色 投稿者:S 投稿日: 6月28日
玄関の呼び鈴が鳴る
わたしは現実の私と向き合い
対話しなければならない
わずかなひと時だというのに
深い翳りをわたしの身体に残して
私は帰ってゆく
その後ろ姿を見送り
相変わらず厚い雲だね・・
空へ恨み言を呟く
わたしの指の隙間から
幻影は消えている
眼に映る現実から
オブラートのように
半透明の薄い膜で
わたしを守ってくれていた
今の光景は私が残して行った遺物であり
わたしはその荒れ果てた
史跡のガラクタを
片付けなければならない
乗り切る為のエネルギーが
どこかに残っているだろうか・・
あるとすれば私への憤り
或いは私の運命を呪う言葉だろう
ここまで来れた事を
幻影に感謝しよう
君が救ってくれた・・と
告白しておくよ
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矛盾の粉 投稿者:S 投稿日: 6月28日
元気ですか・・
こんな言葉は陳腐だとわかってはいるけれど
それでもわたしは朝を迎えるたびに
このひと言を送らずに居られない
アイシテルと言ってはいけない・・?
傍にいるだけで
傷つけてしまう悲しみと
嫌われる微かな痛みが
乾いたわたしの指から
ぱらぱらと剥がれ落ちて
空をずっと舞いつづけていた
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皆様に 投稿者:海月 投稿日: 6月28日
この後三週間ほど、地獄の多忙モードに入り、何も書けなくなると思います。(仔梟さんの、待望のファンタジーも再開されたというのに!)Sさんのいう通りしばらくは無理をしないで、登場を控えようかなと思っています。
7月後半には、また活発に動きたいと思いますけれど、それまで皆様ごめんなさい、どうかご自由・勝手気ままにこの場をご利用くださいますように。(minstrelさんについても、気になりますが、ドライブを楽しみ始めたようですので、きっとよいことがいっぱいあるでしょう。暑い夏、安全運転と同様、何事も無理をしないで、ゆったりとかまえることが一番肝要といった方が、この掲示板の登場者には多いようです。)
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長いですね・・・ 投稿者:仔梟 投稿日: 6月27日
円卓の青い蝶の騎士を遅ればせながら、初登場させてみました。
T、美しい夢、の続きのような出生編もありますが、
本人は出てこないしこれよりも長いので、
また折を見て貼り付けさせていただきます。
夏ばてには冷たいものを召し上がるといいと聞いております、
どうかお体に気をつけて、ご無理をなさらずに・・・
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青い蝶の騎士 U 髭盗み 投稿者:仔梟 投稿日: 6月27日
真夜中、階段下のわたしの部屋にはろうそくの灯りが揺れていました。
小さな梟と、見習いのままの身分と共に、わたしは一日の終りの祈りを捧げていました。
さすらいの旅の途上、身を寄せた修道院でわたしは読み書きを習いました。
騎士の身ではなかなか触れる機会もない本は、わたしにとっては貴重な宝でした。
わたしは幸福でした、月明かりと、中断された騎士の修行との間で。
夏至を少し過ぎた夜は短く、わたしは祈りを終えると就寝の支度を整えていました。
扉をそっと叩く音が聞こえ、驚いて耳を澄ますと、オーランドーが滑り込みました。
美しく若い騎士です、金の巻き毛に深い青い瞳はまるであの星空のよう。
姿だけなら竜を踏みつける天使ミカエルのようにさえ見える人です。
オーランドーはその美しい顔を輝かせて、笑いを必死に押さえている様子でした。
「ねえ、君!僕は最高な悪戯を思い付いたんだ、聞いてくれるかい?」
これは不穏でした、実際、オーランドーは人騒がせな客でした。
真面目な修道士はオーランドーのことをジョングルールと呼んでいました、
よく写本の隅で馬鹿げた遊びを繰り広げるあれです。
「今度はいったい、何ですか。聖遺物箱に蜂の巣を放り込むのではたりませんか。」
「たりないね、ねえ、最高なんだ。
副院長の髭(ひげ)を盗もうよ、あれがうっとおしくて仕方がなかったんだ。」
とんでもない思い付きです、副修道院長の髭を盗むだなんて!
副院長は誰からも尊敬を集める立派な人物で、
かつて己の師とも論争し、異端諮問会議にまでかけられそうになった人物です。
今では、副院長の著作も正統であるとしてきちんとした注解も出回っています。
翡翠(カワセミ)が大好きだったので、翡翠の賢人と呼ばれていました。
「なんてことを!貴方は何かあの方に恨みでもあるのですか。」
「別に、ただあの髭がうっとおしいだけさ。
あの髭にはこう書いてある、神は偉大なり、俺もこの髭ゆえに偉大なり。
なぜなら、神はこんな風にいつも描かれるから。」
わたしは一時間はその説得に費やしたような気がします。
「そんなことをしてご覧なさい、今度こそ、追放になりますよ。」
オーランドーは退屈そうに、銀色に光る鋏をいじりながら聞いていました。
「わかったよ、じゃあ、僕ひとりで行くから、君は寝てればいいや。」
オーランドーは笑いながらそう云って立ち上がり、薔薇色の頬をぱっと輝かせました。
「でも、君が明日、副院長を見てちょっとでも笑ったら、僕と一緒に来るんだよ。」
そうして、オーランドーは扉からするりと消えてゆきました。
階段を、抜き足差し足で昇ってゆく音が聞こえてきます。
わたしは、その恐ろしい犯罪行為を考えて、結局眠れない夜を過ごしました。
翌朝早く、わたしは修道院長の部屋へ呼ばれました。
わたしはこんな事態にも関わらず、思わず沸きいでる喜びを押さえきれずにいました。
修道院長は、見る者を喜ばせる天使のように美しい方です。
ただし、オーランドーの浮かれた美しさとは違い、その美しさは闇に似ています。
院長の部屋は高い塔の上にあるにも関わらず、暗く、静かでした。
小さな窓から差し込む光の向こうに、院長は座っておりました。
闇のなかで青ざめたような顔と黒い瞳がきらりと動きました。
「おはよう、若い客人よ。
青い蝶の騎士が再び遍歴の旅に出たいとおっしゃっているのだが、
何か聞いていないかね?」
わたしはその闇のなかの視線に恐れをなして、すっかりすくんでしまいました。
喉から声を取り出そうにも、からからに乾いて何を云うこともままなりません。
院長は静かに、笑うような声で続けます。
「彼には従者が必要だ、君がついて行ってあげるのがいちばんだと思うのだが。」
やってくれたな、オーランドーめ!
わたしは心の中で叫びましたが、ぐぅとよくわからない音を発しただけに終りました。
「用はそれだけだ、さあ、行って出発の準備を整えなさい。」
わたしはがっくりと肩を垂れ、院長の部屋を見回しました。
簡素な寝台、闇、十字架、それに開かれた本と羽根のペン。
この方について、僧になるのも悪くないと、今この瞬間に思ったと云うのに!
わたしは悲しいお辞儀をして、立ち去ろうとしました。
「そうそう、副院長に会ったらよく見てやってくれたまえ。
夏には暑かろうと、髭を剃るように勧めたのだ。
よく似合っている、少し若く見えるようになった。」
わたしは耳まで真っ赤になって、その場を辞しました。
何故、昨夜あの足にかじりついてでも止めなかったのだろう!
階段下の部屋へ戻る途中、わたしは副院長に出会いました。
副院長には既に髭はなく、しかしにこにこと微笑んでいました。
副院長は上機嫌でわたしの肩を叩きました。
「出発だそうだね、若い客人よ!寂しくなるよ。
ところで、どうだね、わしはさっぱりしたと思わんかね?
夏の風を頬に受けるのは、なんと心地よいことだろう!」
副院長はどことなく愉快でたまらないようでしたが、それが髭がなくなったせいか、
オーランドーがいなくなるせいかはよくわかりませんでした。
でも、副院長の髭のない顔はちっとも滑稽ではありませんでした。
わたしは微笑して挨拶をし、祝福を受けて荷物をまとめました。
わたしが眠りこけている梟をポケットにつっこみ、外門へ行くと、
そこには既にオーランドーが待っていました。
「君は、副院長を見て微笑んだろう、約束通り、ついてきてもらうよ!」
オーランドーは白い馬の上から笑いながら云うと、
青い蝶の旗をはためかせて、修道院に手を振りました。
晴天でした、わたしはその白い馬の後を徒歩(かち)で追ってゆきました。
「ねえ、副院長の髭を見せてくださいよ。」
「あるわけがないだろう、あれは昨日、既に剃ってあったんだから!」
それでわたしは、オーランドーにだまされたのだと知りました!
「ひどいや、じゃあ、わたしはあそこを後にする必要はなかったんだ。」
「ああ、これ、君のペンにどうかなと思って。」
オーランドーは、にっこり笑ってきれいな羽を差し出しました。
副修道院長の可愛がっている翡翠の羽です、それもしっかりと芯のあるものを、何枚も!
たとえオーランドーが髭を盗んでいなかったとしても、
やはり追い出されていたでしょう。
「可哀想に、痛かったろうなあ。」
「血は付いてないだろ。」
こんな風にして、わたしはオーランドーの従者を一時、務めることとなりました。
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フォルム 投稿者:S 投稿日: 6月27日
そう・・
この間の話しの続きを思い出した
見極めが大切だね・・
確かに君はその若さにして
豊富な知識と経験がある
良い眼を持っていると感じるよ
美しいフォルムのマホガニー
木目を生かした白木のパイン
樹の香りだけで
その椅子の素材から
最適な室温湿度
扱い方まで
すらすらと嗅ぎとってしまうだろう
この先君がフリーとして独立し
日々の糧を得ようと考えているなら
今はまだ蓄える時期じゃないかな
ここ数年随分無理をし
消耗して来たんだろう・・?
違うかい
それを取り戻すくらいまで
休んだ方がいい・・

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