私は歴史に興味があるのですが、長い間、疑問を持ち続けていたことがあります。それは、何故、ギリシャやロシアの正教会がローマ・カトリック教会と決別したのか?
学校の歴史の授業では、宗教上の解釈の相違などからと教えられましたが、今一つ納得出来ませんでした。
それが最近になって、米倉万里著「旅行者の朝食」という本を読んで、その疑問が氷解しました。
それによると、原因は黒パンにあるらしいのです。
どういう事かというと、ロシアの伝統的なパンはライ麦を原料とする黒パンで、ドイツの黒パンよりも酸味が5倍も強いらしい。極寒の地では、普通の小麦は育たないのでしょう。ライ麦を発酵させ、酸味が強くなったパンは食欲増進効果があり、ロシアにおけるパンの消費量は他のヨーロッパ諸国の3倍にも達したという。
問題はキリスト教で行われる正餐式で使うパンについての対立で、11世紀半ばに教皇レオ9世が「正餐で酸味のあるパンを使ってはならない」と発布したことにより、ビザンチン正教会は、ローマと袂を分かつことになったそうです。正教会傘下には、ようやくその百年ほど前にキリスト教を国教としたばかりのロシアが在りました。
食習慣は人々の心のよりどころとする宗教さえも左右してしまうのか。
驚きです。
もう一つ逸話を。
戦争においては、食生活の豊かな国ほど弱いという歴史的事実。
フランスやイタリアなどは兵隊さんの食に対する要求度が高く、兵站に占める食費の金額・量は凄まじく、食事が悪化するとすぐに志気が低下してしまうというのです。
かつての日本軍の強さも、実は粗食に耐えるところが大きいとの見解もあります。現在のアメリカ・イギリス軍の台頭もアングロサクソン人のあの料理の不味さが原動力になっているという説もある。
私のような快楽主義者は、とてもじゃないがお国のためには働けそうにもありません。

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