マルコ・シモンチェリ選手が亡くなられたようですね。まだ24歳。去年は富沢選手が不慮の死を遂げられました。若く才能が溢れる選手がこの世を去っていくことほど悲しいことはありません。心よりご冥福を祈ります。
レースは一瞬の出来事が生死を左右することがままあります。自分たちが参戦していた600ccでも数名の選手が命を落としました。その原因は、本人の操作ミスや、マシントラブル、フラッグの見落とし、他車のトラブルに巻き込まれたりと様々です。
確かに、サーキットは一般の道路と異なり、同じ目的を持って走行する人間が走るコースですから、コースの安全対策も十分に採られており、またヘルメットやレーシングスーツなどの防護服を着用しているため、ある意味一般道路よりかなり安全だと言えます。しかし、走行スピードや競技性を考えると、安全性は完全には保証されません。それを承知で皆はレースをしています。でも誰一人として、事故を起こそうとして起こす人はいませんし、皆無事にレースが終わることを信じています。でもどんなに安全に走行しようとしても、外的要因があったり、不測の事態が招く事故は発生してしまいます。残念ながら、それがレースだからです。でも、各ライダーの心がけで、その発生率はかなり軽減できますし、自身を守ると言う意味でも、しなくてはならないことがあると自分は考えます。
まず、走行前のマシンメンテナンス。オイルドレーンボルトはきっちり締まっているか。オイル漏れしているような可動部はないか。チェーンのオイル切れや、張りすぎはないか。駆動部のボルトは締まっているか。消耗品の残量はきっちりあるか。冷却水は入っているか。空気圧はきっちり入っているか。期限を過ぎたタイヤを使用していないか。ワイヤー類の摩耗はないか。オイルは入っているか等々。
サーキットを走るということは、マシンを極限の状態に置くということであり、一般の通常走行で想定されている状況をはるかに超えてマシンを酷使するということです。なので、メンテの頻度も、通常整備とは比較にならない頻度で行わねばなりませんし、レースはもとより、練習前は、必ず、各所をチェックする必要があります。それは、サーキットを走る最低限のマナーです。自分自身だけでなく、マシントラブルは、他のライダーにも迷惑をかけますし、それによって、命を落とすライダーもいるということを肝に銘じるべきです。
そして、案外忘れられがちなことですが、走行前のメンタル、フィジカルチェックができているかということです。当たり前ですが、自分は走行前、必ず、ストレッチを十分するようにしています。それが600であっても、ミニバイクの練習であっても。可動部のストレッチや、簡単なジョギング、特に首や腰、膝のストレッチは念入りに。転倒した時、人の体は思いがけない方向に力がかかることが多く、準備運動はその怪我の軽減に大きな役割を果たします。それともう一つ。前日に十分な睡眠がとれているかということです。よく草レースの前日、飲酒をして、翌日レースにでたり、十分な睡眠をとらず出走している人を見かけますが、自分はそれは信じられません。どんな有能なアスリートでも、前日に飲酒したり、睡眠不足で、翌日ベストコンディションで臨めるという人はいないと思います。ましてや、訓練されていないライダーが、そんな状況でマシンを走行させてしまえば、とっさの動作が的確にできるはずがありません。自分だけのミスですめばいいですが、他人を巻き込むことも十分あり得るということを認識しなければなりません。
レースは楽しいものですし、かなり安全でもあります。でもそれは、サーキットを走る一人一人が、十分な安全走行の認識があって、行動できているということが基本です。
レースが単に危険なものと認識されないように、また、どのライダーも安全に走行ができるように、各ライダーが再認識する必要があると思いました。

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