※このショートショートは若端丈さんの
『プロジェクト・ダンデライオン』にのっかって、マルチエンディングショートショートの一つとして書きました。
人類は今、絶滅の危機に直面していた。
地球の地殻等を解析するスーパーコンピュータが、20年以内に大規模な地殻変動が発生する事を予告したのだ。
この地球に人類がいる限り、絶滅は免れようは無く、また、全人類を宇宙に移民させるには時間が足り無すぎた。
統合政府は最後の手段として、人類と言う種の保存の為、ある計画を立案した。
2組の若い男女を冷凍睡眠させ、そのカプセルを乗せた宇宙船を飛ばし、人類が生存可能な惑星にて新たな人類を育み、再び繁栄させる。
そう、それはまるで花の種子を風に乗せて飛ばすかのように。
その名は『Project Dandelion』
計画発案から15年。滅びの時が迫る地球から次々と宇宙船が飛び立っていった。
その数、およそ数十。滅び行く人類にとって、ほんの僅かな数ではあるが、人類最後の希望を乗せ、『種子』は見知らぬ星に向け、今旅立つ・・・。
男は目覚めた。『種子』は無事に惑星に到着したらしい。
女も目を覚ました。
二人は長いコールドスリープから目覚めて、ぼーっとしていた。
もう一組の男女はコールドスリープの不調か、目覚めることはなかった。
コンピュータは彼らに惑星上の解析結果を知らせた。
それは地球と似たような環境だった。
地球を出発してから数万年がたっていた。
二人は新しい地球上に降りたった。
緑と水のある素晴らしい自然が広がっていた。
「これから僕たちがアダムとイブになってこの惑星を繁栄させるんだ」男が力強く言うと、女は恥ずかしそうに笑ってうなずいた。
それからさらに数万年たった。
別の『種子』がその惑星に到着した。
コールドスリープから目覚めた二組の男女は、惑星に降りたってあ然とした。
そこには人間に似た、しかし奇形の生き物たちが闊歩していたのだ。
近親結婚が繰り返されたせいだった。