「ボーン・スプレマシー/ポール・グリーングラス;2004年アメリカ・ドイツ合作映画」
映画
物語は前作から二年後、あいかわらず謎の作戦「トレッドストーン計画」の幻影に苦しめられているボーン(マット・デイモン)のもとに謎の暗殺者が現れ、身代わりに恋人のマリー(フランカ・ボランテ)が殺されてしまうところから始まる。時を同じくして、CIA支部が襲われ、要員が殺害されてある書類が奪われる。その時使われた爆薬からボーンの指紋が検出され、CIAは彼を容疑者として追い始める。
基本的にはボーンがCIAや地元警察の追及をかわしつつ、ヨーロッパ各地を渡り歩いて事件の真相を探るという、前作と似た構成の話になっているが、守るべき存在を得て常に受け身に回らざるを得なかった前作に比べ、今回は物語の発端ですでに守るべきものを失っているだけに、ボーンの動きはより能動的で、容赦がない。前作では謎の明かし方にややムラがあり、ちょっとネタばらしが早すぎたのでは、と思われたが、今回のシナリオはその辺にも十分気を配られており(まあ、敵の狙いや正体がかなり早くバレちゃうのは同じだが^^;)敵側の動きもボーンの行動にも納得しづらい部分は少ない。アクション映画において、全体の構図がわかりやすいということはやはり重要である。
全体的に見ると、非常に激しいアクションの連続する映画(モスクワ市外のカーチェイスシーンなんて、おそらくアクション映画史上最高のリアルさではないだろうか)なのだが、ボーンというキャラクターのクールさもあって(動きにいちいち無駄がなく、銃撃戦シーンにしても必要最小限に抑えられていて、リアルな雰囲気を醸し出していた)知的かつ静かな印象を残す。ハリウッド映画らしい虚仮威しの派手さもなく(CGの使用もなかったわけではないのだろうが、まったく目立たなかった)舞台のほとんどがヨーロッパなこともあって、あまりアメリカ映画らしい匂いのしない作品になっていた。
以下ネタバレあり、まだ観てない人は読まないように
事件がすべて片づいたあと、自分を追っていたバメラ捜査官(ジョーン・アレン)から自らの本名を知らされたボーンは、静かにニューヨークの雑踏へと姿を消すのだが、これはもちろん第三部・完結編となる「ボーン・アルティメイタム」への引きだろう。物語の発端と完結編とを繋ぐ「第二部」は、往々にして箸にも棒にもかからない作品になりがちだが、本編は「スターウォーズ 帝国の逆襲」と並んで教科書的に完成された、お手本のような第二部と言っていいだろう。・・・
★★★★

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