「ポセイドン・アドベンチャー2/アーウィン・アレン;1979年アメリカ映画」
映画
前回はプロの監督に任せていた演出を、今回はプロデューサーであるアーウィン・アレン本人がつとめているのはなぜか、本編を観ると何となくその理由がわかるような気がする。この設定、このシナリオでは、さすがに引き受けたがる一流監督はそういないと思われるからだ。
前回、あれほどの危機をようやく脱した人たちのあとに、まだこんなにも生存者がいたこと自体かなりいい加減だが、わざわざ沈みかけている船に宝探し(というよりは火事場泥棒か^^;)に潜り込むという設定自体、あまりに危険すぎてとても正気とは思えない。沈没船を探検するのとはわけが違うのだ。それも、最初から準備していたわけではなく、偶然通りかかった連中が行き当たりばったりに入っていってしまうのだから、呆れて口が塞がらない。それに比べれば、ステボ(テリー・サバラス)ら悪役一味の方が、少なくとも動機がはっきりしている分、行動に不自然さは少ない。
しょうもないシナリオを何とかごまかそうと思って大プロデューサーの威光を発揮したのか、キャスティングは主演のマイケル・ケインを始めとしてなかなか豪華だが、そこで予算を使い果たしたのか、セットは前作に比べて明らかにしょぼく、全体にせこせこした感じでとても巨大なポセイドン号の中、といった感じはしなかった(いくらなんでも通路とか狭すぎないか?)また、前作では強調されていた、すべての調度がさかさまである、という舞台設定もほとんど気付かない程度だった。
肝心の脱出行もあまりカタルシスを感じるような展開ではなく、沈み行く船、というサスペンスと、悪役一味に追われている、というサスペンスとが、相乗効果を上げるどころか相殺しあってしまっていた。あげくにあのケリの付け方では、あまりにドラマツルギーを無視しすぎである。主人公が生き残りさえすればどんな終り方でも許される、というわけではないことくらい、アレンほどの大プロデューサーなら知り抜いているはずなのだが。
この当時のパート2映画はほとんど駄作揃いだが、なかでも本編は「
キングコング2」とならんでワーストに近い出来と断定しても、あまり異論のある方はいないのでは、と、かなりの自信をもって思うのである・・・
★

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