昨年4月29日の記事では、SLを管理(静態保存)している側の意識の低さの問題を取り上げさせていただきましたが、今日は、動態保存されているSLを利用・見学・撮影する側の意識の低さの問題を取り上げさせていただきます。
下の写真は、今から7〜8年前に、北海道増毛町の増毛駅(JR留萌本線の終着駅)構内で撮影したSL「すずらん」号です。
バイク仲間達と札幌から留萌方面に向けてツーリングしている最中、たまたま増毛駅近くを通った際に同駅に入線するSLを偶然見かけ、写真を撮ったのです。
それにしても、事前にSLの到着時刻を調べて増毛駅に行った訳ではなく、そもそもその日に留萌本線でSLが運行されていたことすら知らなかったので、このような場面に遭遇できたことは、かなり凄い偶然といえます。私にとっては“嬉しいハプニング”といった感じでした。
下の写真は、仲間達とそのSL(C11)の正面デッキに乗って撮影した写真で、今から見ると「こんな所に乗って写真撮っても良かったのか?」(しかもたまたま駅の前を通りかかったライダーに過ぎず、乗客でもないのに)という写真ですが、この時シャッターを押して下さったのはすずらん号の乗務員の方で、「シャッター押していただけますか」とお願いした所快く応じて下さったので、その時は別に問題はなかったのだろうと思っていました。
しかし、貴重な産業遺産でもあるSLの運行を今後も維持・存続させていくためには、ただSLの写真を撮って自己満足するだけでなく、やはりSLに乗車したりSLのグッズを買うなどしてお金を使うといった行為が必要になりますから、今後は機会があれば私もSL(正確に言うとSLが牽引する客車)に積極的に乗車しようと思っています。
ところで、今後は、こういったSLの写真を撮る事は段々と難しくなっていくかもしれません。
運行中のSLの写真を撮る事に何らかの規制がかけられたり、それ以前に、現在各地で運行されているSLの運行が中止になるかもしれないからです。
そして、もうそうなったとしたら、それは私達SLの利用者や撮影者にもその一因があったと考えるべきです。
というのも、つい最近、JR東日本の仙台支社と新潟支社から以下のような発表がなされたからです。以下は両支社のHPからの転載です。
『
「鉄道ファン」の皆さまへお願い
最近、磐越西線沿線において、一部の方々による次のような事象が発生し、沿線の皆さま及び関係機関に多大なご迷惑をおかけしており、多くのご意見・苦情・お叱りをいただいております。
◇ 民家及び鉄道敷地内への立ち入り及び無断駐車
◇ スピードの出しすぎ等による危険な自動車運転
◇ 路上駐車による通行支障
◇ ゴミの投げ捨て
◇ タバコの火の不始末
このような行為は沿線住民の方々にご迷惑をおかけすることは勿論のこと、ご自身も重大な事故に巻き込まれる恐れがあります。
今後も上記のような事象が発生しますと、SLの運転中止を検討しなければならない事態になりかねません。
皆さまには節度ある行動とマナーをお守りいただき、他の皆さまへご迷惑とならないよう、また事故等をおこさないよう、十分に注意していただきますようお願いいたします。』
鉄道事業者が「SLの運転中止を検討しなければならない」ほど、マナーを守っていない人やモラルの低い人がいるということは、残念でなりません。というか、いい歳した大人が情けない話です!
実は以前から、磐越西線に限らずSLの運行が行われている各地で、SLの写真を撮る人達のマナーの悪さがとりざたされており、ゴミ・タバコの不始末、交通違反、沿線の住居や鉄道敷地内への無断立ち入りなどが後を絶たず、沿線からJRや関係省庁へ苦情が多く寄せられているのです。
線路(踏み切りではない所)を渡ったり、線路内に寝そべって撮影を試みたり、写真を撮影している人の中には他の撮影者に対して「邪魔だからどいて!写真に入っちゃう」と怒鳴る人がいたり、車を運転しながら並走するSLを撮影する人がいたり、SLに近付き過ぎて警笛を鳴らされてもそれをパフォーマンスと勘違いして大喜びする人がいたりと、最近はかなり傍若無人な撮影者が目立つようです。
SLの運転日には、沿線の道路には通行の妨げになる程路上駐車が多発し、そのためパトカーがやってきて違法駐車車両の排除に乗り出すこともあり、また、今の所はいずれもボヤで済んでいるものの撮影者の火の不始末が原因と思われる山火事も既に何件か発生しています。
マナーの悪い一部の人達のせいで、もし沿線からSLの運転中止要請が出たとしたら、それはSLや鉄道を愛する人達にとっては、“残念”というよりも“屈辱”です。
そうなる前に、まずは私達も自分自身に思い当たることがないか振り返り、あったらそれを反省し、今後は乗るにしても撮るにしても今まで以上に常に周囲のことを気に留めながら理性ある行動をしていかなければなりません。
そうしなければ、周囲の人達に多大な迷惑をかける事になり、場合によっては自分自身も重大な事故に遭う事になりかねないからです。
SLを運行する鉄道事業者や沿線住民との軋轢は、SLの運行や鉄道趣味の健全な発展にとっては大きな阻害になるということを、SLの利用者・見学者・撮影者達はもっと自覚する必要があるでしょう。
ちなみに、最もマナーが悪く、他の撮影者や沿線住民とトラブルを起こすのは、実は50〜60代の男女(鉄道ファンではない一般の観光客も多数含む)と云われています。まったく!
大多数の鉄道ファンはきちんとマナーを守っているので、彼らの傍若無人な振る舞いが全て“鉄道ファンの所業”としてマスコミで喧伝される傾向にあるのは残念なことですが、しかし、一部とはいえ鉄道ファンの中にもモラルの低い人がいるのは確かなので、私達は他の人達の手本となるような、理性ある大人らしい行動をして、SLの維持・存続に尽力していきましょう!

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