名古屋鉄道は、言うまでもなく関西圏の鉄道ではなく中京圏の鉄道ですが、
4月30日の記事でも書かせていただいたように、その名鉄の7000系(パノラマカー)は、近鉄21000系(アーバンライナー)と共に私にとっては個人的に最近とても気になる車両なので、今日はあえて、中京圏の電車である名鉄7000系を紹介させていただきます。
ちなみに下の写真2枚は、いずれも今年の2月、
伊勢・名古屋方面を旅行した際に名鉄名古屋駅と中部国際空港駅で撮った写真です。
名鉄7000系は、その後継形式でありながら7000系よりも先に既に全車が廃車となってしまった7500系と共に、「パノラマカー」の愛称で広く知られる、名鉄を代表・象徴する真紅(スカーレット)の電車です。
7000系は、昭和36年に日本初の前面展望式電車として日本車輌製造で製造され、同年6月1日に豊橋駅の3番線で盛大に発車式を挙行して名古屋本線の特急に投入され、超デラックス大衆車として中京圏は勿論、全国的にも大きな話題となりました。
そして、翌37年には鉄道友の会からブルーリボン賞を受賞し、以後7000系は、名鉄の「華」として名鉄各線で実に多彩な運用をされてきましたが、現在ではデビューから既に45年以上が経過しており、さすがに老朽化が著しく、特急としての運用からも外されて順次廃車が進んでいます。
そして来年(平成21年)中には、名鉄の一時代を築いた7000系は全車が廃車される予定です。
なお、廃車の順序は車齢順ではなく検査期限切れ順であるため、特別整備が未施工の後期車の方が廃車が早い傾向にあるようで、そのため7000系ラストナンバーの7047編成は既に廃車となっていますが、7000系トップナンバーの7001編成(デビュー当時の姿とは大きく異なり、自動解結装置や電動巻取り式方向幕などが設置されています)は今もまだ現役として活躍しています。
7000系は、元々乗客にインパクトを与える車両として開発されましたが、現在見ても、十分にインパクトのある奇抜なデザインの電車で、名鉄は7000系をデビューさせて以降、多くの電車をデビューさせてきましたが、(これはあくまでも私の主観ですが)未だに7000系を上回る程のインパクトの強い電車はまだ生み出せていません。
ところで、7000系の斬新さといえば、そのデザイン(先頭車の形状)ばかりが注目されますが、しかし、昭和30年代にデビューしたこのような古い形式の電車が今でもまだ現役として活躍している事実からも、7000系はデザインだけではなく、その性能も極めて斬新といえるほど高性能だったことが窺えます。
また、7000系といえば先頭車の前面に設けられた強力な「油圧式ダンパ」も有名です。
7000系は運転台が2階に設けられ1階の先頭部分が展望席となっているため、万一踏切で車と衝突した場合に展望席の乗客を守るための特別な対策が必要とされました。小型車との衝突ならまず車の方が大破しますが、ダンプカーなどの大型車と衝突した場合には電車の方も破損は免れず(昭和34年に名鉄電車が踏切でダンプカーと衝突した際には電車の運転手が殉職しています)、しかも当時は今よりも踏切事故が多かったことから、7000系には、前面標識灯の横に車との衝突を意識して特に強力な油圧式ダンパが設置されました。
そして、7000系がデビューした年の昭和36年、7000系は木曽川堤駅の踏切で、砂利を積載したダンプカーと実際に衝突する事故を起こしたのですが(正確にはダンプの側に“起こされた”と言うべきですが)、その事故の時には油圧式ダンパが有効に作動して(乗客に軽傷者は出たものの)ダンプカーを40mも弾き飛ばしました。
以後、7000系には「パノラマカー」という愛称の他に、「ダンプキラー」という勇ましい俗称も付けられました。
なお、7000系2階の運転室は一応車内からも出入りできる構造にはなっていますが、下の写真(中部国際空港駅で撮影)からも分かるように、原則として運転手は車外の梯子を使って運転室に出入りします。
