螺旋怪談〜神無民俗研究所〜
怪談、奇談、妖怪好きの神無氷雨が凡庸な日常からそれらしい事を綴っております。
拙いものではございますがどうぞお付き合い下さい。
また皆様の身近にそれらしいお話がございましたら、どうぞ御寄せください。
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2007/12/22
「第三夜 黒鬼髪と白鬼髪」
徒然夜話
一ヶ月以上ぶりの更新ですね^^;
久しぶりにアニメゲゲゲの鬼太郎を今朝観てたんですが、
今週は「黒鬼髪」と「白鬼髪」という妖怪でした。
さて、
これらの妖怪聞いたことがないので本やネットでも調べてみたんですが
どこにも載ってないんです。
となるとアニメ用のオリジナルの可能性が高いかと。
ただ、冒頭の部分が夜道で長く美しい女性の髪が切り落とされる
と言う件が「黒髪切」を連想させました。
話の中で昔貧しさの余り女の命とまで言われる髪の毛を
売らなければならなくなりその憎しみが「黒鬼髪」となり
また悲しみが「白鬼髪」となったと説明されてました。
昔は人の髪で鬘を作っていたようですね。
芥川龍之介著の羅生門でも老婆が死人の髪を抜いて鬘を作る。
と言うような話がある程です。
今の時代ではおよそ考えられない事が当時では商売となっていたんですね。
髪も売れるのであれば食扶持を稼ぐためには致し方ない。
しかしその髪を切ることがどれほど辛い選択であったか。
そこから髪にまつわる妖怪が生まれたのかもしれません。
「黒髪切」が何故髪を切るのか定かとはなっておりませんが、
もしかしたら「黒鬼髪」の様に怨念故かもしれません。
余談ではありますが、
女性の髪は美しいと私も思います。
願わくばその黒く美しい髪を大事にして頂きたいと思う次第です。
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投稿者: 神無氷雨
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2007/11/15
「第二夜 紙舞」
徒然夜話
天保の頃
ある強欲な金貸しが、証文の束を見ながら算盤を弾いていると、
証文が一枚一枚空中に飛び去って行ったという。
私の場合、証文ではありませんが請求書が消えました。
客先に請求書をもって行こうと確かに鞄に入れたはずが、
あら不思議、影も形もなくなってしまいました。
方々探しましたが結局見つからず。
今でも尚、狐に抓まれたような気分です。
風もないのに、紙がひとりでに舞飛ぶのは
「紙舞」という姿無き妖怪の仕業とされています。
しかし、これは神無月(10月)だけと言われてるそうです。
今はもう霜月(11月)なんですがね。
まぁ、紙(請求書)が空を飛んでったわけではないんですが、
ここまでくるともう妖怪か妖精の仕業としか思えんわけですよ。
「紙舞」に憑かれた家は仕舞には紙以外のものまで飛んで行くそうなので
また何か物が無くなるかもしれませんね。
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投稿者: 神無氷雨
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2007/11/10
「第一夜 塩の長司」
徒然夜話
最近は肉より魚の方が俄然好きなんですが、生肉は別です。
牛刺しは言うに及ばず、ユッケやたたき、生ハムなんかも大好物です。
特に馬刺しは美味しいですね。
随分と以前になりますが、
九州の知人から本場・熊本の馬刺しを頂いたことがありました。
これがまた美味しいこと。
当然の事ながらその後は中々手に入ることもなく、
また食べたいなぁなどと思っておりました。
近所のスーパーなどにも売っておりますが、
これが結構、当たり外れがあるもんです。
以前買った冷凍のモノなんかはとても食べれたものではありませんでした。
しかし、先日スーパーで購入したものは中々の味でしたよ。
夕飯のおかずとして美味しく頂きました。
ところがその後に腹痛を起こしましてですね・・・
勿論、馬刺しが古かったとか品質に問題があったとか、
そんな事では一切ないのですが。
ふと「塩の長司」の話を思い出しました。
昔々、加賀の国の塩の浦には「塩の長司」と呼ばれる長者がいました。
この長者、家にはなんと300頭もの馬を持っていたそうです。
ただ困ったことにこの長者は非常に悪食だったそうで、
飼っている馬が死んではその肉を味噌や塩に漬けて喰っていたそうです。
その味が癖になったのか、
やがては役に立たなくなった老馬を殺しては喰うようになったそうです。
すると、それからというもの夜な夜な殺した老馬が長者の口から入っては
散々苦しめて出て行くのだそうです。
そんな事が毎夜続き、医療も加持祈祷も全く効を奏さず、
ついには馬が重い荷を負うような真似をして死んでしまったそうです。
現実的に考えるとおそらくは馬肉の寄生虫に感染したのではないかと考えます。
かの北大路魯山人の死因も一説には好物のタニシから肝臓ジストマに
感染したことによる肝硬変だとも言われています。
今のような調理技術も保存方法も充分でなかった時代。
また、江戸時代は今のように獣肉を好んで食べなかった時代に
斯様な獣肉を食うこと、悪食を戒めた話なのでしょうか。
また、この時代馬というものが物流やその他の生活面においても、
決して欠かすことの出来ない重要なものだったのでしょう。
それを粗末に扱うことへの戒めでもあったのかもしれません。
もっとも、
今となっては馬刺しを食うことを悪食とは言わないでしょうが。
それでも動物は大切に、食べるのも有難くと言うことですか。
疲れからか冷えからなのかここ最近はお腹の調子が良くないです。
偶に奮発して馬刺しを食べるとお腹がびっくりしたんですかね?
そんな状態がなんとなく「塩の長司」とだぶって見えてしまいました。
しかし、
馬刺しは高いですね。
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投稿者: 神無氷雨
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2007/11/9
「参考文献」
文献
『図説 日本妖怪大全』 水木しげる(講談社)
『百鬼解読』 多田 克己(講談社)
『鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集』 鳥山 石燕(角川書店)
『桃山人夜話〜絵本百物語〜』 竹原 春泉(角川書店)
『恐怖の怨霊絵巻』 山口敏太郎(河出書房新社)
どれも素晴らしい本で、面白いし勉強になります。
ご機会がございましたら是非、ご一読下さい。
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投稿者: 神無氷雨
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