VSOPをペーリー・スペシャル・ワン・パターンの略だと言った人がいる。
スペシャルとまでいかなくとも、通勤している人なら誰しも同じパターンの朝を持っているだろう。
いつも見かける風景、見かける人、自分の行動
ボクの場合、朝7時に車


で1時間かけての通勤に出る。
和歌山の自宅を出てすぐ、近所の奥さんの犬の散歩に出会う。奥さんと黒い小さな犬たちに車中から会釈して小学校前の道に。
そこから峠越えをして大阪に出るのだが、登り始めのあたりでご老人達の集団に出会う。いつも10人ぐらいで峠を下りてきているのでかなり早起きで峠のてっぺんまで歩いているのだと思う。ボクが少し早いと沿道に並んでラジオ体操をしている。
その後、山頂付近の大きなため池を通る。冬は水がなかったがこの前の大雨で水位が相当上がった。
その池を過ぎるとホラ貝の練習をしているおじさん二人組に会う。峠の朝にホラ貝の音は神聖に響きそうだ。
そして峠を抜けたところでは通学のマイクロバス

だ。このバスには小学生の男の子

がひとりしか乗っていない。
深日に降りると多奈川線沿いに走って国道に出る。途中、ある政治家にそっくりなおじさんとすれ違う。デイパックとスニーカーでスタスタ歩いているのだが、なぜこの人がこんなところを歩いているのかと最初は驚いたほどだ。
そして昼弁を買うためにいつものローソンに寄って、店員のおばさんと挨拶程度の雑談などをして職場に向かう。
最近このパターンに珍入者があった。
亀坊だ。写真の亀だが、山頂付近のため池から突き出た棒に昇ってボクを見送ってくれる。棒に昇った亀なのでカメボウとした。
ボクを見送っているのかと思って降りたら、首を突き出して天を仰いでいる。その頭上を小鳥がチッチと飛びかすめた。ガメラみたいに飛びたいとでも思っているのか、それともヒバリに片思いでもしたのか。
はっは、むりだぜ君には、どうしてもかなわない事ってのは誰にでもあるんだ。と思ったが、急に自分にも妙な同情心がわいてきた
そのカメボウが今朝はいなかった。所定の時間にパターンが無いと変に気になるものである。ボクは車を止めて池の畔に立った。カメボウ! と二回ほど声をかけた。
そしたら・・・・・・・・全然反応がなかった

やはり、あきらめたのか。
亀は万年生きるという。そんなに生きられるのならのんびりしててもいつか夢は叶うよカメボウ。
とボクはうらやましく思い車に戻った
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