数日後、その若者が寮のご飯になにやら醤油みたいなのをかけている。訊いたら、ウナギのタレだという。ダイエーのウナギを売っているところに、蒲焼きのタレがタダで置いてあったのでそれをもらってきたとのことだ。
先にウナギを食べてしまった鰻丼と考えれば鰻丼になると持論を展開。なるほど一理ある。こいつタダの大飯喰らい(おおめしぐらい)ではないなと思っている間に、若者はぺろりとそれを平らげた。
「どうだった?」

と訊くと、首をかしげ「なんか、いまいちでした」

とお口直しのドンブリ飯をまたせわしくかきこんでいた。
やっぱりタダの大飯喰らい(おおめしぐらい)だった
寮の飯は夜中の12時を過ぎると、残っているおかずを誰が食べてもよいという不文律があった。
突然の来客などで、街に飲みに出ておかずを残しておくと、まかないのおばちゃんの機嫌が悪くなる。だから、食べられる者に食べさせようという趣旨だ。
ある日、突然の来客があり、その若者だけを残して寮生全員が夜の街へと出ることがあった。タクシーで寮に帰り着いたのが夜半過ぎ、今からでも食べとかなぁおばちゃんの機嫌損ねるぜ、と皆でおかずの棚を開けたら全くない。大きなジャワーを開けたら飯もスッカラカンだ



まさか・・・

と、そこへ我々の騒ぎをきいてか若者が部屋から出てきた。
「あの〜12時まわってたんで、よかったですよね」と申し訳なさそうに言う。
七人分のおかずと飯を平らげてケロッとしている。全員酔いがすっ飛んだ





。
あのぉおたく怪獣ですかと訊いたら、グェ〜とまた豪快なゲップが返ってきた。
やっぱり怪獣だったか

。
その若者が寮にいる間、おかずが残っておばちゃんの機嫌の悪くなることは一度もなかった。
もし、その頃ギャル曽根がいて大食い対決をさせたら、あっさり勝って、ついでにギャル曽根まで喰ってしまうほど勢いのある若者だった
ランキング参加中。「鮎ボタン」ポチッと押して一票くださいませ〜
。


高知と和歌山を舞台にした鮎釣り小説「安田川」も読んでくださいまし〜
小説「安田川」
「大阪HFG」もヨロシクお願いいたしま〜す
http://www.o-hfg.com
