食虫植物を栽培していますと人に言うと、必ず虫をあげたりするのですかと数え切れないほど訊かれたような気がします。が、私自身は虫はかなり苦手な方で、できれば触るのも勘弁して欲しいくらいです。カブトムシも、成虫ならなんとか、でも幼虫は怖くて触れません。

昔からそうかと言えばそんなことはなく、小学生の頃はどのクラスにもいる昆虫博士のひとりで、虫にはかなり詳しかったのです。が、小学校5年生の頃、手で持っているカマリキからハリガネムシが出てきたのがトラウマになって、それ以来、虫を触れなくなってしまったのです。
というトラウマをもっているので、食虫植物についた虫を防除するのはちょっと勇気がいるのです。以前はサラセニアの平べったい若葉についたアブラムシも先のとがったピンセットでつまんでつぶしていましたが、ポロポロ落ちて次の日にはまた復帰されていたりして、よく新芽をやられて泣き寝入りをしていました。今では前に書いたようにめだかの甕が救ってくれています。
でも、数が増えてくると、いちいち鉢を持っていってポロポロ落とすわけにもいかないし、鉢を持ち上げた時に落ちてしまい余計に拡げてしまうリスクもあります。そんな時に読んだのがハーブ栽培家の書いた本でした。ハーブも食べるために栽培しているので、農薬は使えません。その女性がしているのは原始的な方法で、指でつぶす、ということでした。指でつぶしていると指が緑色に染まってくるそうですが、それが自分の植物を守っている証になるというようなことが書かれていました。
そこで私も意を決して、指でつぶすという防除方法を取るようになりました。平べったいサラセニアの新芽は両側からつぶすにはうってつけの形をしています。葉を親指と人差し指で軽くはさみ、下から上に向けて半ばつぶしながら、半ば指の間に削ぎ取るように、指の圧力を調整しながら取り除いていきます。指の間についたものはそのままめだかの甕に振り落とします。
指はアブラムシの色に染まりますが、これがまさにグリーン・サム(栽培上手な人の手のこと)なのかと納得しています。ハーブ栽培家の方が書いていたようにアブラムシをプチプチとつぶすのがおもしろいという域には達しませんが、何とかこのくらいは植物のためにできるようになりました。
この方法を採用してから、サラセニアの出来が見違えるようによくできるようになりました。指の感覚を鍛えることで植物を傷めずにアブラムシを防除でき、植物と触れ合う方法がひとつ広がったように感じています。

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