「スルース」
恐ろしい言葉の応酬
著名な初老の推理作家と、
妻の愛人の若手俳優が対決。
こんな俗っぽい話なのに、深層心理にまで踏み込み、スリリングなゲームに仕立てた二人芝居だ。
三十六年前の秀作のリメークだが、英演劇界の重鎮ハロルド・ピンターが現代風に脚本をアレンジし、得もいわれぬ独特な余韻を残す。
前作で愛人に扮したマイケル・ケインが、ここでは尊大で屈折した作家をグロテスクに演じ、売れっ子のジュード・ロウが狡猾な青年役だ。
☆ ケインの貫禄十分な
演技に見惚れてしまう ☆
ロンドン郊外、作家の
ハイテク・ハウスを舞台に、
嫉妬、憎悪、プライドなど
をはらませ、二人が虚虚実実
の駆け引きを展開する。
形勢が一点二転する様を、ケネス・ブラナー監督が一見クールに演出し、混沌とした世界へと引きずり込む。
互いに相手を挑発
するため、人間性をも
否定する言葉の暴力の
応酬がそら恐ろしい。
想定外ともいえる終幕をどう受け止めるか、底が見るものの評価を決定しそう。僕は良しとした。
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