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「時が熱狂と偏見をやわらげた暁には、また、理性が虚偽からその仮面を剥ぎ取った暁には、そのときこそ正義の女神はそのはかりの均衡を保ちながら、過去の賞罰の多くに、そのところを変えることを要求するであろう」 ラダー・ビノド・パール判事の判決文より。 ランキング支援クリック受付中 ![]() |
日中韓感情が阻む 【06・自民党総裁選 点描次への課題】 批判や中傷ネットを走る 8日、インターネット掲示板「2ちゃんねる」を見ると、中国に対する「弱腰外交」を批判する書き込みであふれていた。 「日本の完敗だな。やられっぱなしだな」「日本なにやってる?早くしないとみな掘り尽くされちゃうよ」「もう戦争はじめてくれ。マジで」 東シナ海のガス田開発問題をめぐる日中協議。中国側が新たに示した共同開発案に、日中双方が領有権を唱える尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺の海域が含まれていると報じられたためだ。 批判の矛先は個人にも容赦なく向かう。中国との議員外交を続ける自民党のベテラン議員のホームページ。テレビ番組で小泉首相の靖国参拝に触れると、途端にメールが殺到する。「総理の靖国参拝は続けていただき、中国に毅然たる態度で臨むことこそ日本の国益にかなう」「靖国は国内問題であって外国が干渉すべきではない。中国にへりくだらないように」 昨年6月の訪中をきっかけに、2月末までに届いたメールは計107通。その多くが匿名だ。ネットを通じた「中傷」は、鳥取県境港市も届いていた。市は北朝鮮産ベニズワイガニの水揚げ港として知られてる。 昨年10月、市観光協会が管理するホームページの掲示板に数週間で50件の書き込みがあった。北朝鮮との交易について「北朝鮮に資金提供している」「北朝鮮船が入港しているので拉致されるかもしれない」といった言葉が並んでいた。 協会は10月中に掲示板を閉鎖。直後に書き込みがあった境港市商工会議所の掲示板も閉じた。市は北朝鮮の元山(ウォンサン)市と92年から友好都市提携を結び、訪朝団も派遣したきたが、今は途絶えている。02年9月の日朝首脳会議がきっかけだ。 市の幹部はこう語った。「地元経済を考えると一切の取引をやめるわけにはいかない。とはいえ北朝鮮との交流を再開すれば世論にたたかれる」 ナショナリズムの管理を 「狭いナショナリズムの防止について日中双方が努力することで合意した。大きな成果だ」。8日の記者会見で自民党の中川秀直政調会長は、2月下旬に開かれた日中与党交流会議の意義を強調した。中川氏が説くのは、「ナショナリズムの管理」だ。 「自己主張」をぶつけ合うだけでは、アジア外交の扉は開けない。行き過ぎたナショナリズムを抑えるのも政治の役割のはずだ。 今月4日、水戸市で中曽根康弘元首相の講演を聴いた。 「いま世界を覆うのは、各国のナショナリズムだ。中国は反日ナショナリズムで国を統一している。日本だって靖国神社を中心にナショナリズムで固まりつつ、強い力がある」。かつて靖国神社を公式参拝し、憲法改正論の先陣を張る中曽根氏さえ、ナショナリズムの高まりを危惧する。 中曽根氏は語る。 「世界の指導者がナショナリズムを抑制する方向で話し会う。そういう英知を持たないといけない時代になった」 きしむ感情の歯車を回す「ポスト小泉」の英知が試される。 (坂尻顕吾) 朝日新聞3月8日朝刊 4面より |


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