梅雨明けを思わすような酷暑の中、山田グランドにて吹田市連盟杯の1回戦が行われた。
対戦相手の桃山台ドルフィンズさんが着用のシダックスを彷彿させる赤いユニフォームを見た先発の#3は、
「あんな赤いユニフォーム着ているところで、弱いチーム無いわ。」
「背番号の上に名前が印字されてるやん。強いチームの証拠やで。」
と、極度の
びびり発言を繰り返していた。
その異常なびびりが通じたのか、#3の希望通りボヤ軍先攻で試合が始まった。しかし期待された1〜3番があっさりと打ち取られてしまい先制点は取れなかったのである。
気を入れなおして先発サークルに立ち投球練習を終えた#3にボヤ内野陣は「先週B級を押さえたんやから大丈夫やって!」と声を掛け元気付けた矢先、桃山台ドルフィンズさんの主将から抗議があった
「軸足が浮いているぞ!!」事前に#16や#10から「たぶん審判から投球に関して何か言われるで」と忠告されていたが、いきなり相手チームの主将から言われてしまった…そう、#3は投球動作時に右足が宙に浮く
致命的な癖(いわゆるダブルステップ)を持っていたのである。
突貫で修正しぎこちないフォームで投げざる得ない#3は初回に1点を失った上、ベンチに戻る際に審判から「まだ浮いてるよ…次の回から違反投球を取るからね。」と最後通告をされてしまったのであった。
指摘のあったフォーム
(この写真ではクリアしている)
びびりが最高潮に達した#3を見かねた#10は「次の回から俺が投げるわ。」とリリーフのサークルに上がったのであった。投球練習もロクに出来ないまま投じるボールに相手打線は襲いかかった。ボヤ軍内野陣のエラーも絡み一挙に7失点を喫し2回が終了した時点で8−0と試合を決められてしまったと誰もが思っていた。
「繋いでいこう。」「せや、俺達10点打線やん。」とボヤナインが自嘲気味にベンチで話していたが、
目はまだ死んでいなかった。この回先頭の#16が意地のヒットで出塁すると、#2も続いた。
その後最近不振の#7が送り、チャンスを広げると、#10の走者一掃の3点本塁打が飛び出したのであった。一度火がついたボヤ打線は誰にも止められない。この回2回目の打席が回ってきた#16の
達川のような押出しデットボールで同点に追いつき、#2のタイムリーで遂に逆転に成功したのである。
ジャンピング・デットボール!?
その裏、体力を容赦なく蝕む猛暑の中力投を続ける#10を#3がファインプレーで救い、完全に流れはボヤ軍のものになった。突き放したい4回表、1死2、3塁という願ってもないチャンスで#11に打順が回ってきた。先週より禁煙のため
ニコチン禁断症状に悩む#11は打席に入る前から溜め息をついていた。ベンチの誰もが「こらアカンな。」と思った直後、予想通り(?)の三振でベンチに戻ってきたのであった。
ボヤ軍ナインが追加点を諦め掛けたその時、ボヤッキーズの
宗祖#4がやってくれたのである。ボールに逆らわず流し打った打球はサード強襲のタイムリーヒットになったのである。
続く#8も気落ちした投手の初球を叩きレフト前へダメ押しとも言える2点タイムリーを放ち4点リードで最後の守備についたのであった。
宗祖
「4点あるし楽に行こう!」と自らに言い聞かすように声を出していた#10が遂に力尽きた。連打を浴び2点を失い尚も1死満塁というピンチを作ってしまい、#16へスイッチしたのであった。
一打同点、長打が出れば逆転サヨナラという大ピンチでサークルに立ったエースは初球を緩いボールでカウントを取りにいった。そのボールを見た相手ベンチから「1球あれば大丈夫。良く見ていけ!」と言う指示が飛んだ。
2球目、3球目も同じく緩いボールでカウントを2−1と整え、投じた4球目…「ズバーン!」と#3のミット音がグランドに鳴り響いた。相手打者を嘲笑うかのような
姑息なまでの投球術で見逃しの三振に仕留めた瞬間であった。混乱させられた続く打者はポイントを絞り込めず初球を簡単に打ち上げサード#10のグラブに収まったのであった。
吹田市連盟杯初出場、初勝利という偉業を成し遂げたボヤ軍はA級の実力をもつチームと2回戦で対戦することになった。試合を諦めない気持ちがあり続ける限りボヤ軍旋風は吹き荒れるだろう。
【トピックス】
試合後近くのファミレスで勝利の余韻を楽しむボヤナインの中に奇妙な会話があった。
「3回くらいに1塁側スタンドにボヤ軍の元メンバーだった奴いたよな」と切り出すと、「俺も見た。」「やっぱ、そうやんな!」と口々に言い出す反面、一部ナインからは「気付かんかったわ・・」「えっおったか?」と意見が分かれたのであった。
真相は闇の中であるがチームにとって不吉な前兆で無ければ良いのだが・・。

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