もう5か月失業中の長女(30歳)のことである。もう100社以上お応募しているが採用に至らない。そこで、知り合いの、ベンチャー支援をしている方にもお願いをした。10社ほどに声をかけていただき、ようやく1社の面接に至ったが、結局そこはアルバイトしか求めておらず、採用には至らなかった。
そのやりとりの中、お願いしていた方から、もう1社にチャレンジしてはどうか、という提案があった。開発する技術には自信がない、と常日頃言っていたが、技術営業職として勉強することを前提に、自分から売り込んでは、というのである。ところが、娘は相変わらず、営業なんてできない・・・との答え。そこで私の方が切れてしまった。
娘のような普通の人間が「自分にもできそうだ」と思う仕事は、大半の人がそう思うはずである。だから、そう言う仕事には1人の求人に数百人が応募する。もうレッドオーシャンの世界である。宝くじに当たるくらいの気持ちでないと採用には至らない。こんなことを繰り返していたら、経済が回復するであろう1年先まで仕事など見つからない。それでいながら、ゴミ捨てはいや、電球の取り換えなんてつまんない、などと言っていたら、「要するに、生活に困っていないお嬢さんが、自分にもできるきれいなお仕事でお友達に話しても恥ずかしくないものを求めているだけなんだ」と思われてもしかたがない。何で、自分にはできそうもないが、何とかチャレンジしてみよう、という気持ちにならないのか。その世界は、もしかしたらブルーオーシャンかもしれないのに。
疲れた体で帰宅し、娘にそれを伝えた。家事など殆どしてくれない娘。おかしいではないか。あまり強く言って自殺でもされては大変、と思ったのは事実だが、何で、朝5時半に出勤して夜9時頃帰宅する還暦過ぎた母親に週末のアイロンかけまでさせるのか。なぜ、自分はノンビリとアニメなど観ているのか。しかも、仕事を選んでいる。
そんなことをまくしたてたら、部屋に籠った。わかってくれたらよいのだが。私がどんなに苦労して子供二人を抱えて働き続けてきたのか。それを語ると、「お母さんは有名大学出身だから」の一言で片付けられる。30年前の子供を抱えての就職活動に学歴なんて全く関係なかった。しかも、夫が裏から手を回してぶっつぶしにかかるし、両親は子育てを優先しろと全く理解を示さなかったし。そんなことは全く知らずに、老いた母親の脛をかじる30娘の気持ちが分からない。

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