2010/12/22

辺見庸  知識人の責任

辺見庸氏の2010.12.19発言又は共同通信配信?

「***他方、千葉さんはさんざ死刑廃止をいいながら翻然として執行命令書に署名し、おそらくなんにちも前から姿見と相談してその日のための服とアクセサリーをえらび、絞首刑に立ち会った。***」

上記は、有田さんの下記サイトから。
2010.12.19での発言内容なのかな、共同通信がいつか配信したのかな。
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/12/post_7921.html

(と思ったら、下記の辺見さんの公式サイトにもある文章ですね。)
http://yo-hemmi.net/
2010年11月18日ブログの参考資料(「水の透視画法」連載第60回)
鏡のなかのすさみーー千葉景子さんと絞首刑
*******

それにしても酷いものだ。
あて推量でよくもまあ書いたり、言ったりできるものだ。
千葉さんへの侮辱という外はないではないか。

辺見さんの文章って、昔何回か読んだが、
当初は深みを感じたけれど、
なんとも観念的で、つまりは上目線だなぁ、と感じた。
もう読みもしない。

辺見さんは「死刑の理由」といった本などは読んでいるのだろうか。

上記は、千葉さんがした2つの死刑執行命令、その立ち会いについての評価の枠を超えている。論者の情緒的感覚を示している。

死刑存置のいかんは、
1−人間は時に残虐な事件を起こすのだという厳然たる認識
2−死刑執行人の苦悩
3−やはり付きまとう冤罪の危険性
4−国家というものの考え方

が、文字どおりの論点であり、死刑執行命令者やら、刑務官、裁判官、検察官らが、倫理的・人間的に優れているのかどうか、などなんら論点ではないのだから。

ことここに至って、辺見さんは馬脚をあらわした、というべきなのだろう。

それを評価しているような有田さんの考えも、率直、なんなんだあと思う。
9

2010/12/22

オウム現況と死刑廃止運動  カルト・宗教・犯罪

以下、備忘録までに。

オウム集団の状況について、公調から報告が出ました。下記です。
http://www.moj.go.jp/psia/psia_00073.html
−平成22年12月20日公安調査庁
−「内外情勢の回顧と展望(平成23年1月)」の公表について


それから、オウム集団のうちアレフが、下記の通り12.19の集まりに出る呼びかけをしたとのこと、1800人ぐらい集まったそうで、アレフのメンバーもそれなりにいたのでしょう。

なんとも。

******************

●「日比谷公会堂・死刑廃止の大集会」参加の呼びかけ
死刑廃止を推進する市民団体「フォーラム90」が、12月19日 日曜日 午後2時半より、東京の日比谷公園にある日比谷公会堂において、死刑の廃止を訴える大集会を開催する予定です。
http://www.jca.apc.org/stop-shikei/wordpress/wp-content/uploads/2010/10/101219_hibiya_v2.pdf

フォーラム90とは、尊師の国選弁護団で主任弁護人を務めていた安田好弘弁護士らが中心となって、20年前の1990年に発足した市民団体で、数ある日本の死刑廃止団体の中の、中心的な組織です。
フォーラム90の発足以来、節目となる年ごとに、この日比谷公会堂で死刑廃止の集会が開かれてきました。

今年は、死刑廃止派と言われた千葉法務大臣が、任期終了間際に2人の死刑を執行したり、東京拘置所内の、死刑を行なう刑場が公開されたり、市民が参加する裁判員裁判で死刑事件が審理されるなど、日本の死刑制度をめぐる重要な出来事が続いています。

しかし、その一方で、政府の調査では、国民の85.6%が死刑制度を容認するという世論の状況のもと、死刑についての関心が十分高まっているとはいえません。
そうした中で、フォーラム90より、Alephの人たちにも死刑の現状とその問題点を認識してもらいたいということで、今回、教団に対して、12月の大集会への参加の呼びかけがありました。

教団がこのような呼びかけを受けたのは、今回が初めてのことですが、もともと、日本の確定死刑囚約100名のうち、尊師をはじめとする教団関係者が10名を占めています。来年以降、現在最高裁に上告中の土谷(クシティガルバ)・遠藤(ジーヴァカ)・中川(ヴァジラティッサ)被告の3人についても、判決が確定していくと見られています。
これほどの人数が、一連の事件で死刑の宣告を受けるというのは、日本の裁判史上でも、明治時代に起きた、いわゆる「大逆事件」以外に例のないことです。

したがって、日本の死刑制度を議論する際に、オウム真理教事件とその死刑囚の問題を避けて通ることはできないというのが、フォーラム90関係者の認識です。

そこで教団では、すべてのサマナ・信徒に対して、12月の死刑廃止の大集会への参加を呼びかけることになりました。会場となる日比谷公会堂は、2074名を収容する大ホールです。過去の同様の集会では、参加者は千数百名だったということですが、今回は、会場を一杯に埋め尽くして、死刑廃止の声を広く届けたいというのが、主催者側の希望です。
関係者に多くの死刑囚が存在する教団としても、できるだけこれに協力し、死刑廃止に向けた輪を広げていきたいと考えています。

皆さんのご協力をよろしくお願いいたします。

******************
2

2010/12/21

オウム事件の被害−外部  カルト・宗教・犯罪

以下、転載です。毎日新聞様、どうぞご容赦を。

死亡(2000万円)−25件
要介護の障害(3000万円)−5件
重度の障害(2000万円)−1件
重傷病(100万円)−1184件

ああ、今も要介護の障害が5人おられるんだ、知らない人もいる数値になる。
なんと。
この数値は、内部被害者がこの制度上は対象とならないことから、入っていない。
内部で死なされた人たちは、十数人。

大変なこと。

*********
毎日新聞 12月20日(月)20時44分配信

 警察庁は20日、オウム真理教による地下鉄サリン事件(95年)の被害者の数が6286人になったことを明らかにした。17日に申請を締め切ったオウム真理教犯罪被害者救済法に基づく給付金申請を通じて把握した被害状況で、同事件を含めたオウム関連8事件の被害者は6583人とした。支給総額は約30億円になる見通し。

 同法施行時の08年12月時点で警察庁が把握していた地下鉄サリン事件の被害者は6226人、8事件の被害者は6520人。施行後、地下鉄サリン事件の被害者として60人、その他の事件の被害者として3人が新たに判明した。

 また、施行時に被害者として把握されていた6520人のうち、75人は締め切りまでに連絡先が分からず、給付金制度を直接通知することができなかった。制度を伝えることができた6508人のうち、申請を受け付けた人は6084人。残りの未申請424人のうち、394人は申請の意思がないことが確認された。

 給付を辞退した人は、「事件を思い出したくない」「もっと被害の重い人に差し上げてほしい」などを理由として挙げたという。給付の内訳は、死亡(2000万円)25件▽要介護の障害(3000万円)5件▽重度の障害(2000万円)1件▽重傷病(100万円)1184件−−などとなっている。【合田月美】

 【ことば】オウム真理教犯罪被害者救済法

 地下鉄サリン事件や松本サリン事件、坂本堤弁護士一家殺害事件などオウム真理教による8事件の被害者と遺族に対し、破産により賠償能力のない教団に代わって国が給付金を支払う制度を規定している。警察を給付窓口とし、申請期間を2年として08年12月18日に施行された。
************
3

2010/12/14

サンタクロースってほんとにいるの?  日常のこと

童話
「サンタクロースってほんとにいるの?」
というのがあります。
http://astore.amazon.co.jp/book29-22/detail/4834009033

とても素敵です、挿絵も更に素晴らしい。

童話は、時に、出先で時間があいてしまった時に、本屋さんで読み見ている。
(実はいつか書きたい、描きたい、なんて思ってます、ああ言っちゃった)

この本は、しばらくぶりに読みました。素敵です。
おすすめ。

うーん、もうひとつすぐ思いつくのが、
「泣いた赤鬼」あたりかなあ。
「初めてのおつかい」も実に面白い。あれは絵を良く見るべし、と。

外に、なにがあったかなあ。
3

2010/12/13

流れ星  日常のこと

今夜は雨ですねぇ

ふたご座流星なんだがなあ

明日朝方はみられるかな

でなければ明日の夜か

何年前だったか、やたら出た時

広くて照明のないところにまで行って見た

数百個という、まあ一生分を見てしまったようなもの

1

2010/12/12

オウム裁判と15年間の変化−その1  カルト・宗教・犯罪

以下は、2010.7.9.発行の日本脱カルト協会会報15号のために記述したものですが、今年もそろそろ終わりなので、転載しておきます。
−ご参考までに。著作者友北こと滝本太郎

なお、この文章で引用している同会報9号(2005年4月6日発行)「オウム真理教裁判の10年」の原稿は、下記にPDFであります。
http://www.jscpr.org/other/Aum_10years_J.pdf

****************
オウム裁判と15年間の変化−その1

オウム裁判と15年間の変化
                 弁 護 士  滝 本 太 郎

「通知人は、2009年8月貴団体に入会し、***師こと***氏、***師こと***氏らの指導を受け、蓮華座修行、マントラ、麻原彰晃こと松本智津夫のビデオ教学など受けたが、一連のオウム真理教事件について改めて検討するうちに疑問を持ち、問うたところ『今、気にしないことが貴方のためなのよ、修行の妨げになる』などといわれ益々疑問に持ち、諸資料を見て、教団の欺瞞性に気がついたことから、****」
と、脱会を通知したのは、2010年になってからです。高校の部活の先輩に誘われて入信していた女性だった。事件当時は11歳であり、テレビの向こう側の事件だった。誘われて行ってみたら「良い人」ばかりだったとのこと。オウム事件が、「良い人」が「良いことをするつもり」の宗教殺人だったという恐ろしさが知られていない。

 以下、この15年の様々な情報を整理して報告します。
一連の刑事裁判に関しては会報9号(2005年4月6日発行)に詳しく記してあるので、その後の情報を報告します。

第1 刑事裁判に関して
1 死刑は13人
死刑が確定したのは、2010年5月末日現在、松本智津夫、宮前一明(旧姓は佐伯、岡崎)、早川紀代秀、新実智光、端本悟、横山真人、井上嘉浩、林泰男、廣瀬健一、豊田亨の10人である。うち、宮前、林泰男、井上が再審を請求している。松本については、2008年11月再審請求したが、2009年3月17日棄却されている。

地裁・高裁で死刑が言い渡されて最高裁に上告中なのが、土谷正実、中川智正、遠藤誠一の3人である。無期懲役は林郁夫、北村浩一、外崎清隆、杉本繁郎、中村昇の5人であり全員確定している。結局、マインド・コントロールについての判決上の記述は、会報9号で紹介した程度にとどまった。

各事件の概要と判決結果は、末尾で紹介のホームページ「無限回廊」で、整理されている。なお、筆者は井上嘉浩被告に対して、最高裁判決の2009年12月10日、「簡単には死なせない。まだまだ生きていてもらうから覚悟しておいて」と言ってきた。

2 教祖の死刑判決は、弁護人の基本的ミスで確定した。
教祖松本の刑事裁判は、一審の2004年2月27日死刑判決の後、意外な形で確定してしまった。出すべき書面が期日までに提出されなかったことを理由に、2006年3月27日東京高裁から棄却されてしまったのである。

すなわち、高裁では、地裁と異なり、教祖の三女らの依頼で2人の弁護士が私選弁護人に就いた。その2人は、2005年8月31日までに出すべき控訴趣意書につき、訴訟能力がなくなっている、意思疎通もできないから、として提出しなかったのである。裁判所は、訴訟能力はある、意思疎通できなくとも提出する制度であると判断した。実際に先立つ判例でもそうなっている。高裁は2006年5月29日に異議申立を棄却し、最高裁も同年9月15日に特別抗告を棄却し、死刑が確定した。弁護人は、2008年11月再審請求したが2009年3月17日棄却。

なお、高裁弁護人の2人が控訴趣意書を出さずに確定させてしまったことにつき、2006年9月25日に筆者、後に一市民と東京高裁事務局長が、所属している各弁護士会に懲戒を請求した。仙台弁護士会では2008年9月戒告の処分、第二東京弁護士会は2009年7月業務停止1か月の処分とした。両者から不服申立を受けた日弁連は、2010年3月、両者を戒告とした。
  教祖のそのまま確定した地裁判決は、末尾で紹介のホームページ「カナリヤの詩」の中にある。

3 逃亡犯と時効、未解明とされること。
逃亡犯は、地下鉄サリン事件の送迎役などの高橋克也、爆弾製造関与の女性K、假谷さん監禁致死事件の平田信の3人である。なお、公訴時効は、共犯者の裁判係属中は進行を停止していたから完成していない。そして殺人罪については、2010年4月27日成立・施行の法改正により、完成していない事件にも遡って、時効制度が廃止された。

國松警察庁長官銃撃殺人未遂事件(1995年3月30日発生)は、2010年3月30日被疑者不詳のまま公訴時効が完成した。警察は、2004年7月28日、在家信者の警察官を含むオウム真理教関係者を逮捕したが、嫌疑不十分により不起訴とされていた。「脳機能学者」苫米地英人氏による催眠術を使った元警察官被疑者への対応が、最後まで問題であった。
時効完成後、警察は「実行犯や共犯者を特定できるだけの証拠はなかった」が「オウム以外にいるとは考えていない」と記者会見で述べ、更に16頁に上る報告書をホームページに1か月間掲載した。

 村井秀夫刺殺事件(1995年4月23日発生、翌日死亡)の背後関係は分からないままである。同人は、地下鉄サリン事件につき教祖から実行犯らへ指示する重要なつなぎ役であった。暴力団構成員徐裕行による現行犯事件だが、同人は大幹部の上祐史浩や青山吉伸を襲うチャンスがあったが襲わず、村井を狙っている。同人は懲役12年となったが、指示したという暴力団の若頭は無罪が確定し、背後関係につき裁判所も疑義を呈している。

  その他、未解明のこととして「松本サリン事件に関する一考察」という文章が1994年11月頃から出回っていて、作成者は分からないままである。同年6月27日夜発生の松本サリン事件につきオウム真理教がしたと分析したA4で10ページほどのものである。ただ、サリンを氷の中に閉じ込めていたなどという、真実と異なりまた科学上もあり得ない仮説である。
薬物を暴力団に売っていたなどとの暴力団員数名が流した噂は偽りである。オウム側の関係者はすべて否定し、具体的な裏付けもない。筆者は、不動産取得について山口組系後藤組とオウム真理教との1988年頃から数年間の一部接触を確認しているが、坂本事件さえも同暴利団に依頼したものでなかった。

オウム真理教の施設からは、LSDが111.881g、覚醒剤が159.156g、メスカリン硫酸塩が3000.939g発見され、後に裁判の早期結審のために取り下げられたが、薬物製造使用事件の証拠とされている。

4 出所と影響
オウム事件で有期懲役刑を受けた高位者は、次々と出所してきている。うち「正悟師」であったものとしては、滝本サリン殺人未遂事件などの青山吉伸元弁護士が2009年に出所し、関西の実家近くに戻っている。教祖の妻であり「正大師」である松本知子は、離婚しないまま後記の通り実質教団に戻っている。
長期受刑者でオウム集団に戻っている者はそう多くない。が、裁判中も教祖への帰依を強調してきた高位者1名が2010年夏、出所して教団に戻ると思われる。

5 獄中の状況、信者への説得活動
宮前は、獄中でペン画を描き各種展覧会で入選するなどしている。拘置所には廊下に造花植物があるだけで、外の景色もまともに見えず、運動の際も空が見えるだけであるだけである。精神的に不安定になり、再び宗教書に埋没する被告人も少なくない。廣瀬被告の裁判は精神的な状況から一時公判停止となった。中には、心底脱会したのであっても、現実感覚を失い教祖が植え付けた地獄の恐怖もあいまって、再びオウム真理教の教えに縛られるものが出るのではないか、と心配される。

被告人のうち、林郁夫や井上のみならず、宮前、廣瀬、豊田、早川、端本、林泰男、杉本らは、それぞれの仕方で教団信者の脱会や、社会・学生らに向けて教団の本質、危険性を伝える活動をしてきた。ために、教団側は、一部被告人については面会に行かないよう制約していた。
刑が確定、まして死刑が確定してしまうと、通信・面会が著しく制限される。獄中から信者への説得活動はできず、残念である。

オウム真理教家族の会(旧「オウム真理教被害者の会」会長永岡弘行)は、死刑が確定した弟子9名について、これを執行しないように署名運動を展開している。

************************
13

2010/12/12

オウム裁判と15年間の変化−その2  カルト・宗教・犯罪

オウム裁判と15年間の変化−その2

第2 被害者救済と特別立法による監視
 1 宗教法人としては解散、そして破防法、財産処分について。
オウム真理教に対しては、1995年10月29日東京地裁から、「宗教法人」としての解散命令が出された。サリン製造の認定に基づいている。同年12月19日東京高裁は即時抗告を棄却し、法人としての解散が確定した。

一方、公安調査庁は同年5月24日、この「団体」を破壊活動防止法上の調査団体に指名したうえで12月20日、弁明手続きを公示し、1996年7月11日には解散命令を請求した。同法上、初めてのことである。弁明では、教祖麻原自身までもが教義などを得意満面に説明した。
公安調査庁の動きは、あまりに遅かった。大規模な強制捜索が続き、首謀者も幹部らも次々逮捕され重い処罰が予想される状況下で調査団体にするという体たらくであり、もはや「暴力主義的破壊活動」を「継続又は反覆して」なす「明らかなおそれ」が認められる「十分な理由」はないという外なかった。公安審査委員会は、1997年1月31日解散請求を棄却した。

この破防法上の解散命令や、宗教法人の解散命令には、まともな財産処分規定がないという欠陥がある。それは「破産制度」によるしかない。そこで、1995年12月8日、被害者自身が、氏名などを明らかにする恐怖を押し切って破産を申し立て、次いで国が申し立てた。1996年3月28日、東京地裁はこれを認め、破産管財人阿部三郎弁護士らによる財産処分が始まっていき、1996年末までに施設から信者をすべて退去させることができた。施設解体費は、管財人の説得により、国が廃棄物として負担した。

2 税金などが優先するという不合理
既存の破産制度によれば、配当の際には被害者よりも税金が優先されてしまい、被害者の救済に欠ける。そこで、破産管財人と被害者らは、国、地方公共団体や国会議員に強く働きかけ、異例にも税金を劣後させる特別法を制定させるに至る。1998年4月24日成立の「オウム真理教に係る破産手続における国の債権に関する特例に関する法律」である。

3 破産宣告後の財産と賠償契約について。
また、既存の破産制度では、破産決定の際の財産のみが「破産財団」を形成し、その後に集団が実質残っていて財産ができてもこれを配当に回すことができない。それは同時に、団体としてのオウム真理教の存続復活を容易にしてしまう。
そこで、更に被害者や管財人は努力し、1999年12月7日「特定破産法人の破産財団に属すべき財産の回復に関する特別措置法」を制定させるに至る。これにより、後に教団が取得した財産も既存団体から「流出したと推定」され、既に法人格はないが団体である教団が、2000年7月6日破産管財人と賠償契約を結ぶに至っている。

4 あらたな団体規制法による「観察処分」
上記法律の成立と同じ日、「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」が成立している。これは、破防法の解散命令が棄却されたことを受けて、公安調査庁として別に監視する方法を模索した結果である。
この法律に基づき、教団は、2000年1月31日から3か月ごとに施設、信者、活動状況を報告しなければならず立ち入り調査にも応じる「観察処分」を受けており、3年ごとに更新されている。
同法には、観察処分に違反したり甚大な違法行為があれば、6か月間なんら活動してはならない「再発防止処分」ができ得ると規定されているが、まだ発動されていない。同法は5年ごとの見直し規定があるが、継続されてきている。

対象団体は、「麻原彰晃こと松本智津夫を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め,これを実現することを目的とし,同人が主宰し,同人及び同教義に従う者によって構成される団体」である。すなわち、対象はオウム真理教の分派とみられるいくつかの団体を含めたすべてである。が、現実に対応しているのは、後記の「アレフ」と「ひかりの輪」のみである。

観察処分につき、「ひかりの輪」への公安審査委員会の対応が注目される。というのは、2009年1月23日更新決定では「未だ脱却が行われたものと認めることはできないが、今後の『ひかりの輪』の活動が、両サリン事件等に対する真の反省に基づき実施されるものであると認めることができるか、また、被害者や周辺住民等の理解を得られるものであると認めることができるかを注視していくことにしたい。」と付言からである。将来、観察処分の対象から外す可能性がある。

筆者は、この付言は重大な間違いを犯している、と考える。「ひかりの輪」は後記のとおりの背景と実態を持つものだからである。
  「ひかりの輪」は同委員会に観察処分の取消しを請求し、「アレフ」は、東京地方裁判所あて取消請求訴訟を提起している。

5 オウム真理教被害者の民事救済
破産制度による配当は、上記の管財人や被害者らの努力により、外部の人身被害者に対して36.87%(寄付金を含めれば40.39%)という一般の破産実態からは高い配当率になったが、人身被害であるという特質からは足りるものではない。
一方、米国は2001.9.11アルカイダによる奪取した航空機を使った同時多発テロの人身被害につき、数カ月を経ずして被害補償をしていた。日本でも犯罪被害者等基本法が2004年12月8日成立し、間もなく犯罪被害者等への給付金が増えた。が、給付金増額はさかのぼって適用されない。
そこで、地下鉄サリン事件の遺族高橋シズヱさんをはじめとする被害者らは、引き続き強く社会や国に訴えた。国に対するテロ事件の被害であり、警察などがまともな捜査していればここまでの被害にはならなかったからである。

その結果、ようやくにして2008年6月23日「オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律」が成立した。内容は、一連のオウム事件のうち外部人身被害者につき10万円から3000万円を国が補償し、国がオウム教団に求償するというものである。これにより大幅な救済が図られ、また地下鉄サリン事件では、死亡者が刑事裁判では12人であったが実は13人であること、傷害を受けた者も5000人余りではなく6300人に上ることが判明し、給付につなげることができた。
だが、重い障害を負っている方らへの補償額は不足し、医療・療養体制は備えられておらず、被害者らへの継続的なケアー体制もないままである。

  なお、上記とは全く別に、早期に、上記「家族の会」の提唱で「見舞基金」が作られ、信者家族や脱会者137名が12,956,107円を拠出し、1996年中に外部死亡者遺族に50万円ずつ受領して頂いたほか(受領いただけないご遺族もいた)、管財人が作った寄付口座に2,717,498円を入金している。

6 オウム教団の民事責任
オウム集団の民事責任としては、上記救済法に基づく国の求償権に応ずる義務のほか、被害者自身の未だ補償されていない請求権が優先する。そこで破産管財人は、2009年3月18日に裁判所の許可を得て、「オウム真理教犯罪被害者支援機構」に、教団との間の賠償契約上の債権を譲渡し、同機構が請求・受領することとした。

ところで、前記の破産管財人と教団との間の2000年7月6日付賠償契約は、オウム集団の後継である「宗教団体・アーレフ」が、破産手続き上確定した債務(51億5830万9374円)を引き受け、法人であったときの財産とは別に、まずは2005年6月末日までに内金9億6000万円を分割して支払うという内容であった。

教団はいったん合意した以上、破産業務が終結しても、これに応じて支援機構に対して支払う義務がある。しかし、オウム集団の本流「アレフ」は、上記債権が譲渡された後、支援機構との間で支払い合意をしないままであり、分派「ひかりの輪」は2005年9月7日合意書を交わしたものの、約定どおり支払わないままである。

その結果、寄付金などによる配当増加額をも加えて控除しても、破産結了直前の2008年11月18日現在で、残金24億7527万9050円が支払われていない。

*********************
4



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ