先日入手したLive DVDを2つ観終わった。
一つは、Eagles 「Farewell Live Tour T」 昨年行った再結成ツアーのメルボルンでのライブ アクト。
70年代にウェストコーストの雄として一世を風靡したEagles、再結成ツアーには、ドン ヘンリー、グレン フレイと「Hotel California」から加わったジョー ウォルシュ、さらに80年から加わったティモシー シュミットが参加している。
自分が見た77,8年の日本公演の際には、長い髪とブーツカットのリーバイス 646で西部のアウトローのようなスタイルだったメンバーもオープニングではスーツ姿で登場して時代の流れを感じさせる。 Eaglesが旬だったころ、西海岸には「文化」があり、彼等はその伝道者でもあった。

リンダ ロンシュタットのバックバンドから始まり、カントリーのテイストを感じさせたバニー リードン在席時の初期、中期の傑作「魔女のささやき」、「呪われた夜」を経て、ジョーの加入によりブレイクした「Hotel California」。ここをピークにバンドは煮詰まり、ベースがティモシーに変わり「The Long Run」での終焉を迎える。 ヒット曲も多く、このメルボルンのステージでも多くの人が一緒に歌っている。 自分も観ながらつい歌っていた。
豊かな経験のなせる技なのか、ほとんどの曲がレコーディングのクオリティとほぼ同様に再現されて行く。 このステージでの発見は一人のサポート ギタリスト。 柔らかいフィンガー ピッキングのギターで、ほとんどの曲をレコードと同様に再現して行く。 オリジナル ギタリストの ドン フェルダー?とも思ったけれど、顔が違う。
結局、メンバー紹介で「スチュワート スミス」というサポートのギタリストだと判明した。 まさにサポート ミュージシャンの鏡とも言える、見事な仕事を見せてくれている。
ヒット曲も多数有り、テクニックも素晴らしいけれど、今ひとつロック レジェンドにまでは昇り詰めることが出来ないEagles。 曲がキャッチーすぎることで、万人受けしすぎること、演奏がきっちり出来すぎてスリリングさに欠けることなどが、案外その理由なのではと、再結成のライヴアクトを見て思った。 いい曲が沢山あって、いいバンドなのだけれど。
もう一つのライヴは70年代の初頭からサザン ロックの神として君臨し、紆余曲折を経て何度目かの再結成を経て現在に至る The Allman Brothers Bandの2003年のライヴ、「Live At Beacon Theater」。
兄の影響で自分が聞き始めたころには、サザン ロック伝説のギタリスト「Duan Allman」はすでに他界していた。
1977に武道館のアリーナで、Gregg Allman Band として観たAllmanのライブの興奮は今も残っている。 ブロンドの長い髪のグレッグの巨漢ぶり、そしてその声に圧倒されたことを思い出す。 発音、そのサウンド、すべてが南部のブルースとなる。
ツインドラムとパーカッションによる独特のリズム、うねるように絡むツインリードのギター。 ディープなサウンドは魂を揺さぶる迫力がある。

オリジナルのメンバーは、グレッグ オールマンにツインドラムのジェイモとブッチ トラックスの3人だけれど、新しいギタリストとして迎えられたデレク トラックスが素晴らしいギタープレイでバンドに新しい命を吹き込んでいる。
最近知ったところによれば、なんとドラムのブッチの甥とのこと。 伯父さんがプレイしたレコードの曲を克明にコピーして練習したのだろうかと思わせるほど「Wasted Time No More」や「Black Hearted Woman」、「Statesboro Blues」などのかつての代表曲でのプレイも素晴らしい。
黄金に輝く長い髪をゆらしてプレイしていたグレッグも今ではすっかり南部のオッサンといった風情だけれど、その声は全く衰えてはいない。 デレクの加入によってバンドは完全に復活したのではと感じるパフォーマンスを見せている。
以前、ブートレッグの店で故デュエイン オールマンのVCDを買ったことがある。 極めてクオリティの悪い映像だったけれど、映像で動くデュエインの姿をそのとき初めて観た、彼の死後、すでに30年近くが過ぎていた。
デュエインの死後、後を追うようにべーシストのベリー オークリーも同じくモーターサイクルの事故で亡くなった。相次ぐ不幸とバンドの混乱。解散と再結成、精彩を欠いた幾つかの作品、そして復活。
一つのバンドが伝説となるのには、ディープなストーリーも必要なのかも知れない。そして、それは作品に影を落とし、深みを加える。 Allmanの音楽には、まさにヘヴィー級のパンチのような重さとインパクトがある。