チェンジングルームで稽古生のAlainが居合いの抜き打ちの形を動きながら、「この動きにはどう対処する?」と聞いて来た。
「決まった形の中にはないけれど、どう対処すると思う?」と聞くと、「こう思うんだけど」と言いながら、抜き打ちに出ようとする右腕を諸手で押さえに来た。 「そこからどうする?」と聞くと、「うーん、入り身投げかな?」と言う。 「ナイス アイディアだね」と答え、「今のかたちを見てみろ」と言いながら、押さえたかたちが諸手取りになっているのを確認させて、「この時点で、抑えた方が躊躇すれば、自分は諸手取りからの技へ入る」と伝えた。
返しの技に納得している氏に、良い着眼点であることを話し、武術はイマジネーションであるということを改めて伝えると、氏も同様に「ときどき、いろいろな状況について考えている」とのことだった。
通常の稽古では、形を通して、技の理合いと身体の使い方を学ぶ。 そして、個々の状況に応じて、身についている技の動きの中から適したものを引き出して対応して行く。
言うなれば、形から応用技、自由技への展開。 もちろんその応用では、形の動きだけで対応するわけではなく、有利な位置取り、身体の使い方で対応する、当身なども当然そこでは使用される。
Alainの質問に触発されたので、今日の稽古は多少形を離れて、自由技、応用技の範囲で行ってみることにした。
それでも、まずは基本となる形の動き、交差取り一教から。
掴まれた腕を肘を軸にして回すように振り上げる動きは、ちょうど上段の突きに対する受けの動きでもある。取らせたところから入る交差取り一教から、顔面への上段突きを受けて一教へ入る動きに変えてみた。 もちろん、この動きは基本の形にはない動き。
まっすぐに入ってくる上段突きから目を切らなければ、受けから一教へは簡単に入れる。 さらには、踏み込みを深くして入り身投げ、相手との位置関係によっては、他の技へも入れる。 なにより、受けた後、相手の側面に居る立ち位置は圧倒的に有利であり、相手わき腹へ突きを入れてもいい。
腕を抜く、リラックスした動きと体幹の使いを感じながらの片手取り呼吸法、相手の力を放出させる動きと柔らかい身体の使いで動いた後、相手の力を前方下へ放出させる両手取り呼吸投げ。
当てる、抜くという腕の動きに合わせて、中心で押す、中心から抜くという動きも要求される。 自分が白帯のころ、初めてトライしたときには全く出来なかった技を、皆結構上手く行っていた。
大人の稽古生には、腹筋と呼吸の使いも説明させてもらった、呼吸の使いは普段の生活の中でもできる稽古。

片手取りから、小手返し〜四方投げ〜入り身投げと繋ぐ連続技。
技を繋げるには、相手との繋がり、位置取り、そして流れが大切。 技を出した後、待つのではなく、常に有利な位置、有利な位置と動いて行くことで、次の技へスムースに入れる。
位置取りと流れは、今ひとつの印象ではあったけれど、終盤に相手の動きの流れを繋げて行くことに気がついたのは、収穫だったと思う。
今日の稽古では、通常の形を離れ、応用技、連続技と自由に動いてみた。
キッズの集中も普段よりは断然高く、なにより稽古後に、今日の稽古は楽しかったと話していたのが印象に残る。
やはり、思うままに自由に、存分に動くのは楽しいに決まっている。