一週を通じて天候の悪かった香港。 休みの最後の平日に、離島の海へ行ってのんびりと過ごそうという計画を完全にぶち壊してくれた天候は、今日は豪雨となって徒歩で稽古場所へ向かう雪駄履きの脚をずぶ濡れにしてくれた。
稽古の前に、内なる宇宙と天空の宇宙、宇宙の摂理と一体となることなどの開祖のお話を少し。
さらには、自己実現の道としての合気道との取り組み。 これがなければ、武術は武芸であり、身体技術で終ってしまう。 そこに精神性と哲学が加わって道となると信じている。
稽古は、交差取りの一教から。
しっかりと持たせたところから、抜いて崩す、その手前の段階としての当てて抜く、または、取られた瞬間に動く。 さらには、取らせる位置をずらすことでの崩し。 これらの初動での崩しに集中しながら、腕の返しから相手を掴まずに、接点(掴まれている手首)に留意して、相手を崩しきる。 表技では、膝前の収めから押さえへ、裏技は、接点を導くように転換して床上の納めへ。
各人が課題に取り組み、それを実演して見せることで、実に良い稽古ができたと思う。
同じ捌きから入身投げへ。
交差取りの場合、通常の相手の首へ添えた手ではなく、掴まれている接点の手で転換の際のリードを取るのも悪くないと思う。 腕を大きく伸ばして、同様に大きく開いた手のひらで全体の動きをリードして行くような感覚で導く。 返しから大きく振り延ばした腕での崩し、そして手のひらの方向への導き。 この動きで相手は大きく崩れてくれる。 最後は通常通り、もう一方の手で相手の頭を自分の肩口へ運び、振り上げた腕で真下への切り落とし。
もう一形は、片手取りの四方投げ。
中心から沈み込むように出る、相手の腕を伸ばすように、手の内で勝負しないように。 さらには、十分な転身と相手の腕の収め。 ひとつひとつの動きに注意しながら、ゆっくりと呼吸を使いながら動いてみた。 さらには、腕を縮める相手への対処方など。

「この一球は、唯一無二の一球なり」というテニスの格言を聞いたことがある。
合気道の稽古においても、出会い、接点、崩し、各状況においては、同じ状況は二度と無いとも言える。
であれば、「されば身心を擧げて投げ、押さえるべし この一挙一動に技を磨き 體力を鍛へ 精神力を養ふべきなり この一挙一動に今の自己を發揮すべし これを合気道する心といふ」というところだろうか。
合気道においては、稽古のために、相手の身体もお借りしている。
要所に注意しながら、集中して効率の良い稽古を心がけたい。
そういう意味では、今日は実に良い稽古ができたと思う。
いつも通り、相手に思い切り持たせての座技呼吸法で終了。