昔読んだ映画の原作小説の中で、ホテルのボーイが長逗留をしていたイギリス人の画家に、「雨季が来ました。」と伝えた台詞を思い出させるように、ここ数週の香港は雨模様。
雨空の下をリゾートにこそふさわしいリネンのイージーパンツに雪駄履きで、深水歩の稽古場所へ向かった。 強い日差しのリゾートのビーチで漫然と寝転ぶ夢を見るけれど、今の自分には夢のまた夢、このところ結構タフな時間を過ごしている。
結局、雨は夕方まで降らず、幸い稽古後も濡れる事無く帰宅することができた。
日本では、武道館で全日本合気道演武大会が開催されている時間帯。 時折、大分ご無沙汰となっている武道館を思いながら、稽古を行った。
横面打ちを流す捌きから入身投げの表へ。
相手の打ち込みに踏み込みながら、当たらないようにいなして捌く。 さらに送り足で踏み込んで、相手の力の流れを止めないように、さらに送り出すように相手肩口へ導いて後方へ倒す。
打ち込みをいなす、日本語よりも「スルーする。」という言い方の方が上手く動きを表現すると感じる。 相手の力を後押しするように、踏み込んだ足を軸にして円運動。 中心をしっかりと保持して中心線がブレないように。 さらに背筋が真っ直ぐに伸びた姿勢にも注意したい。
同じ捌きから相手背面へ大きく入身して転身、転換しての入身投げ裏技。
相手との繋がりは緩く大きな動きで、腕は大きく下段からの捌きのように緩やかに伸ばす。 相手の首を押さえた腕で相手をコントロールするように転換、相手の頭を自分の肩へ運び、上から切り下ろす。 身体の出し入れで相手の足を走らせれば、頭が肩に届いた時には、すでに相手は後方へ崩れている。 力で引こうとすると反射で相手も固くなるので、緩い繋ぎで相手を動かしたい。

横面の最後は呼吸投げ。
相手の横面の打ち込みに踏み込んで、相手脇へ伸ばした腕を差し入れて転換。 肩越しの相手の打ち込みの腕をもう一方の手で押さえ、接点を作って前方へ転がす。 立ち技では豪快に、膝を落とせば穏やかな技となる。 動きは柔道の背負い投げの動きに近いけれど、背中には背負わず、接点はわずかに相手脇下と打ち込みを押さえる手首のみ。 相手の力の流れを使い、手首の接点を軸にして相手の身体を回転させる。 流れと呼吸で転がす、まさに合気道らしい技でもある。
極みとも言える現道主の座り技を想っての座技正面打ち一教。
気持ちを穏やかに遠山の目付けで待ち、相手の打ち込みに呼応して出る。 受けから返しへは相手の重心を浮かせるような大きな動きで、脚の捌きはすべて膝行。 裏技へは相手の肘を巻き落とすように返して膝を軸に転換。腕を自分の中心に巻き落とすように運び、力で引っ張ることの無いように。 座り技は、自分では少し遅いかなと感じるくらいのスピードで動いているくらいの方が見栄えは良いように思っている。
出る、転換、踏み込むという膝行の動きを大胆に動いての座技正面打ち入身投げ。
大胆な膝行の動きでもブレない中心と上半身、そして相手の動きを良く見ての投げのタイミングが重要となる。 膝行は、言うなれば座っての歩行、力が入らずリラックスして動きたい。 稽古前の準備運動でも、変に気合を入れず、楽な感覚で動いて欲しい。
腕の使い方、相手との接点に留意しての座技呼吸法で終了。